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3章 東西都市国家大戦編

第7話  組織の澱み

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5:00 カガワCN拠点 空港

 (いつもの早い朝、ふわぁ~あ)

 スイレンは泊りがけで空港に滞在していた。
S-001のミーティングが長引き、そのまま一泊。
連日の上空偵察に疲れてぐっすりと寝られたものの、
年のせいもあってか相変わらず起きる時間は早めだ。
ラボリ最中もうっかり東側に近すぎて注意を受けたりもして、
レーダーを見直す回数も増えて眼精疲労になりかけ。
たまに起きてるのか寝てるのか分からなくなる時もあるが、
肉体は若くてもアルゴリズムは人生経験に沿ってしまうのだろうか。
いつもの朝を迎え、爽やかな空気を吸うのは実に健康的で良い。
相変わらず自分は早起きしてしまい、今日の任務はないので
工作兵達の様子を見に行ってやろうとする。
自分のために戦闘機を手入れしてくれているのだ。
頑張っているだろうかと、年長者としての貫禄でねぎらって(?)
朝型の班の様子を伺おうと現場に踏み入ったが。


 (今日は少ないね・・・)

男整備士数名だけのようだ、普段なら朝の方が人が多いはず。
休暇者が多かっただけなのか、女性の整備士は目にしなかった。
かたわらでは中年女性の兵士が衛生兵と一悶着ひともんちゃくしている。

「まあっ、イヤらしい!
 わたくしの体で試そうとするの!?」
「い、いやそんなつもりは・・・ただ、女性の被検者が必要で
 若い女性に頼めないのです」
「?」

良い年して恥ずかしいようで用件を断っている。
新たな薬剤でも作成したのか話の内容はよく分からないが、
何やら女性の手助けを必要としているらしい。

「・・・・・・」

一応、ここにも長年の女がいる。
しかし、肌は若いままで検査で全部られるのは確実。
男性の科学者が女性に何か求めている節なのは予想できる。
年齢が年齢だけに特に異常はないだろうと、
構わなくても良いと思ってしまう。理由というのか事情というのか、
単純に恥ずかしいからだ。

「ブーン」

両手を広げて戦闘機のモノマネをしながらトンズラ。
結局、人の事なんて言えずに手伝う気が起こせない。
どうせ大した実験とかじゃないだろうから、
切り替えてビーバー達に会いに行こうと水路区域へ向かった。


トクシマCN ビーバー入口

 最も近い入口付近のエリアに着くと、2つの人影が映る。
コノエがいて誰かと話をしているのが観えて、少し喧騒ぶりの様。
話というより問答もんどうの様で、通せんぼしている素振りが見えた。
何かのトラブルだろうか、そこまで行ってうかがう。

「だから内部の水脈を調べに来ただけよ。
 確認したい事があって変な事するつもりはないわ」
「同盟がてら見学したい気持ちは分かりますが、ここは四国の機密事項区域。
 関係者以外は立ち入り禁止です、お引き取り下さい!」

ウェーブのかかった茶髪の眼鏡をかけた女性と口論している。
四国の人かと思うけど、あまりここいらで見た覚えがない。
なら、同盟CNからで物珍しさに見学しに来たのだろう、
何事かと話に割って入る。

「どうしたの?」
「スイレンさん、ここに来てたの?」
「今日は休暇だからこっちに来てみたけど、この人は?」
「私も元はここの関係者だけど、入れさせてくれないの。
 地下水域の様子がどうなのかうかがいたくなって」
「え? でも私はあなたと会った事なんて・・・」
「しかし、あなたは今までここに在籍していた記録がありません。
 証明するものがないと・・・」

私達はこの女性との面識はまったくない。
ビーバーの創立は私からで、ここ40年の間で面識もないという事は
着任した経歴がないはず。
この人も外見からして20~30前後、コノエすら知らないのなら
まず部外者で関係者という言葉じたいがウソとなる。
どうせ、ろくな事をしないだろうと身構える。
しかし、女性の口からは2人の耳に予想外な言葉が入った。

