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3章 東西都市国家大戦編

番外編第1話  亀の薬

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薬こそ万寿ばんじゅたるものだと信じて疑わない存在。
知られぬ可能性を求めて科学と化学を専攻している理由がそれで、
物質との縁を強く意識してきた。人だって物質、塊なのは同じ。
配合次第で世の中はいくらでも変われるはず。
原子より分子で世界は構築している間を通り抜けて、
女だからこそより深く見定めて理解できるから。
そして、何よりも生き甲斐を彼に見出して全てを賭けて
ここ、アイチで人生の中心としてまっとうに送っていた。

といった堅苦しい文のそこそこにイリーナ節へ戻る。
今日もコッソリとマイPCに日記を書きつづる、えへへ。
ヌヌヌヌっと記すこの文はもちろん誰にも見せていない。
オーガスト家専用機器で一応最高機密部にあたるし、
司令官すら閲覧しない(できない)ページ作成くらいはお手の物だから。
こんな事ができるのは私の取り柄でもあるけど、家柄の影響もある。
そう、立場の生い立ちもまるで仕組まれた何かがあったのかもしれない。

私が物心ついた頃にはもう周りにあるオモチャに化学記号が
書かれている物に囲まれていた。積み木に分子記号が書いてあって
つなげて遊んで覚えさせてっていう合理的教育が私の脳内を形成。
最初に覚えたのは酸素のO、まるっこくて見やすかったのか
いつも息をスーハーしてるだけあって頭の中に入る。
そんな環境だったのは当然家、オーガスト家の教育方針だから
衛生班や工作班の一派に組み入れるためなのは瞭然りょうぜん
コンスティン家との繋がりはかなり昔からあったようで、
アイチを軸にCNを率先してきた家系である。
クロムとの出会いも5歳の頃。
もうその時から一緒に遊んでいてCN内の設備とかも覚えさせられて
他の子と別枠に入れられて成長していった。
第一印象としては黒いな、それだけしか思わずに手を繋ぐ仲になるまで
3年くらいだけど、付き合いもCNを介して自然と多くなっていた。

ただ、第1部隊に就くまでも大変。あらゆる規格を覚えなければ
すぐに降ろされるからもちろん学習だけは欠かさずに行っている。
ここは鉄鋼が全てだからいかに守り、いかにやり過ごせるかなので
10代は駆け引きの連続で上り詰めるのも苦労した。
特にMUFも多いここ、中部で余りなく合成できる物は試験し続けて
BWの軽量化も果たした彼の功績に負けないよう努力する。

15を過ぎた頃から次第に口数も減っていった。
彼の両親がトウキョウ攻略のために戦艦で海上出動中に亡くなって、
ショックを受けたのもよく分かるから、あの性格も受け入れられる。
子どもの頃はよくおしゃべりしていたものの、教育も多かった方で
色々変わっていったのも無理はないと思う。
さらに男子の部もより動くから大変だろう。
長年の関係で気もつかわずに打ち明けられたから。
だから、ストレートに言っても私はクロムが好き。
オーガスト家とコンスティン家との接点もあるけど、
何より物にこだわるので好みがマッチしたかもしれない。
一生懸命ライオットギアの整備をしている時も見入ってしまって、
普段のノンポリとのギャップに感じていたのだろう。
文句はないっちゃないものの、スルーしがちな問題があるもので
運動不足もたたるだろう、そこを栄養剤でサポートすれば良い。
彼を守れるのは私自身しかいないと思うから。

ただし、祖父の方は違って絶対に相容れない。
ジュウゾウもとい、コンスティン司令は私にとって敵とも言える者。
私のパパとママはあの男に司令候補を剥奪はくだつして
55歳でCNから追い出して早くに引退させた。
オーガスト家は工学、化学の先端を担っていて同盟CNも支えてきたのに
あいつはBWの規格ミスであっさりとクビにした。
当時、私はいなかった製造ラインでリコールが発生して責任追及された
話を直接聞いた。でも、仕掛けがあったらしく偽書類を用いられたそうで
拠点内から締め出しを図られた伏線も感じる。
私が立場に就いてから関連ドキュメントを漁ったけど時すでに遅し、
当時の項目がスッパリと消されて証拠はなく打つ手もなし。
今現在で最も早く死んでほしい老人男筆頭だけど、
中部の最重要人物でおいそれと干渉できない。
皮肉な運命か、クロムはあの男のお孫さんで過保護もカホゴ。
公認で付き合う事すら許されていないから、
いつまで経っても私が彼にアプローチできなくて困っていた。

