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3章 東西都市国家大戦編

      色欲の塊2

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 100余りもの数を前に宣誓せんせいをするエイジ。
若くも英知あるカリスマが、新たに君臨しようとした。
以降、星団による建築は群を抜いてを極めていく。
上空数百m上に空中で留められた基盤の集合体は着々と増殖を続けていき、
青い空には中つ国地方の住人の目に異様な光景が映るように
陽の光をさえぎ仰々ぎょうぎょうしく観えていた。
全て反重力で連結されている足場はあたかもそこも地上とばかり、
地面の上の地面として覆ってゆく。少しずつであるけど、新拠点が構築。

「・・・・・・」

側で観ていたカナも、移り変わっていく様子を観ていた。
新しい景色、新しい設備、新しくも古い人材。
目の前が何もかも新鮮に見える光景に感慨深くなる。
まるで時代の最先端にいる気分が増してくるのか、
“自分も同じく進化を遂げているんだ”という感覚に見舞われて、
どことなく新しいインスピレーションが浮かびそうになる。

(子どもの頃は気付いていなかった、職場や環境が変われば
 新しい事に出会える。古巣に居続けてばかりでは巡り合えない)

人も動物も根付いた物事にしがみついてしまうもの、
誰かが何か1つ創造したものに周りが集まって吸い取り、あやかる。
でも、使い続けてきたものはいつか常識となって定着したら固まる。
そこからは価値が見出せなくなって誰も向かなくなる。
私もきっと運が悪かっただけで発明の糸口が切れかけていただけ。
ここに入ってやっぱり良かったと過去の悔しさを内心振り払う。
そんな設備の光沢を目にしつつ、仕事意識に戻して新作を提供した。

「エイジ司令、最新鋭のクォッドスキャナーです」
「おおっ、ついに完成したのか。流石だ!」

私の口からは以前行っていた機器の完成を差し出す。
しかし、この技術も四国の流用なのは言うまでもなく、
あくまで星団には最新だと言っておく。
自分のポジションを保つためのちょっとした策である。
女性ならではの小出しに成果を見せつけるタイミングで
あの件について話そうと見計らう。
中つ国CNで見つけたあの奇妙な反応を話せば、
便乗してさらに功を上げられるとふんだからだ。

「後、1つ気になる情報もあります。
 このエリアから詳細不明の粒子が検出されました」
「未知の粒子が?」

データ照合を終えて、彼女が指したエリアを見る。
ここでも検出できなかった反応で、
該当位置はエイジにとって、実に覚えのある場所であった。










「備高竹山駐屯地からか・・・」
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