Crystal of Latir

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Capítulo4  Espada de luz

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「珍しく東洋に関する文献を発見した。
 光を生成する植物が森林奥地に存在するという」
「構造はまったくもって理解不能。
 有機物より光を放つ生物は存在するが、
 この内容は木より太陽と同等な光を発するという。
 ただ、一種の自然物のみで発生する条件がない」
「木々の隙間より風によって煌びやかさを照らし、
 特定の不可視光を発するらしいが、
 これは女性の力のみで生み出すとされている。
 グリーンフローライト、スフェーンのような緑結晶は
 確かに気圧に変化をもたらせる性質をもつ。
 しかし、緑ACの風が作用によって他の性質に
 影響を与えるのはほとんどない。
 男性でもスフェーンを扱えるはずが、
 何故か揺らぎの光発生には女性のみに限られてしまう」
「肉質、生殖機能のいずれによる差であろうか。
 やはり、不可解なもの。
 無機物が有機物との複合作用は彼の防壁と類似する
 点において共通点があり、興味深い。
 今回は個人的に当たりとよぶべき代物で、
 胸に意識しつつ読んでみるとする」


――――――――――――――――――――――――
「今日は何人だ?」
「5人です、いずれも衰弱死してしまいました」
「今年は不作じゃな。
 まったく、この調子じゃ巫女も絶えてしまうわい」
「しかし、見込みはあります。
 およそ1年持ち堪えている者も」
「そうだな、そろそろ出して良い頃合いか。
 ならば、その女子を譜代ふだいに嫁がせ――」
「た、大変です! 匣が1つ見当たりません!」
「なぬ!?」
「収容所にいたはずの子が1人!
 1年前に入れた御家人の娘がおりません!」
「よりにもよって候補の失踪とは、なんたる失態。
 今日の管理はあやつのはず、どこじゃ!?」
「おりません・・・馬車も1台行方を絶って」










「ここは・・・どこ?」
「霊峰腑士、樹海の中にある里だ。
 ここは俺達外様が管理していた場所だ」
「かんり?」
「まあ、住んでいるって事だ。
 ここなら奥深いから追手も来ない。
 もう、こんな所に入れられる心配はないから大丈夫だ」
「なんで、わたし、ここに入れられてたの?」
「それが・・・よく分からんのだ。
 今まで俺達は命じられるままに仕向けただけで」
「そう」
(どうにか隙をみてこの子だけは助けられた。
 しかし、俺の娘の様に助からなかった子達もいる。
 今、本当の事を言うのはやめておこう)










「調子はどうだ?」
「おかげさまで、御光を十分に取り入れられました。
 地上の空気もこれほど美味しいとは思いませんでした」
「そうか、ここはどこよりも自然に満ちている。
 あれから15年も経った。
 俗世を捨てたここは刻の感覚も忘れる」
「世相から離れると、身近な現象の違いに気が付くと
 誰かから教わった事があります。人の密集による
 悪循環を正してより良く変わってゆけば良いですね」
「ああ、時代も変わる。
 人はいつまでも同じ事を繰り返せない」
「変わった、という節ならば覚えはあります。
 私も・・・」
「何?」
「最近になり、気が付いてきたのです。
 自然のざわめきにかすかな違いがあるのではと、
 木々の隙間より射す光が訴えているという現象に」
「自然信仰のようなものか、俺達には良く分からんが。
 繊細な者こそよく気付く事なのかもな」
「せんさい・・・ですか?」
「いや、なんでもない」









(炸光さくこうに気が付き始めたようだ。
 才の在る者に光彩こうさいが宿り、
 真光の木を見分ける能力をもつという。
 狸悪代官の言い分はまんざらでもなかった)
(安久の地には光り輝く神木があるという伝説。
 光の木は確実に巫女によって指し示された話がある。
 元は闇の中で耐え抜いた暗視による根端か、
 宝木刀は本当に実在するのか)
(鉄格子に光は当たらん。
 闇の隙間から通る光を区別する才をもっている。
 歴代の巫女より、普通の者には見えない光木を
 選ばれた者によって定められる。
 だが、巫女があの碧の石と共通する所以は?
 御石と関連するのが分からん)










「おい、この村いつまでもつんだ?」
「領内は飢えも横行している。
 百姓一揆、打ちこわし、人の多いとこは皆そうだ。
 俺達も資源のある里で暮らしているからまだ良いが、
 ここも、いつ見つかるのか・・・」
(宝木刀も結局見つけられない。
 真光はどこに・・・?)










「実は、お前に伝えたい事がある。
 昔、俺がお前を助けたのは伝説の――!?」
「私もお待ちしておりました。
 この日をもって、貴方をお迎えに来ます」
「宙に・・・浮いている!? お前は一体!?」
「私達が女性だからではありません。
 大いなる御石の力によるものです」
「まさか、それは!?」
「天藍石、光を促す風を生むあきらかです。
 木々は風に揺られ、適切の御光が人々を活性へと。
 ただ、私達に風を起こす力をもっていません。
 基より、風を生み出すのは貴方がたなのです」
「男が剣を振ると生み出す風・・・楔石くさびいしか。
 そうか・・・匣の由来、巫女というのは
 知っていたんだな・・・お前達巫女は」
「感謝するのは私の方なのです。
 剣の風により、貴方は闇から救って下さいました」
「そうか・・・俺の起こした行動こそが。
 そうだったのか・・・これが救い」
「始めから決まっておりました・・・私はすでに」
「お前が・・・俺の」
「行きましょう、光の御籠おかごへ・・・。
 また新たなる可愛い匣の子を誕生させましょう。
 どうぞ、私のお近くまで・・・」
――――――――――――――――――――――――
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