「証拠と言えるものでもないけど、水質なら多少知ってるわ。
 PH値は約7.1、ナトリウムは約36mg、
 カリウムイオンは約1.26mg、カルシウムイオンは約1.08mg、
 電子操作による水の管理、その他諸々もろもろ・・・」
スイレン・コノエ「うへえ!?」

思わず変な声が出てしまう。
四国の川の水の成分を的確に話す彼女に2人は驚いた。
詳細をも語る内容にコノエはたじろいだ。

「その成分表って極秘事項・・・だったよね?」
「「で、でもそれだけではまだ・・・」」
「それならば、これはどう?」

彼女は書類を取り出してコノエに差し出す。
見せつけてきたものは水路内部についての内容であった。

「これは、水脈調査図!?」
「だいぶ古いものだけど、これなら良いでしょ?
 正確に言うならば、私は水路建築の関係者――
 あ、いや、先祖代々伝わる者なの」
「つまり、ビーバー結成前の人達だったんだね・・・」
「「わ、分かりました」」

水路を形造る青色せいしょく片岩へんがんの性質まで突かれてしまう。
ここの古株にものを言われたのなら、通さないわけにもいかず
論破された風な感じで許可をだしたコノエだった。
OB招待からというもの、改めて何の目的でやって来たのか
同行がてら彼女について聞き出した。

「ところで、あなたは?」
「私はミゾレ、元四国で世話になっていたの。
 諸事情で他のCNに亡命していたけど、同盟となってから
 またここに出入りするようになれたから」
「水路建築という事は相当前の代のはずですが、御子息とかですかね?」
「そのようなものね、親がアブダクトされて向こうにいたから。
 今までは違うCNにいたのでここには来れなかったのよ」
「帰れるはずの帰れない故郷ですか。
 里帰りみたいなもの、大変ですね」

長年の出来事が絡んでここに戻ってこれなかったようだ。
中には家族も引き離されて別のCNに暮らす人もいるという。
私はA.D50年の大戦で皆いなくなってしまったけど、
もう地下水路がある意味、家みたいに思った時もあった。言えないけど。
的外れな意見を言う私に対して、コノエの顔が引き締まったまま。
彼女はまだ疑いをもちつつもミゾレという人の動向を入念に精査し続ける。
同盟と同時にやって来るタイミングは技術流用の恐れもあり、
スパイの危険性もあり得るからだ。
妙な仕草、彼女の視線を逃さずに詳細を追求した。

「ところで、今日はどうしてここにいらっしゃったのです?」
「同盟を結んでから、私も色々外で活動しやすくなって。
 そうしたら、水柱ができていたから見に来たの」
「地下水路の所ね・・・あ、コレ言っちゃって――」
「構わない、この方はもう内部を知り尽くしているだろうから」
「そ、そうね。あの水柱の事だって知ってるはず!
 ついでにああしちゃったのは私のせいだけど、製造者もあなた方で
 な、な、直す方法とかご存知ですよね!?」
「やっぱりもう見つけていたのね、間違いなく私が着手した物よ。
 地下に水精製機があるでしょ?
 原因はアレしか考えられなかったから、間近でね」
「ん・・・何か引っかかる様な。
 何か知ってるのですか?」

「私の先祖達が造った物だけど、詳しくはハイドロジェネレーターというの。
 まあ、成分分析で割と判明しやすいから行けば分かるわ」
「「あ・・・あれはあなたの人達が・・・」」

なんと、四国の心臓ともいえる機械の正体は彼女からもたらされていた。
出会い頭のさり気ない会話であっさりと判明。
ある意味、本当の女神はこの人じゃないのか?
造ったのは異形な者だとうっかり思っていたけど、間違いなく人だ。
様々な概要を知っているようだが、細かく言わない。