そう、クロムは性的に関してはあきれるくらい鈍い。
アレの量が少なめなのか、関係をもとうといった気がないようだ。
浮いた話とかほとんど聞いた事なくて、ライオットギアと同じく
ズシリとした感性で異性にとってスピーディーにはなれないタイプだ。
他の女に関連ないのは大歓迎だけど、私も同様とはコレどうよ?
女は普通に待っていれば自然と男から迫ってくるはずが、
彼のアプローチはいっっつもラボリを通す事ばかり。
温室育ちもここまでくるとちょっと考えものだ。
だから、どんな細かい内容も見張ってサポート。
興味のありそうなものから伝手を見つけて私の攻略を模索、
アレ、分子結合の様な恋愛結合情報も2人でよくやりとりしてゆく。
前途多難な道のりも近づけば必ず核力が働いてくっつくはずだ。
電子密度? 電荷許容量? 細かい理屈は抜きにする。

実は私のPCは家系のお下がりで、代々から次いで使用している。
ハードウェアは交換して故障する前にデータを移すけど、
仕事とは関係ない項目もところどころ見かけた。
モニター絵もおばあちゃんがプログラミングついでに描いたとか、
私にも絵心があればラブラブピクチャーとか描くのに。
いかんいかん、つい熱くなってしまう。
それはそうとそれらしいものの中には動物のアニメーションのそれがある。

それはカメ、甲羅とよばれた固い物に入る生き物だ。
昔は拠点の中でリクガメという動物を飼っていたとか。
私が生まれた時にはもういなかったから画像で観せてもらっただけ。
当初はこんな動物もいたんだと珍しい目で見ていたけど、
カメはカメなりの特殊な性質もあってか、装甲を意識した物をもつ。
あのふっくらとした丸い箱の中に入れるなんてどんな成分で、
そこが肋骨か背骨かでちょっとした議論もあったみたい。
結論は肋骨という事で落ち着いて今に至るけど、
おばあちゃんがそんな動物を描いていたのは理由もあったという。

それはアイチの鉄鋼主義、硬い甲羅をもつからモデルとして
象徴、シンボルの様に崇めて飼っていた説が有力。
産業も大昔から工業地帯を連ねていたエリアだったから、
らしいモチーフを用いたかもしれない。
カメも人も骨格をもつ性質ゆえに硬い支えによって防衛を成す、
といった由縁なのかもしれない、そうくるか。
私個人の気持ち的には主義よりも相性の合致を考慮。
確かに合理性を含めた地域に生まれたのは良い環境だと内心。
まさにクロムとよく似ている、ノロマで可愛く、私が支え甲斐がいのある
性質だから運命の遺伝も巡り合わせと重ねていたのかもしれない。

得意分野はどちらかといえば化学の方。
クロムの身体を守るのも当然、私が全てを見通して管理。
例えば、健康診断の時とかも彼の部隊は必ず私が担当、
オーガスト特権で独占して身体を診ている。
他メンバー達はサッサと終わらせて彼だけ最後に回して、ミル。
触診はやらなくて良いけど、医学体裁でどうにかつくろって触る。
全身全霊で指先の感触を味わって確かめていた。
気持ちとは別にして、外見の特徴もそこそこ気にはなっている。
コンスティン家は遺伝より銀髪の褐色肌でこんがりとした体。
大昔はかなり偉い軍人さんらしくてそれも名残なごりなのか。
ついでに、馬鹿司令が色白なのは祖母さんが同じ色だから。
あまり運動はしていないけど、スマートで体重は55kgと軽め。
お尻もプリプリとしてて可愛さも極上、ここは柔らかくて堪能して私も煩悩。
本当はアソコも触りたいけど診察項目になく断念。
中には第1部隊長の体としてはどうよといった声もある、
外見がそうだから周囲から頼りないとか少しはあったけど、
ライオットギア重視のここで体格なんてどうでも良い。
私にとっては彼がここに居るだけでも満足しているんだから。

