21 / 99
第15話 首都高脱出戦線
しおりを挟む
2011年12月31日
「おい、まだ開かねぇのか!?」
「サッサと晃京から出させろ!」
「防衛省の安全基準の判断まで通行はできません!
許可が下りるまで今しばらくお待ちください!」
数百人もの都民達が集まり、開通を迫っていた。
開始時間に出たいと同じ考えをしていた人も多く、
高速道路検問、パーキングエリアはごった返しで
コンクリート地上を埋め尽くしていた。
到着した自分と郷は阻まれるとばかり最群列の後ろから
ライトに照らされた彼らを見る。
「多いな」
「まだ開いてなかったのか!?」
自分は郷が運転する後部座席に乗りながら
周囲を観て顔が固くなる。
予定だと22時だが、過ぎてもまだ開かなかったので
晃京を出たがる合唱隊に交じるしかなかった。
「ホントに出れんのかよ!?」
「しょうがない、俺達も待つだけだ」
強引に入れるわけがなく、
エンジン音と排気ガスが立ち込める間、
少しばかり遅れて料金所は開いた。
1台ずつ通され、我先に速度を飛ばす塊。
ただ、他県に移動する者ばかりとは限らず。
レース感覚で高速道路をやたらと走り回る連中も
増え始めていた。
「よぉ、オメエらもハシリか!?」
「ちげぇよ、埼王に行くだけだ!」
イベント好きなバイカーもやって来ていた。
連中にとってここはサーキット場とみなして
遊び感覚に往生する。
光の当たらぬ箇所から彼のモノ達が現れる。
開放による自由はほんの一時だった。
どこからやって来たのか、地上と空の双方から
紫色のヒョウ型悪魔が後方から走り、
羽が生えたコウモリ型悪魔が滑空してきた。
「ギャアアァ!」
「いひぃえあ゛あ゛!」
輩を狙って襲い掛かる。
ヒョウに噛みつかれて引き裂かれ、
コウモリに体液を浴びせられて溶解。
気が付けば、有機物の塊が散乱。
「おい、アレ!?」
(現れたか・・・)
バイカー達の悲鳴は自己主張の度を超えた声で、
噛んぎり声をまき散らす。
心の中で来るとは思っていたが、望むべくもなく
結晶より来訪者が脱出を阻みにきた。
クラーレを薙ぎ払ってヒョウを後退。
どうにか跳びかかるタイミングを見定めて斬った。
思わず地上ばかりにとらわれたのか、
1体のコウモリ型が寄ってくる。
「この手羽先野郎!」
「前を向いてろ!」
液体を吐きかけられ、車体が揺らいだ。
郷にかまうなと叫ぶ。
コウモリなのか、幸いスピードはバイクの方が速く、
多数に絡まれずに撒いた。
だが、ヒョウ型は速く追いつかれる程なので、
警戒対象なので変わりなく、
このまま出口まで向かうのは危険と判断。
「郷、まだ埼王料金所に行くな!」
「どっちだ!?」
「下だ、今出口に行っても追いつかれる!
周回しながら対処するぞ!」
上下に分かれた道路の下側を選ぶ。
出口は混んでいると分かっているから、
もう1周しながら引き離す手段を立てた。
深緑の刃で地道に振り続ける。
一方で京香も高速道路にいた。
友人宅に泊まると両親に噓をつき、
バスを利用して晃京脱出を図ろうとする。
しかし、出口付近は混雑状況。
道路後方で異変に気付いた車の群れが渋滞を起こし、
乗り物だらけですし詰め状態。
自分は耐えきれず下車ボタンを連打した。
「ここで降ります、開けて!」
料金分を払ってさっさと降りた。
埼王入口まで500mもない。
車にはねられないよう、端に沿って走る。
後は適当にタクシーをつかまえてホテルで一泊。
店はもう閉まっているはずだから、
翌日から悠々と探せば良い。
きっと大金になる。
もはや、私欲を抑えられなかった。
一定間隔の外灯をいくつ越えたのか、
晃京を抜けて駆けてゆく時だった。
「うっ!?」
脚に何かが刺さる。
よろけて腰がフェンスに勢いよく接し、
軸に上半身が回転して外側に向かう。
そして、万物を従わせる重力によって落下した。
「がふっ!?」
頭を打って転倒。
6m下の地面へ落下してしまう。
京香は横たわり、ピクリとも動かずにいる。
「女が倒れているぞ!」