そして、ジェネレーターがある部屋に着いて床の水を気にせず入室。
ちょうどこの真上に水柱が立っていて四国のシンボルみたいになっている。
オミズマシもあれからまったく発生しない、そもそも生み出しているのが
これだったから私達は未知の装置にずっと支えられてきたわけだ。
まだ司令には伝えていない、多分捕まるだろうからあえて言わなかった。
ミゾレは難なく手作業を行いパネルを調べてみる。

「なるほど、電子を直立制御しただけね。
 誰かが勝手にいじったからこうなったのよ」
「「それは・・・私が・・・勝手に操作しちゃいまして」」
「これを操作したのはあなただったの?
 なるほど、水位を直立させたのはただの偶然だったわけね」
「スイレンさんの事件前までは水かさだけが変化していました。
 ここはたまに不安定になる時がありましたが、どうしてですか?
 水柱が出てからは、事故もなく治まりましたが」
「不規則に水かさを増しているのは、天候の温度変化によるからよ。
 この地域は昔から干害が起こりやすいから、高温程水素を生成。
 晴れの日ほど水が溢れるよう設定していたのよ」

という仕組みで成り立っていたと言う。
水柱になったのは洪水防止で吸い上げる機能のため。
電気分解で水を生み出していたのは既存な知識モノだった。
しかし、精製できる量がケタ違い。私達は仕組みを離されても
水素そのものがどうやって大量に造っているのか想像もできずに、
超文明を見せつけられただけしか思えず。
そこからどうなのか理解できない。

「ビーバーも全部分解して解析できたわけじゃないので
 断定できませんけど、一種の物質が無限に湧いてくる状態としか
 思えないんです。実際はそうなんですけど原理が・・・」

スイレンがガニ股ポーズで腰を下ろしつつ右手を突き出す。

「光学トップに君臨するコノエ先生でもここまでおっしゃられるから
 かなりの御手際を用いていらっしゃいますね。
 こんな技術初めて聞く・・・一体どこで――?」
「はいストップ、ここからは企業秘密だから介入無用」
「き、きぎょ?」
「あ、企業とは言わないわね。
 まあ、天の使い。だいみょうじんによる提示よ」
「そうだったのか~、貴女のおかげで私は・・・。
 あの時は四国もピンチで、わたくしがガブッと
 お口に拝借させてもらい、今に至ります」

ピタッ

自分の当時を聞いたミゾレは突然と手を止めた。
少々険しい顔をしている感じで私に聞いてくる。

「あの時・・・いつここで飲んだの?」
「えっと・・・今から40年前。地下水路を歩き回っていた時で。
 わたしはいまろくじゅっさいでありまして・・・」
「とても60代には見えないわね・・・まさかあなたは」
「え?」
「いえ、ちょ どこ に 置 たと か・・・。
 って、あんたその直後にここに来たの!?」
「そ、そうみたい。のど乾いてたからすぐ飲んじゃった」
「なんですって、ジェネレーターで精製したばかりの水は劇薬げきやくよ!」
「ええええええええええええ!!??」

彼女の警告に2人は空も見えぬ所で仰天ぎょうてんする。
このジェネレーターは不足している地下水に空気中の酸素と水素を
取り込んだ仕組みで造られていた。
調合の過程で含まれる毒性物質があるので危険だと言う。

「ひえええ、私ってすごくイケナイ事をしてらっしゃいました!?」
「人生終了クラスよ。
 電気分解で分けられたばかりの水は天然に成熟するまで時間がかかるの。
 よりによって、精製械の間近で・・・直後に飲んだら死ぬわ!」
「突然そうおっしゃられても・・・なにがなんだか」
「でも、苛性かせいソーダを取り入れて長生きするのもおかしいわ。
 ちょっと、体を調べてあげる。こっちゃ来なさい!」
「わ、ちょっと!?」