そういえば、少し気になっていた事もある。
男兵といえばクロムの側近の子、メルっていう子はずいぶんと従順で
あまり口数は多くないけどサポート役が良く、彼の評価も高い。
その子はリロードタイミングが速く、残弾数が残りいくつかとか
よく把握できたりして頼もしいそうだ。お父さんもそれが得意系で
アイチCNを介して教え込まされてきたとか言ってたみたい。
私は別にどうでも良いけど、話題の1つとして挙げてみた。
でも、たまに見せる表情の変化に時折不思議さもあった。
クロムが前を向いてる時だけ後ろからにらみ付けるような顔をする。
最初は気のせいかと思ってたけど、何回も目にして周囲の人じゃなく
ほぼ明らかに当人に対する何かを秘めているようだ。
この事をクロムには言ってない、言おうと思ったけど言い掛かりに
返って嫌われるかもしれないからやめた。
海上戦で攻撃を受けた記録はあるけど、カーポモルトは上がってない。
アイチの中心役に、いつもヒヤヒヤさせられるばかりだ。

CNがあろうと、数年経てば世代交代も訪れる。
私も工作班に台頭して拠点内の重役まで就いて設備の系統も
自由に扱えるようになった。エスカレーター式といえばそうだけど、
そんな中、おばあちゃんはちょっとした課題を残していった。
引退時に私にある物をわたして立場を譲り、
楕円形の20cmくらいのケースを持っていろと言われた。
中には何も入ってない、代々からオーガスト本家より伝わるらしい。
なんでそんな物と聞くと、分子構造と人を両立させる要素が世界を導かせる
とかなんとか大切なものを含んでいると。
理由はいつまで経っても分からなく、日にちが過ぎていった。

ある日、クロムが同じ物質名をヒントにタートルを設計。
体心立法構造を角質甲板の仕組みに見立てた軽量化モビルスーツを
発明して周囲を驚かせた事。共同で開発したアイチ初の愛の賜物だけど、
そこで私はある線を察知する、ケースの中身じゃなく側部分に答えが
あるのではと思い付いてすぐ解析に取り掛かる。
分析した結果、このケースの素材が明らかになった。
それはケラチンという物質だった。
人でいう髪や爪みたいな硬い部分の物は薬物でも適用されていたらしく、
中身ではなく入れ物自体にヒントがあるんじゃないかと思った。
おばあちゃんは分子構造と言っていたから、これを調べさせるために?
そう、あのカメの甲羅も全く同じ成分で人と動物の共通要素として
伝えたかったのだと推測。
もしかしたら提示された理由はこれが?
アミノ酸結合のタンパク質は確かに型を維持するために必要な成分で、
だからカメを飼っていたのだろうと私の中で解釈。
甲羅という外見で防御をイメージしやすいモデルで伝えやすく、
中部を守るための薬だと私は先祖の答えにたどり着いたのだ。

だけど、都合なんてそう上手に回るものじゃない。
防御という守りは保守的温床の原因にもなりかねない事象。
ここで大きな事件も発生してアイチは岐路きろに立たされた。
ニイガタが離反を起こしてシズオカを巻き込み、じじいの疑心暗鬼も強く
中部の基盤が短期間で老朽化し始める。
おまけにナガノとギフとトヤマも関東側に付いてしまって、
資源もあっという間に低減して薬合成も厳しくなった。
そうなればさすがに苦労も多くなってくる。
化学式も1つ間違えると大変な目に遭うから、上のポジションも
神経をすり減らしながら配合に気を使わないといけない。
そんな状況になっても冷静なんだかノンケなんだかつ かめ にくい
クロムは相変わらずCN内で表情も変えずに接する。
2人きりになれる手段もいっぱいつくろうとしても反応は変わらない。
まだ私を認めてくれないのかな、このままじゃおばあちゃんになる。
子どもも欲しいし、少しは楽になりたいけど男部隊の出動回数も増して
1~2人消えていって明日の先行きすら分からなくなってゆく。
戦争なんてやりたくないけど、外界には愚か者もたくさんいる。
だから、オーガスト家の支えをもっと押して助けないといけない。
私もちょっと疲 てきた。目がか む、腰も たい。
重役の1人だからなかなか休 そうにないし、クロムの身も案じるから。
昔ももっと大変 ったらしく それでも多く 人を救ってきた。
ママはどう ってパパと   までもち込めた のか。
私の代で打ち止めなんてイヤだ、経験できずにロストだなんてアレだし。
おばあちゃ 達にも 負けない 化学者 なる。
このCNならでは 持ち前で 物質主義を リードさせて みせる。
私に と て 信じ れる  薬。
原子記号表とにらめ こしない日もそう少 くない。
怒りも 憎しみも 消せる 分子構造とか 見つけられれば。
いっそ 脳内 質 操 る くすり  れたら  いのに。


