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2章 関西統一編
シャドウピープル2
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シガCN駐屯地
「お疲れー」
「・・・・・・」
肩透かしな2人に空気も読まないニヤニヤするアイザック。
他でも惨敗の顔を見せる各兵士達。
これだけの多人数がいながら、まともな対処もできずに憂鬱な
雰囲気と悔しさにまみれる。小声でセンは呟いた。
「「なんなんだあいつは・・・」」
近江には確かに異形な存在がいた事実を思い知らされた。
「一筋縄ではいかねえ相手だってのは分かったな」
「ヤエ姉、そっちはどうだった?」
「いやー、暗視ゴーグルの使い方に戸惑って、
その間に逃げられたというか、なんというか」
「・・・・・・」
わざとらしい言い訳に部下も無言。
ヤエの言い分を気にする者などいないくらいに
今回の結果を明るく見られるはずがない。
「死傷者が抑えられただけでも幸いです。
皆、御苦労様でした」
シガ司令官の労う言葉で終了。
ただ、陰気さがまとわりつくようなミーティングで
司令の号令をもって、作戦は終わった。
「帰ろうぜー、今日はもうダメだ」
「悪いが帰還する・・・じゃあな」
続けてトボトボとした足取りで兵士達は帰っていく。
各CNの兵士も帰りの準備をしている中、
トイレから戻ったアイザックもキョウトへ帰ろうとした時だ。
「俺らもそろそろ行くか・・・ん?」
さり気なく先のラボリ表に目が留まる。
コンタクトポイント(C)、自軍の被害状況が映るそれを
ぼんやりして眺めていた。
――――――――――――――――――――――――――――
10 15 17 25 28 29 30 45 50
A c c c
B c
C c c
D c
E c c
ロスト:キョウトCN 1人 オオサカCN 0人
ミエCN 2人 シガCN 0人
ナラCN 2人 ワカヤマCN 3人
――――――――――――――――――――――――――――
(これは・・・)
数日後 オオサカCN繁華街 玉響
ゴクッ
「あーあ、しらけたわ」
「・・・・・・」
いつもの店で力も出せずにシズルとお茶を飲んでいる。
近江CNでは黒兵の話題でもちきりになっていた。
各地でもそれぞれ対策に動いてはいるものの、
未だに正体はつかめずにいた。
「あれから奴はやって来たの?」
「なかったみたい、東から侵入してきたというくらいで
他はまったくもって分からないし・・・」
シガCNの見解もさほどなく、あてもない状況が続き見いだせずにいた。
「今日はごちそうさん、じゃあ」
「ええ、ごきげんよう」
センとライリーが店を後にし、帰っていく。
その20分後にアイザックが店にやって来た。
「こんちはー、隣良いかい?」
「あら、奇遇ね」
店の縁側でお茶を飲んでいたかたわら、ちゃっかり隣に座り込む。
今日は別用でセン達以外でオオサカに来たらしい。
「この前はありがとう、助かっちゃったわ」
「いーや、ある意味で助かったのはこっちもだ」
「そうなの?」
「奴の特徴、装甲に使われてる素材でなんとなく
足がつかめそうだからな」
「そんな物を手に入れていたの?」
君吹山で黒兵から摂取した腕の装甲を持ち帰っていた。
大きなヒントになる物を分析して出所を探ろうと言う。
そんな状況はそこそこに、アイザックは異なる話題に切り替えた。
「俺的に関西は近いうちに同盟統合するだろうな。
あんたはどう思う?」
「できればそうなってほしいわね」
「確かにこのまま事が進んでいきゃあ、そうなる可能性はある・・・。
だがなあ」
「?」
「ああいった黒兵みたいに暗躍するのがいりゃ、こじれるわ。
大戦争の引き金にもなりかねないわな」
「え、ええ」
「昔でいう義戦っていうのが、同盟への道ともいうし。
まあ何がキッカケになるか分からないモンだぜ?」
「そうかもしれないわね」
「まあ半分冗談だ、あの件は追って報告するぜ。
ごっそさん、俺はもう行くわ、じゃあな~」
「それでは」
一言述べてアイザックは店を後にした。