異変に気付いた自衛隊員が察知して通報、
救急隊員が駆けつけてタンカに乗せ、
すぐに病院へ連れてゆく。
「急患です、交通事故で1名!」
「晃京内の女子高生と確認、リリア准教授!」
「すぐに集中治療室へ!」
リリアを担当医として受け付ける。
彼女は病院の奥へと運ばれていった。
近い位置にいた聖夜と郷は京香の存在に気付かず、
夜道を通り抜けていた。
何匹やったのか、悪魔の姿はもう見えない。
2人は意識していなかったが、
毒剣の効果は生物型に確たるダメージを与えていた。
剣は至近距離で何度も触れられず、
一斬りで体力を弱らせていたので、
道中で力尽きさせる事ができた。
「追手はもう終わりか?」
「みたいだな、出口へ行こう」
自衛隊もすでに散開し、なけなしに悪魔の処理に
移行しているので安全圏を確保できるだろう。
安心して再び発進した時だ。
「ん?」
郷は上部で音を聴いた拍子で不意に上を向く。
何かと、口を開けっ放しでいると。
「がぽっ!?」
郷は喉に違和感を覚える。
口に何かが飛び込んできたようだが、吐き出せない。
「「なんだ・・・体が?」」
まるで自分がそこにいない様に感覚神経が鈍り、
続けて運動神経へ障害をもたらしていった。
なにくそと運転根性で姿勢を保ちながら風を切り、
上手にドリフトをしてカーブを曲が。
「曲がりきれねえええ!」
というわけにいかず、道路端に突っ込む。
時速30kmの塊は慣性の法則に従うままに
ガードレールに向かってゆく。
「うわああああっ!?」
「うおおおおおっ!?」
転倒。
衝突前に、自分と郷は放り出された。
郷はそんなに運転が上手くないのを今更思い出した。
(クソッ、こんな所で・・・)
しかし、自分はACのおかげで無傷で済んだ。
友人と同じ目に遭ったんじゃ元も子もない。
まさにミイラ取りがミイラ取りになりそうに、
包帯代わりのコンクリートで包まれるところだった。
ここは悪魔も住民もいない。
そこから数歩先にいた自分は郷と合流するために
暗い夜道でさっきから相方の返事がない。
「郷、どこだ!?」
「せいや~」
「どうした、ご――!?」
「ヒョウ!?」
そばにいたのはしゃべるヒョウ型だった。
外見は先に遭遇したものと似ているが、何やらおかしい。
マヌケな声からして、敵性のものではなかった。
「待て、オレだよオレ! オレだっての!」
「お前、郷か!?」
いつもの聞き慣れたうるさい声がする。
郷はネコ科の悪魔に変わっていた。
「何が起きたんだ!?」
「なんか、食べたような気もする。
いや、食ったってよりは口に入ったような」
「口に入った!?」
上を向いた時に何か口内に入ったと言う。
悪い物を食べたにしては買い食いなんてする
余裕がなかったはず。
彼女達に相談するしかなく、解決の糸口を頼んだ。
何て説明するのか見当もつかない。
「聞いてくれ、郷がネコみたいになったんだ・・・」
「「なんですって!?」」
「すまん、俺も何て言えばいいのかまったく・・・」
「「ミイラじゃなくてヒョウになったのね、まったく」」
「なんとかしてくれえ!」
「「明日、正倉院神社に来て。
退魔法で何か分かるかもしれない」」
「厘香の家か、分かった」
携帯を切る。
埼王に行く予定を変えて一度帰ろうとした。
1人と1匹は暗い暗渠に身を寄せて
自衛隊や通行人の目から隠れる。
「なに、この世界!?」
「見舞いどころじゃないな、これは・・・」
このままだと見つかって処分されてしまう。
幸い、足は高速移動のできるコイツに代替。
自分は郷の背中に乗り、
沙苗の待つ駐車場まで移動しようと
人目を忍ぶように首都高速道路から撤退。
明日、厘香の家、正倉院神社へ行くことにした。
――――――――――――――――――――――――
首都高速道路の出入口は何箇所かあります。
道路境に規制を敷く設定にしています。
「おい、まだ開かねぇのか!?」
「サッサと晃京から出させろ!」
「防衛省の安全基準の判断まで通行はできません!
