Condense Nation

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3章 東西都市国家大戦編

第35話  兎の脱出劇

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ヒロシマCN梅原エリア 小久野島

 マリサ率いるグンマ兵達30人はヒロシマCN近海の島にいる。
関西の瀬戸内海とよばれる海域内にあるエリアに着いて、
東北軍と一度離別して一角を探っていた。
この辺りは小さな島も点在して実に隠し甲斐のある場所といえるだろう。

「ここにも建物があるし、黒兵を隠し持っているかもしれない。
 入念に調べるわよ!」
「うおっほおおぉぉ!」

返事と元気は他軍を凌ぐあたし達。
ただ、おもいっきり森林地帯から離れた地域で、なんで海にと
グンマ兵にとって不慣れな屋外戦が起こるかもしれない。
想定外な場所でも慣れろというのか扱いに不満に思っていたところ、
赤外線センサーに一部オレンジ色が反応した。

「「泣き声?」」
「「誰かいる、叫ぶなよ」」

しかも声が聴こえて明らかに人だと分かる。
危険性は感じられないけど、ここで反射声を抑えて静かに近づく。


 1階建ての肌色壁建造物入口に入り、静けさもある廊下を進む。
すると、棚の下で1人泣いている子がいた。

「お嬢ちゃん、どうしたの?」
「「ひぐっ・・・あの子たちが」」

どうやら逃げ遅れた子どもがいたようで女の子は避難せずに待っていて
置いて行かれたようだ。話によるとまだこの島に残されたものがいて
探しに行こうにもこんな状態でできなかったらしい。

「本部に連絡して頼むわ、他に何かあると思うし」
「了解・・・今から人探しすっぞ!」

本来なら必須でもないけど見放しては女がすたる。
だから、念のため周辺を散策しつつ探してみようと決めた。


 グンマ兵は散開してほんの数分後。
今のところ島そのものに異常はなく、不審点は見られない。
さして変わらなくどこにでもありそうな雰囲気ばかりが続く。
が、様子はそれだけじゃなく、小さな物体がちょこまかと動いていた。


モソモソ  ピョンピョン

「え・・・動物!?」

耳が長く、毛がふさふさしている物が飛び跳ねている。
子どもはウサギの事だったようだ。

「え、ちょっ・・・こんなに!?」

だが、1匹だけでなく数が尋常じゃない。

「もしかして、俺らがここに来させたのはコレか?」

複数の動物を回収して地元に放し飼いさせようと要請したのかもしれない。
おあつらえ、といえば確かに当たっていると思うけど、敵地の動物で
おもいっきりアブダクト行為で女子もさらえと言ってるようなもの。
グンマの精鋭が思いもよらず、
広場の動点に気迫さが薄れてゆく感じがしてしまう。
その時、付近の納屋から何かが出てきた。

ドスン   グシャッ










そこで現れたのは1体のライオットギア。
缶を踏みつぶしてまるで待っていたかのようにやって来た。
胴部のサイズから無人機と判定、腕の形からして砲撃型ではない。
これはれっきとした敵で、ラボリ内容に相応しい展開を迎えた。
しかし、事情はいつもと違う。

「お嬢、ボウガン使うのはマズイっす!」
「そうね、あの子達に当たるし・・・近接陣形!」
「うぉほっ!」

周辺の山林からの射撃なら単なる的にすぎない。
だが、ウサギへ誤射してしまう恐れもあってやたらと撃ちまくるのは無理。
グルカバーンでの対処へ変更した。

「ん?」

グイィン ピタッ

「なんだアイツ、急に止まったぞ?」
「まさか・・・ウサギに気を付けてんの!?」

ウサギ達を巻き添えにしないよう仕組まれているようだ。
ひょっとしたら元からこの島を防衛するために置かれた物で、
踏まないよう地面に注意するよう設計されたと思う。
ずいぶんと几帳面きちょうめんなロボットだけど、おかげでわずかな隙があるようで
集中されにくいので少しは戦いやすい。
斜め下がダメなら地上から目標物にめがけて射出。
もちろん地上戦も想定してある戦法を始めた。