静かな雰囲気が漂い、シズルはそこに残ってお茶を飲み続けている。
彼女の唇はコップの縁につけたまま飲み続けた。
「お疲れー」
「・・・・・・」
肩透かしな2人に空気も読まないニヤニヤするアイザック。
他でも惨敗の顔を見せる各兵士達。
これだけの多人数がいながら、まともな対処もできずに憂鬱な
雰囲気と悔しさにまみれる。小声でセンは呟いた。
「「なんなんだあいつは・・・」」
近江には確かに異形な存在がいた事実を思い知らされた。
「一筋縄ではいかねえ相手だってのは分かったな」
「ヤエ姉、そっちはどうだった?」
「いやー、暗視ゴーグルの使い方に戸惑って、
その間に逃げられたというか、なんというか」
「・・・・・・」
わざとらしい言い訳に部下も無言。
ヤエの言い分を気にする者などいないくらいに
今回の結果を明るく見られるはずがない。
「死傷者が抑えられただけでも幸いです。
皆、御苦労様でした」
シガ司令官の労う言葉で終了。
ただ、陰気さがまとわりつくようなミーティングで
司令の号令をもって、作戦は終わった。
「帰ろうぜー、今日はもうダメだ」
「悪いが帰還する・・・じゃあな」
続けてトボトボとした足取りで兵士達は帰っていく。
各CNの兵士も帰りの準備をしている中、
トイレから戻ったアイザックもキョウトへ帰ろうとした時だ。
「俺らもそろそろ行くか・・・ん?」
さり気なく先のラボリ表に目が留まる。
コンタクトポイント(C)、自軍の被害状況が映るそれを
ぼんやりして眺めていた。
――――――――――――――――――――――――――――
10 15 17 25 28 29 30 45 50
A c c c
B c
C c c
D c
E c c
ロスト:キョウトCN 1人 オオサカCN 0人
ミエCN 2人 シガCN 0人
ナラCN 2人 ワカヤマCN 3人
――――――――――――――――――――――――――――
(これは・・・)
数日後 オオサカCN繁華街 玉響
ゴクッ
「あーあ、しらけたわ」
「・・・・・・」
いつもの店で力も出せずにシズルとお茶を飲んでいる。
近江CNでは黒兵の話題でもちきりになっていた。
各地でもそれぞれ対策に動いてはいるものの、
未だに正体はつかめずにいた。
「あれから奴はやって来たの?」
「なかったみたい、東から侵入してきたというくらいで
他はまったくもって分からないし・・・」
シガCNの見解もさほどなく、あてもない状況が続き見いだせずにいた。
「今日はごちそうさん、じゃあ」
「ええ、ごきげんよう」
センとライリーが店を後にし、帰っていく。
その20分後にアイザックが店にやって来た。
「こんちはー、隣良いかい?」
「あら、奇遇ね」
店の縁側でお茶を飲んでいたかたわら、ちゃっかり隣に座り込む。
今日は別用でセン達以外でオオサカに来たらしい。
「この前はありがとう、助かっちゃったわ」
「いーや、ある意味で助かったのはこっちもだ」
「そうなの?」
「奴の特徴、装甲に使われてる素材でなんとなく
足がつかめそうだからな」
「そんな物を手に入れていたの?」
君吹山で黒兵から摂取した腕の装甲を持ち帰っていた。
大きなヒントになる物を分析して出所を探ろうと言う。
そんな状況はそこそこに、アイザックは異なる話題に切り替えた。
「俺的に関西は近いうちに同盟統合するだろうな。
あんたはどう思う?」
「できればそうなってほしいわね」
「確かにこのまま事が進んでいきゃあ、そうなる可能性はある・・・。
だがなあ」
「?」
「ああいった黒兵みたいに暗躍するのがいりゃ、こじれるわ。
大戦争の引き金にもなりかねないわな」
「え、ええ」
「昔でいう義戦っていうのが、同盟への道ともいうし。
まあ何がキッカケになるか分からないモンだぜ?」
「そうかもしれないわね」
「まあ半分冗談だ、あの件は追って報告するぜ。
ごっそさん、俺はもう行くわ、じゃあな~」
「それでは」
一言述べてアイザックは店を後にした。
静かな雰囲気が漂い、シズルはそこに残ってお茶を飲み続けている。
彼女の唇はコップの縁につけたまま飲み続けた。
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