許可が下りるまで今しばらくお待ちください!」
数百人もの都民達が集まり、開通を迫っていた。
開始時間に出たいと同じ考えをしていた人も多く、
高速道路検問、パーキングエリアはごった返しで
コンクリート地上を埋め尽くしていた。
到着した自分と郷は阻まれるとばかり最群列の後ろから
ライトに照らされた彼らを見る。
「多いな」
「まだ開いてなかったのか!?」
自分は郷が運転する後部座席に乗りながら
周囲を観て顔が固くなる。
予定だと22時だが、過ぎてもまだ開かなかったので
晃京を出たがる合唱隊に交じるしかなかった。
「ホントに出れんのかよ!?」
「しょうがない、俺達も待つだけだ」
強引に入れるわけがなく、
エンジン音と排気ガスが立ち込める間、
少しばかり遅れて料金所は開いた。
1台ずつ通され、我先に速度を飛ばす塊。
ただ、他県に移動する者ばかりとは限らず。
レース感覚で高速道路をやたらと走り回る連中も
増え始めていた。
「よぉ、オメエらもハシリか!?」
「ちげぇよ、埼王に行くだけだ!」
イベント好きなバイカーもやって来ていた。
連中にとってここはサーキット場とみなして
遊び感覚に往生する。
光の当たらぬ箇所から彼のモノ達が現れる。
開放による自由はほんの一時だった。
どこからやって来たのか、地上と空の双方から
紫色のヒョウ型悪魔が後方から走り、
羽が生えたコウモリ型悪魔が滑空してきた。
「ギャアアァ!」
「いひぃえあ゛あ゛!」
輩を狙って襲い掛かる。
ヒョウに噛みつかれて引き裂かれ、
コウモリに体液を浴びせられて溶解。
気が付けば、有機物の塊が散乱。
「おい、アレ!?」
(現れたか・・・)
バイカー達の悲鳴は自己主張の度を超えた声で、
噛んぎり声をまき散らす。
心の中で来るとは思っていたが、望むべくもなく
結晶より来訪者が脱出を阻みにきた。
クラーレを薙ぎ払ってヒョウを後退。
どうにか跳びかかるタイミングを見定めて斬った。
思わず地上ばかりにとらわれたのか、
1体のコウモリ型が寄ってくる。
「この手羽先野郎!」
「前を向いてろ!」
液体を吐きかけられ、車体が揺らいだ。
郷にかまうなと叫ぶ。
コウモリなのか、幸いスピードはバイクの方が速く、
多数に絡まれずに撒いた。
だが、ヒョウ型は速く追いつかれる程なので、
警戒対象なので変わりなく、
このまま出口まで向かうのは危険と判断。
「郷、まだ埼王料金所に行くな!」
「どっちだ!?」
「下だ、今出口に行っても追いつかれる!
周回しながら対処するぞ!」
上下に分かれた道路の下側を選ぶ。
出口は混んでいると分かっているから、
もう1周しながら引き離す手段を立てた。
深緑の刃で地道に振り続ける。
一方で京香も高速道路にいた。
友人宅に泊まると両親に噓をつき、
バスを利用して晃京脱出を図ろうとする。
しかし、出口付近は混雑状況。
道路後方で異変に気付いた車の群れが渋滞を起こし、
乗り物だらけですし詰め状態。
自分は耐えきれず下車ボタンを連打した。
「ここで降ります、開けて!」
料金分を払ってさっさと降りた。
埼王入口まで500mもない。
車にはねられないよう、端に沿って走る。
後は適当にタクシーをつかまえてホテルで一泊。
店はもう閉まっているはずだから、
翌日から悠々と探せば良い。
きっと大金になる。
もはや、私欲を抑えられなかった。
一定間隔の外灯をいくつ越えたのか、
晃京を抜けて駆けてゆく時だった。
「うっ!?」
脚に何かが刺さる。
よろけて腰がフェンスに勢いよく接し、
軸に上半身が回転して外側に向かう。
そして、万物を従わせる重力によって落下した。
「がふっ!?」
頭を打って転倒。
6m下の地面へ落下してしまう。
京香は横たわり、ピクリとも動かずにいる。
「女が倒れているぞ!」
異変に気付いた自衛隊員が察知して通報、
救急隊員が駆けつけてタンカに乗せ、
すぐに病院へ連れてゆく。
「急患です、交通事故で1名!」
「晃京内の女子高生と確認、リリア准教授!」
「すぐに集中治療室へ!」
リリアを担当医として受け付ける。
彼女は病院の奥へと運ばれていった。
近い位置にいた聖夜と郷は京香の存在に気付かず、
夜道を通り抜けていた。
何匹やったのか、悪魔の姿はもう見えない。
