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第9話 科警研のサムライ
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手立区にある武道館。
白衣を着た40歳の女性が剣道の試合を観ている。
七段どうしの50代、師範クラスが竹刀を構えていた。
内1人は正倉院無影、天藍会の会長だ。
本人は微動だにせず、細い目で淡々と待つ。
相手はすさまじく小刻みに位置取りしながら、
フェイントで攪乱を狙う。
結果は。
スパァン
彼は一本を取った。
位置がズレた隙で面を食らう。
わずかな位相差を逃さずに瞬間決着が着いた。
試合は終わり、女性は無影に近寄っていく。
「お見事です、会長」
「偶然だ、次は同じ手は通用せん」
他人には衰えを見せない態度であるが、
本人は腕前の低下を懸念する。
話は変わり、彼女は近況を報告。
AC回収役として見込みのある男がいると聞く。
「都内にいる高校生だと?」
「ええ、大変適正力がある人が見つかりました。
あなたのお宅に一度来たそうですけど」
「厘香が言っていた、奴が?」
女性が聖夜の事を会長に挙げる。
大人の側からしても逸材の出現に目が離せず、
事件解決の役を担わせる星が現れて
正倉院も注目の的として期待するところだが。
「儂は一切関与するつもりはない。
何が来ようがこちらは要人の警護だけだ。
またデータ収集か?」
「ええ、そのつもりでここに来ていますの。
公用として扱うつもりはありませんが」
「個人で来ようが一緒だ。
剣より盾を優先する術を含めての警察の目論見だろう。
自衛隊からもな」
「都内で発砲する傾向を国が許しそうにありません。
天藍会もACで壁を造る方針をとるおつもりでしょ?」
「来るべき時が来てからな。
まあいい、娘から後に聞こう」
詳細を聞こうともしない。
それ以上、無影は何も言わずに武道館を後にした。
時と場所は変わる。
聖夜と3人は科学警察研究所に向かっていた。
「今ここでACの調査をしてるのか?」
「そうよ、公共・・・では警察周りの人が。
晃京内のAC探索はここでやってもらってるの」
カロリーナが指をさしてディレクトする。
ここに来た理由はACが晃京内のどこにあるのか、
予測位置を特定するためだった。
若者だけで見つけられるわけがないので、
専門機関を当てにしなければならない。
ただでさえ、普通の高校生だった自分がここに来るのは
場違いなもの。
それに、先で遭遇した謎の機体。
人間の魔物化といい、整理が追いつけずにいる。
次はどんな待遇がまってるのか、
入口からロビーに入り、責任者の1人と出会った。
「カロリーナ・ヴァレンティンですけど!
当該適性者を連れてきました」
「昴峰学園の聖夜君ね?
長谷部マーガレット、ここの主任を勤めている。」
「主任・・・」
出会い早々、偉い人が迎えてくる。
やはり、大人の機関も結晶に着手していた。
表向きは特殊工作班というAC関連の組織。
この人達なら、事件を詳しく知っているだろう。
今回の犯人は誰なのか聞いてみた。
「悪魔を出現させたのは誰なんですか?」
「先日、オリハルコンオーダーズという組織が
都庁内から警告してきたの。
だけど、名前も出身も不明」
「オリハルコンオーダーズ?」
素性や人数は明らかになっていないという。
自衛隊はすでに事前に動いていたようで、
先手をかけて封じていた。
しかし、謎の勢力に歯止めをかけた影響で
都内の至る所にACが拡散してしまったらしい。
カロリーナもこの件を含め、協力する算段を計画していた。
よりによって自分が。
導きの伝手となるように立たされている。
「未だに自分が適性者だなんて想像つかなくって、
なんで、人と結晶が接点もってるんですか?」
「結晶というのは基本、並進対称性のある
X線で回折格子を確認して成り立つもので――」
「・・・・・・はい」
(絶対、分かってないし・・・)
「――という仕組みなの。
実はここに呼んだのも知りたい事があるのよ。
爪切って頂戴」
何かを検査するようで体の一部が要るという。
ACの仕組みをさらっと聞き流し、
別のテーマに移ろうとするや、体の一部を要求された。
前から言われている適性について調べるのかと思いきや、
主任は予想もつかない事を聞いてきた。
「もう1つあんたに聞きたい事があるの。
調べだと、現在2人暮らししてるようだけど、
実家ではお姉さんとしか住んでいないわよね?」
「そうですけど」
「身近で誰か外国人と会ってない?