今日も 連日 作業  重役  楽  じゃない
頭痛い  頭痛薬  飲む
でも 休めない 成分  チェック  入念に
ライオッ ギア 不具合 異常 ないように 以上
第1部隊 エスペシャリィ チェック  おけ
万が一 1も あっちゃ ダメ カメ 万年
もちもち ためよ ためさんの なにより 彼のため

お腹 痛い 生理痛薬  飲む
女である 証拠   がんば れ 私
が  異常 態 発生
年上 女衛 班 妊娠 私 負担  ふざけ な

また 今日  配合 ミス  まとも やっても
イライラ する  こんなに  尽くして も
振り向 て くれない  また  外出   り
私  認 て  毎日  毎日  毎日
同僚 薬 こぼし  タブレ ト  ひっ たく

1人  休んで  私が  女診断 代行   ウザ
病気 あ ても スルー  めんど さい
男  体が  良い  ズボン チャック  チェック
触診  もうガマン できな  クロム  パンツ
下  元気玉  もらう  しばら がんば れる

拠点 皆  早歩き   対応  迫ら る
あいつ  また  怒鳴 て   馬鹿  クセに

最近 爺  司令  クロム  扱い   悪い
いつも  えらそう   大事  薬  がぶ飲み
もう    邪魔   オペ ータ  全  退出
アミノ ィリン  仕込み   ロスト    ざまあ
履歴 消す    時間差  抹消  証拠  隠滅

これで  アイチ  私  掌握  人事  自由
オーガスト  コンスティン  サポ ト  だけ

でも  関西  配置  命令 うかつ
クロム 他  女 話し    ムカつ 異動 させ
接近  機会  減ら たい
女兵  全員   後部隊    回す
関西  併合  少し   楽に

クロム まだ  実働 隊  行く
ター ル  性能  実戦 そんな  より  私
もう  どこに  いかないで

まだ ラボリ  終わらない  いつまで  続く
私が  まもる  カメの に  物質こそ  全

また  資源  いっぱい  入って た
いっぱい くすり つくる つながり 望む
クロム 疲れて  くすり  飲ませる
私  液    混 る   一体感  感 る

つかれ とれない 女 もう 成長 しない
変 らない 変わ ない 変わら い  わらない
もう 限界  女の  強行 突破

夜 彼  部屋 行く 寝てる 布団  入る
気付かない  おまぬけ  でも  カワイイ
たまに におい  かがない と  落ち着 ない
布団 中 私と彼  アレ  似てる

真理 なんと く 気 いてきた
カメ 気持ち  分かる  中  落 着く
人 服 着る  安定 常識  枠 つくる
でも 中 ウソ ない 身ご り 安 ぎ
今 これ 願望  全
これ 私の 原理  人も 動物も  同じ

彼 私 もの  彼だけ  れば  いい
私だけ  して  言う 恥ず しい  愛 てる ら
クロムの かたい   で 支えて  ほしい
これも  真理    私が 見つ た  真理
どこ い ても  逃が ない
これか も  ずっと   いっしょ  いる
生ま た  理由  場所  根源  ここに   在


アイチ  てっこう  しゅぎ     クロム しゅき
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