「上30°、頭部センサーブツ斬り!」
「おおっほほおおぉぉ!」

まず狙われないように横や背後をソリッドワイヤーで突いて切断。
空気を切る様に体が重力に逆らって目標を横切る。
グンマが所持しているのはボウガンだけでなくグルカバーンもあり、
対大型も十分こなせるよう訓練していた。
頭をめがけて針を刺し、身を近づかせる。

グイン  ガシュッ

ただ、着地にも気を付けなければならないが、当然ウサギの動きを読んで
みすみすぶつかるようなメンバーなんていない。
遠慮するように踏み場を選ぶモーションをとる状態をうかがって、
1人がワイヤーで接近。

「部位破壊、俺がもらっ――!」

バキッ

「なんで俺だけェ!?」

いや、叩き落とされる者もいるけど、戦況に不利は無し。
こっちは数も多いから有利に運べている。
そして、センサーを壊したら関節部も狙う。
次は3人が張り付いてから360°に回転。
両脚に巻き付けて接近せずに移動を奪う。

カシャッ

そして、ソリッドワイヤーを腕から外して機体を捕縛。
人型は脚をやれば後はどうにでもなるから、機動力を抑えるのが先決で
破壊というより分解を意識して戦う。
古くからの教えで空間内の物体に絶対性はなく、どんなに強靭な存在でも
細く小さな集まりに浸れば平衡へいこう化するとされている。
何も高所に張り付いてばかりがグンマ兵の特技ではない。
空中2~30m戦闘はどこにも負けないものの、
射撃や斬撃以外でもこうして沈静化させる手段もあるのだ。

フュウウウウン

といった感じでライオットギアを破壊、部品も丁重に頂いてもらう。
よくあるタイプでこれといった脅威もなく討伐できた。
ウサギ達にも被害が一切なく、スムーズ(一部除く)な対処で
他からの追撃など起こらなかった。
ここは結局、CN間における渡し場のような1つで、
黒兵を隠し持っている場所でもなさそうで、ただの連結島だろう。
敵が攻めてくれば動物の世話なんてしている余裕もなく、
あたし達がたまたま来てそのまま放置されただけみたいだ。
重要度、必要度が低いモノはこうやって置き去りにされる。
命がかかわれば明日は我が身になる実情に胸がじんとくる。
感傷なんてしてられない、今は行動するだけだ。

「じゃあ、カワイ子ちゃん達をありったけ持ってくわよ!」
「キャンプ用ネットで捕まえてくぞ!」

グンマで世話をする分には問題ないから別に良いだろう。
この子も人に飼われているからあまり恐れてないようで、
少しは捕獲も楽だった。
それにしてもすごい数だ、1種類の動物だけ集めていたのも不思議で
ウサギ以外はいないから専用で何かをしていた設備か、
女の子もうれしそうな顔でよろこぶ。

「みんな無事よ、じゃあ連れてくるから待っててね」
「わあい、ありがとう!」

敵の立場なのに感謝されるのも変だが今は余計な事は言わずに
バグウォームのテントに入れて持っていくしかない。
この子も保護して後の交渉に役立てる、置き去りにした奴が悪いんだ。
だから、せめて頼み事くらい聞いて良い事をすれば緩和する。
後は皆で捕まえて終わりにするだけだ。

「ほら、こっちこっち!」
「捕まえにくいのは誘き寄せでやるわ!」

ある程度捕獲が終わったら引き続き島を捜索する、
黒兵の根拠もまだなく、資源横領ではなく回収により持って帰る義務も
森の代表として果たさなければならない(?)
まだ他に何か、はたまたかくれんぼでもしている者がいないか探ると
ビークルがあって何かが積んであった。

「ん、何だこのケースは」

中にはキノコがたくさん入っていた。
ウサギのエサにしては食べられる物でもなく、
多分、貿易運搬途中で置いたのだろう。
ついでにもらっておこうとロープを解いた瞬間、
バランスを崩して転がってしまう。

ガラガラガラ

「荷物が!?」
「危ない!?」

多少の重さで勢いがついて下ってゆく。
まだ坂下に数匹のウサギがいたものの。

ヒョイッ

でも、ウサギは難なく回避。
あたし達よりも俊敏なモーションで物をよけて登ってゆく。
いつもあった事か、こなれた身のこなしであった。
どんな小動物であろうと独自の体、骨格で身を守るために成り立つ。
人は性別や大きさもそれぞれで運動差もあるのに、訓練しなければ
ろくに実らない。元から発達を約束されたならそんなに楽な話はないだろう。

「「あたしもこれだけ身軽になれれば良いなぁ・・・」」


ヒョウゴCN 但鹿エリア

 1階建てばかりのコンクリートの建物が複雑に乱立するエリアがある。
普段、誰も使用していない100年手入れなく放置された廃墟群で
1人大いになげく女兵士がいた。

「「ううっ、よりにもよって侵攻組みに回されるとは・・・」」

居たのはエリー1人。
数百ものトチギ兵が関西のヒョウゴCNへ侵攻している内、
選ばれしエリー分隊も今回は前線に組み込まれていたのである。
反響糸の敵探知に関する攻略を評価されて採用されたのだけど、
ここで情報収集している内に待ち伏せで包囲されてしまって
1戸建ての利用していただろう建物に隠れていた。
が、上陸した時に山登りしすぎてたまたまここに着き、
分隊も自身に精一杯でおかげで周りに味方は1人もおらず、
彼女だけでそこにいたのは訳があるのだが。

「「奇襲を受けてメンバー達とはぐれちゃった。
  おおお応援お願いしまあす!」」
「「不可です、周辺に各隊員がおりません。現状を自力で対処して下さい」」
「「そそそんな」」

味方と完全に分離、助けは来ない。
私だけとても離れた区域まで来てしまったみたいで、
装備していたディサルトも弾切れで攻撃手段がない。
しかも、滞在中建造物の横は崖で現地人も近寄らない所だ。
だが、途中ここで何かのデータを手に入れたのだ。
おそらく、以前にヒョウゴの者達が利用していたらしくも、
それを本部へ送るために出ようとしても出口が分からない。
内部も部屋と通路が複数存在して、どこから入ってきたのかも覚えておらず、
頼りになるのは腕にあるこの糸だけだった。

ピシッ

壁にソリッドワイヤーを突き刺して振動音を耳の無線機へ通じさせる。
片耳イヤホンにつなげた聴診器型で、壁や障害物の先に人がいるか探る。
検知した音は複数の足音だ。

(何人か来てる・・・ここの兵だ)

私が使用する糸は通常とは異なる物を使っている。
エリー分隊特製の傍聴ぼうちょう型の物だった。
糸先に取り付けた指向性聴取器で音が拾える性能で、
同盟から工作班とひっそり開発していたものだ。
辺りの音を確認すると、すでにヒョウゴ兵達が5~6人来ている。

「ここに女らしき敵兵が入っていったはずだ、探せ!」

この駐屯地に逃げ込んだ姿を見られたようだ。
30m四方の広さをもつここは、6つの部屋と4本の廊下で構成されている。
その内の奥の1つに隠れている私はどうにか見つからないように
やり過ごす機会をなんとかつくろうと考えた。

「ムーブ!」

こちらに1人向かってくる。
こういったケースはクリアリングで片っ端から1つずつ確認しにくるから、
すぐにクローゼットに隠れる。

「クリア」

やり過ごせた、綿密に調べようとしないこの兵に敵ながらも感謝。
それにしても、崖付近に建築するなんて危険も良いとこ。
いや、こういう場所だからこそ密かに色々と製造できるのだろう。
気まぐれで来てみたら大発見、みたいな幸運もありえるもの。
後数分で出て行くだろうと、ずっと待つ事にする。
が、同時に予想外な展開も待ち受けていた。

20分後


 (なかなか帰ってくれない・・・)

ヒョウゴ兵達はいつまでも居続けていたのだ。
やはり、カバーポイントの一部として一度来ていたらしく、
このままではらちが明かないと脱出しようと決めてから
忍び足で次の部屋へ移る。


 先より広めの10じょうくらいある所へ移る。
やっぱり人がいなくて元から外回りしていたようだ。
ここは隊長用か責任者らしき部屋みたいで、奥に机があった。
陸部は使われていない建造物ばかりでも、こういった一部だけは
駐屯地的利用をしてると推測。
上には端末もあって今は電源が付いてないけど、横には書類がある。

(緊急連絡先、資源輸送ルート?)