例えばヨーロッパ関連の人とか周りにいないかしら?」
「ええっ!?」
海外とつながりをもっているかと問われる。
両親はすでにいない。
27歳の姉と喫茶店の家で暮らしているだけだ。
学園の門で会った人は初だから関係なし。
身近というなら、せいぜいマナとカロリーナだけだ。
「知らないです、外人の知り合いなんて・・・
あ、カロリーナは高校からで――」
「どうしてヨーロッパの人なんですか?」
「理由は19年前の紛争。
晃京湾に武装勢力が現れたの。
攻めてきたテロリストは身元を洗ったら
ほとんどヨーロッパからの者だったから」
昔、晃京で紛争があったらしい。
19年前といえば、ちょうど自分が生まれた年。
しかし、赤ん坊の頃どころか幼少期すら
そこいらの覚えがまったくなかった。
「すいません。俺、10歳前の記憶がないんです・・・」
「どうしてよ?」
「分かりません、その時何が起きたかまでは。
姉は道路で突然倒れたとだけ言っていました」
「そうだったの!?」
カロリーナは驚いて顔を近づける。
マナと厘香は中学時代から一緒で、
この話はすでに知っている。
他にも理由があると言う。
「え~と、神来杜家って苗字も一癖ある名だけど、
あんたの家に強盗が押し入った履歴も書かれてた」
「アンタ、そんな目に遭ってたの!?」
「姉がそんな事言ってました、なんだか助かったみたいで
俺はまったく覚えてないですけど。」
「赤ん坊の話を聞いても無意味よ。
最近、何かおかしなモノとか見た?
「そういえば、ロボットみたいな奴がいました!」
「ロボット? ここの規格じゃないわね・・・。
海外製によるものかも」
「あれもオリハルコンオーダーズの?」
「否定はできない、プロトタイプなら即入した可能性も。
紛争後も小さなAC事件が発生していたわ。
残党や事前から国内にいた連中がいて、
そいつらも外国籍だったって」
「やはり、ヨーロッパと接触あった者が今回と?」
「かもしれないわ、断定できないけど」
ACを狙いに来日する外国人がいたらしい。
もしかして、自分の出生も?
でも、接点がまったく分からないから
議論しても仕方なかった。
それについてはここで問題にしても意味はない。
ただ、探し物の一部は見つかったという。
「身の上話はこんなとこ。
じゃあ、今日はあんた達4人で合同しなさい。
早速見つけたACを取りに行ってもらおうかしら。
1つが水完公園のエリアにある事が判明したの」
「なんで公園に?」
「おそらくはオリハルコンオーダーズが所有していた
ACの拡散物の一部が落ちたと推測」
「どんなACですか?」
「これも不明ねえ、れっきとした回折格子とだけしか。
持ち帰ってから調べるから」
葛鹿区にあるとても広い公園に反応があったという。
池があり、昼間は憩いの場としてよく利用されている。
「それで俺が」
「ACの結晶があるから採ってこいと、
て言えば早いでしょ?」
科警研はACの在り方の発見に優れているようだ。
場所が分かっているなら警察か自衛隊で回収しに行けば
良いんじゃないかと思うが、あえて自分にやらせるのは
意味があるんだろう。
主任室から出る。
新米隊員とばかりに行ってこいというわけだ。
というか、カロリーナも日本組織と連携していた。
病院の時に言ってくれれば良かったのに。
「国まで協力していたなんて・・・お前は」
「いーのいーの、一気に話しても分かんないでしょ!
大人を動かすと税金かかるから、
ボランティアの塊のあたしらなのよ」
「一般層でこなせない事を私達がやらなければならないの。
適性者だから・・・」
「何が待ち受けているかまでは分かりません。
用心してかかりましょう」
今回はマナ、厘香、カロリーナもついている。
どのみち、3人が異質なのはもう分かっている。
少しずつだが、結晶という存在意義も意識。
4人で初めて回収作業をする事が決定。
どんなACが待っているのか、
胸を張りながら水完公園へ向かった。
白衣を着た40歳の女性が剣道の試合を観ている。
七段どうしの50代、師範クラスが竹刀を構えていた。
内1人は正倉院無影、天藍会の会長だ。
本人は微動だにせず、細い目で淡々と待つ。
相手はすさまじく小刻みに位置取りしながら、
フェイントで攪乱を狙う。
結果は。
スパァン
彼は一本を取った。
位置がズレた隙で面を食らう。
わずかな位相差を逃さずに瞬間決着が着いた。
試合は終わり、女性は無影に近寄っていく。
「お見事です、会長」
「偶然だ、次は同じ手は通用せん」
他人には衰えを見せない態度であるが、
本人は腕前の低下を懸念する。
話は変わり、彼女は近況を報告。
AC回収役として見込みのある男がいると聞く。
「都内にいる高校生だと?」
「ええ、大変適正力がある人が見つかりました。
あなたのお宅に一度来たそうですけど」
「厘香が言っていた、奴が?」
女性が聖夜の事を会長に挙げる。
大人の側からしても逸材の出現に目が離せず、
事件解決の役を担わせる星が現れて
正倉院も注目の的として期待するところだが。
「儂は一切関与するつもりはない。
何が来ようがこちらは要人の警護だけだ。
またデータ収集か?」
「ええ、そのつもりでここに来ていますの。
公用として扱うつもりはありませんが」
「個人で来ようが一緒だ。
剣より盾を優先する術を含めての警察の目論見だろう。
自衛隊からもな」
「都内で発砲する傾向を国が許しそうにありません。
天藍会もACで壁を造る方針をとるおつもりでしょ?」
「来るべき時が来てからな。
まあいい、娘から後に聞こう」
詳細を聞こうともしない。
それ以上、無影は何も言わずに武道館を後にした。
時と場所は変わる。
聖夜と3人は科学警察研究所に向かっていた。
「今ここでACの調査をしてるのか?」
「そうよ、公共・・・では警察周りの人が。
晃京内のAC探索はここでやってもらってるの」
カロリーナが指をさしてディレクトする。
ここに来た理由はACが晃京内のどこにあるのか、
予測位置を特定するためだった。
若者だけで見つけられるわけがないので、
専門機関を当てにしなければならない。
ただでさえ、普通の高校生だった自分がここに来るのは
場違いなもの。
それに、先で遭遇した謎の機体。
人間の魔物化といい、整理が追いつけずにいる。
次はどんな待遇がまってるのか、
入口からロビーに入り、責任者の1人と出会った。
「カロリーナ・ヴァレンティンですけど!
当該適性者を連れてきました」
「昴峰学園の聖夜君ね?
長谷部マーガレット、ここの主任を勤めている。」
「主任・・・」
出会い早々、偉い人が迎えてくる。
やはり、大人の機関も結晶に着手していた。
表向きは特殊工作班というAC関連の組織。
この人達なら、事件を詳しく知っているだろう。
今回の犯人は誰なのか聞いてみた。
「悪魔を出現させたのは誰なんですか?」
「先日、オリハルコンオーダーズという組織が
都庁内から警告してきたの。
だけど、名前も出身も不明」
「オリハルコンオーダーズ?」
素性や人数は明らかになっていないという。
自衛隊はすでに事前に動いていたようで、
先手をかけて封じていた。
しかし、謎の勢力に歯止めをかけた影響で
都内の至る所にACが拡散してしまったらしい。
カロリーナもこの件を含め、協力する算段を計画していた。
よりによって自分が。
導きの伝手となるように立たされている。
「未だに自分が適性者だなんて想像つかなくって、
なんで、人と結晶が接点もってるんですか?」
「結晶というのは基本、並進対称性のある
X線で回折格子を確認して成り立つもので――」
「・・・・・・はい」
(絶対、分かってないし・・・)
「――という仕組みなの。
実はここに呼んだのも知りたい事があるのよ。
爪切って頂戴」
何かを検査するようで体の一部が要るという。
ACの仕組みをさらっと聞き流し、
別のテーマに移ろうとするや、体の一部を要求された。
前から言われている適性について調べるのかと思いきや、
主任は予想もつかない事を聞いてきた。
「もう1つあんたに聞きたい事があるの。
調べだと、現在2人暮らししてるようだけど、
実家ではお姉さんとしか住んでいないわよね?」
「そうですけど」
「身近で誰か外国人と会ってない?