 彼女は私を引きずるように医務室に連れていく。
毛を切り取った細胞を入念に彼女の体を調べている、あの子と同じく。
すると驚くべき詳細を告げた。

「テロメラーゼに含まれるアミノ酸が変異しているわね。
 逆転写酵素が劇薬の影響で強固に保たれてる。
 通常なら心臓発作レベルになるはずが、成長遅延で細胞維持・・・」
「あみのさん? へんい?」
「逆転写反応が常人と比べて異様に遅いのよ。
 通常なら凝固して弛緩しかんする様に致命傷を負うはずが、緩やかに。
 あたかもリバウンドして細胞分裂だけ抑制された状態のままに、
 元々あんたは特異体質だったから助かったとしか・・・。
 心当たりはあるの?」
「あ、そういえば昔、私の体が光ってた事があった」
「発光現象・・・・・・なるほどね」
「心当たりがあるんですか?」
「少しは・・・ただ、劇薬飲入前からすでに特殊だったと。
 変異体自体に命にかかわるような異常はなさそうなだけ」
「なら安心しました、えへへ」
「だから老化しない体質なのかな、ちょっとうらやましい」
「あなたが・・・神か」

やはり、私も偶然の産物で四国の柔らかい塊として生きてきたようだ。
こんなシチュエーションながらも、いくつか真実が明らかとなった。
突如とつじょやって来た大明神的人物に注目が集まる。
これはまた頼もしい人物が現れたと感激にひたるすぐ側で無線連絡がくる。

ピピッ

「もしもし・・・あ、ヒロさん?」
「「スイレンさん、聞こえる?
  今空港で大変な事が起きてるんだ!」」
「空港で?」

四国空港で何やら騒動が起きたらしい。
整備場の方で人が集まりだしてトラブルがあったと言う。
どうしたのかと、私はすぐに空港へ向かって行った。


四国空港

カラン

 空港に携わる整備士達が集まっていた。
工具を出しっぱなしにした状態で突然男整備士に告げる。
しかし、その光景はへだたった性別だけが見て取れるものである。
男性ではなく女性ばかりだったからだ。

「という事で、私は戦闘機の整備を辞職します。
 資源の不足、修理効率の悪さが以前から変わらずに従業しきれません」
「わたくしも辞退させてもらいま~す。
 次回からライオットギアの整備、管理の方に回らせてもらいますので」
「ちょ、皆して辞めてっちゃったら!」

女整備士A~E達は別の部署に回ると言う。
女という性別に当てはまる者は1人残らずに戦闘機の整備から
降りると通達を次々とだしていく。
理由や事情もろくに話さない以上、何も説明する事なく、
詳細を言わずにそのまま歩き去って行ってしまった。
何事だろうと男整備士に事情を聞き出した。

「ねえ、何があったの?」
「女性の整備士がみんな辞めてっちゃったんだ。
 理由も詳しく言わずに・・・修理の不満て」
「整備士は大半が女性ばかりで、男は少ないしな。
 これじゃあ、時間がかかっちゃうよまったく」

つまりボイコット、職場不服とばかりもう務めていられないそうだ。
日頃からハラスメントの類なんてしていない。
神経使って丁重ていちょうに扱っていたつもりが、こんな縁切りと変わってしまう。
ほんの目を離したわずか半日の間に起きた出来事。
資源も同盟してから多く仕入れる予定も知っているはずだけど、
女性の集まりは異様な感情も含んでいる感じがした。
そんな男の視線が唯一のパイロットへ依存する。
辞めていった数人がスイレンの横を通り過ぎると。


スウッ

「・・・・・・」

有無も言わさずに辞職してしまった女性達、惑う男整備士達。
彼女本人が来ても別れの挨拶すらろくにしない。
すたすたと去っていく後ろ姿に何も見出す点がない。
ただ1つだけ気付いたのは、女性達が一瞬だけスイレンの
姿を目にした時に鋭くにらみ付けていた事だった。
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