関西の物資配送について書かれている。
私達関東軍に襲われないための道のりを決めているのだろう。
ひょっとしたら黒兵に関する事も分かるかもしれない。
だけど、あまり長く調べていられない。
書類だけ持ち帰って後で本部にわたそうと携帯ポッチにしまい、
次の脱出路を探そうとした。

ピシッ キィィン

 (ん、この先の壁は!?)

ピンと耳を立てた私は周りと違う音を拾う。
周りの反応とは石質と異なる壁があるようだ。
反響糸の反応がすぐに帰ってくる、女性でも壊せそうな
経木けいき薄板はくばんを発見した。

 (あそこから先は音が跳ね返らない・・・外だ!)

音の無反射は広大な空間、すなわち外だと確信。
脱出路としてそこしかないと確認するために手薄の壁へ向かおうとしたら、
思いがけない事が起きた。

「ん、今の音は?」
 (やばい!)

うっかりと急いだのか、足音に気付かれてしまう。
徐々にヒョウゴ兵の足音が部屋に近づいてきて、
私のいる部屋にゆっくりとやって来る。そして。










「いない、クリア」

天井のへこみにピッタリと張り付く私。
糸で体を死角に張り付かせて、視線かららせたようだ。
ザル警備も良いとこだが、おかげで一難は終幕。
その兵が部屋から出ていき、タイミングを見計らって
外のT字の廊下から目的の部屋を目指そうと移動するが、
左から右へ兵士が歩いているのに気づき、すぐに隠れる。

 (チャンス!)

完全に右の通路へ歩き去るのを目視して、隙に左へ移動した瞬間だった。


「見ぃつけた♪」
「ひいいぃ!?」

目の前に男が立ち計っていた。
さらに左で待機していた1人の兵に見つかってしまった。
腰を抜かした私は拍子で糸を射出してしまい、
ジリジリ迫るその男に覆いかぶさられようとした時だ。


ピンッ グイッ ゴン

「あだっ!?」

糸に脚を引っ掛けて転倒、頭から打って気を失ったヒョウゴ兵。
幸いにも男1人だけで例の薄板出口まで誰もいない。
隙になんとか逃げようと尻もちをつきそうになるのをこらえながら、
薄板に向かって思いっきり走り出していく。

脱兎だっと!」

バリン

彼女は破ってそこから脱出した。
他の兵が駆けつけた時には、すでに彼女の姿は見えていない。

「補修した場所から逃げただと!?」
「しかし、この先は断崖絶壁で先の捜索は無理です」
「あ~あ、けっこうカワイイ子だったんだけどなぁ・・・」
「残念だがこの高さでは生きていないだろう、撤退する!」

ヒョウゴ兵隊長は隊を下げる。
が、エリーは決してロストせずに停滞。
崖下の死角で糸を突き刺したままぶら下がっていたのであった。

「「これで一生分の運を使い果たしたかも・・・」」

脱出成功、壁という障害物を利用して逃げきれた。
腕に装着した灰色の聴診器ちょうしんきによって今回の劇は終わる。
ここから下部は誰もいないようで、連続する好機を拾った彼女は
データの中身を知らせるために、メンバー達と合流しようと
そのまま崖下の渓谷けいこくへ糸で降りて行った。


ドスッ

「ぶえっほぉ!?」

直後、岩に脇腹を打ってしまう。動物とは違う動き。
今回受けたダメージはこれくらいなのがせめてもの救いだと内心。
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