例えばヨーロッパ関連の人とか周りにいないかしら?」
「ええっ!?」
海外とつながりをもっているかと問われる。
両親はすでにいない。
27歳の姉と喫茶店の家で暮らしているだけだ。
学園の門で会った人は初だから関係なし。
身近というなら、せいぜいマナとカロリーナだけだ。
「知らないです、外人の知り合いなんて・・・
あ、カロリーナは高校からで――」
「どうしてヨーロッパの人なんですか?」
「理由は19年前の紛争。
晃京湾に武装勢力が現れたの。
攻めてきたテロリストは身元を洗ったら
ほとんどヨーロッパからの者だったから」
昔、晃京で紛争があったらしい。
19年前といえば、ちょうど自分が生まれた年。
しかし、赤ん坊の頃どころか幼少期すら
そこいらの覚えがまったくなかった。
「すいません。俺、10歳前の記憶がないんです・・・」
「どうしてよ?」
「分かりません、その時何が起きたかまでは。
姉は道路で突然倒れたとだけ言っていました」
「そうだったの!?」
カロリーナは驚いて顔を近づける。
マナと厘香は中学時代から一緒で、
この話はすでに知っている。
他にも理由があると言う。
「え~と、神来杜家って苗字も一癖ある名だけど、
あんたの家に強盗が押し入った履歴も書かれてた」
「アンタ、そんな目に遭ってたの!?」
「姉がそんな事言ってました、なんだか助かったみたいで
俺はまったく覚えてないですけど。」
「赤ん坊の話を聞いても無意味よ。
最近、何かおかしなモノとか見た?
「そういえば、ロボットみたいな奴がいました!」
「ロボット? ここの規格じゃないわね・・・。
海外製によるものかも」
「あれもオリハルコンオーダーズの?」
「否定はできない、プロトタイプなら即入した可能性も。
紛争後も小さなAC事件が発生していたわ。
残党や事前から国内にいた連中がいて、
そいつらも外国籍だったって」
「やはり、ヨーロッパと接触あった者が今回と?」
「かもしれないわ、断定できないけど」
ACを狙いに来日する外国人がいたらしい。
もしかして、自分の出生も?
でも、接点がまったく分からないから
議論しても仕方なかった。
それについてはここで問題にしても意味はない。
ただ、探し物の一部は見つかったという。
「身の上話はこんなとこ。
じゃあ、今日はあんた達4人で合同しなさい。
早速見つけたACを取りに行ってもらおうかしら。
1つが水完公園のエリアにある事が判明したの」
「なんで公園に?」
「おそらくはオリハルコンオーダーズが所有していた
ACの拡散物の一部が落ちたと推測」
「どんなACですか?」
「これも不明ねえ、れっきとした回折格子とだけしか。
持ち帰ってから調べるから」
葛鹿区にあるとても広い公園に反応があったという。
池があり、昼間は憩いの場としてよく利用されている。
「それで俺が」
「ACの結晶があるから採ってこいと、
て言えば早いでしょ?」
科警研はACの在り方の発見に優れているようだ。
場所が分かっているなら警察か自衛隊で回収しに行けば
良いんじゃないかと思うが、あえて自分にやらせるのは
意味があるんだろう。
主任室から出る。
新米隊員とばかりに行ってこいというわけだ。
というか、カロリーナも日本組織と連携していた。
病院の時に言ってくれれば良かったのに。
「国まで協力していたなんて・・・お前は」
「いーのいーの、一気に話しても分かんないでしょ!
大人を動かすと税金かかるから、
ボランティアの塊のあたしらなのよ」
「一般層でこなせない事を私達がやらなければならないの。
適性者だから・・・」
「何が待ち受けているかまでは分かりません。
用心してかかりましょう」
今回はマナ、厘香、カロリーナもついている。
どのみち、3人が異質なのはもう分かっている。
少しずつだが、結晶という存在意義も意識。
4人で初めて回収作業をする事が決定。
どんなACが待っているのか、
胸を張りながら水完公園へ向かった。
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