2人は意識していなかったが、
毒剣の効果は生物型に確たるダメージを与えていた。
剣は至近距離で何度も触れられず、
一斬りで体力を弱らせていたので、
道中で力尽きさせる事ができた。
「追手はもう終わりか?」
「みたいだな、出口へ行こう」
自衛隊もすでに散開し、なけなしに悪魔の処理に
移行しているので安全圏を確保できるだろう。
安心して再び発進した時だ。
「ん?」
郷は上部で音を聴いた拍子で不意に上を向く。
何かと、口を開けっ放しでいると。
「がぽっ!?」
郷は喉に違和感を覚える。
口に何かが飛び込んできたようだが、吐き出せない。
「「なんだ・・・体が?」」
まるで自分がそこにいない様に感覚神経が鈍り、
続けて運動神経へ障害をもたらしていった。
なにくそと運転根性で姿勢を保ちながら風を切り、
上手にドリフトをしてカーブを曲が。
「曲がりきれねえええ!」
というわけにいかず、道路端に突っ込む。
時速30kmの塊は慣性の法則に従うままに
ガードレールに向かってゆく。
「うわああああっ!?」
「うおおおおおっ!?」
転倒。
衝突前に、自分と郷は放り出された。
郷はそんなに運転が上手くないのを今更思い出した。
(クソッ、こんな所で・・・)
しかし、自分はACのおかげで無傷で済んだ。
友人と同じ目に遭ったんじゃ元も子もない。
まさにミイラ取りがミイラ取りになりそうに、
包帯代わりのコンクリートで包まれるところだった。
ここは悪魔も住民もいない。
そこから数歩先にいた自分は郷と合流するために
暗い夜道でさっきから相方の返事がない。
「郷、どこだ!?」
「せいや~」
「どうした、ご――!?」
「ヒョウ!?」
そばにいたのはしゃべるヒョウ型だった。
外見は先に遭遇したものと似ているが、何やらおかしい。
マヌケな声からして、敵性のものではなかった。
「待て、オレだよオレ! オレだっての!」
「お前、郷か!?」
いつもの聞き慣れたうるさい声がする。
郷はネコ科の悪魔に変わっていた。
「何が起きたんだ!?」
「なんか、食べたような気もする。
いや、食ったってよりは口に入ったような」
「口に入った!?」
上を向いた時に何か口内に入ったと言う。
悪い物を食べたにしては買い食いなんてする
余裕がなかったはず。
彼女達に相談するしかなく、解決の糸口を頼んだ。
何て説明するのか見当もつかない。
「聞いてくれ、郷がネコみたいになったんだ・・・」
「「なんですって!?」」
「すまん、俺も何て言えばいいのかまったく・・・」
「「ミイラじゃなくてヒョウになったのね、まったく」」
「なんとかしてくれえ!」
「「明日、正倉院神社に来て。
退魔法で何か分かるかもしれない」」
「厘香の家か、分かった」
携帯を切る。
埼王に行く予定を変えて一度帰ろうとした。
1人と1匹は暗い暗渠に身を寄せて
自衛隊や通行人の目から隠れる。
「なに、この世界!?」
「見舞いどころじゃないな、これは・・・」
このままだと見つかって処分されてしまう。
幸い、足は高速移動のできるコイツに代替。
自分は郷の背中に乗り、
沙苗の待つ駐車場まで移動しようと
人目を忍ぶように首都高速道路から撤退。
明日、厘香の家、正倉院神社へ行くことにした。
――――――――――――――――――――――――
首都高速道路の出入口は何箇所かあります。
道路境に規制を敷く設定にしています。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説


異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
常世の守り主 ―異説冥界神話談―
双子烏丸
ファンタジー
かつて大切な人を失った青年――。
全てはそれを取り戻すために、全てを捨てて放浪の旅へ。
長い、長い旅で心も体も擦り減らし、もはやかつてとは別人のように成り果ててもなお、自らの願いのためにその身を捧げた。
そして、もはやその旅路が終わりに差し掛かった、その時。……青年が決断する事とは。
——
本編最終話には創音さんから頂いた、イラストを掲載しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる