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2章 関東統一編
アンラッキーセヴン3
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数日後 中層縦浜エリア 駐屯地
「「お前達、着いたか?」」
「設置完了、準備できた」
「こっちもOK、高えな」
「完了、近場の部屋ん中いるっす」
「侵入成功、誰も疑ってない」
「た、待機してます・・・うまくいくかな」
「運び終えた、いつでもきな」
アジトでωが6人に無線通信する。
ここはトウキョウ湾に隣接する高度300mのビルで
人目を忍ぶようにNo7が就寝用に出入りするという。
高層200階の別荘として少数による管理下に目をつけて
今回はそこの一通路を利用して目標を捕える作戦にでた。
1 AURO槽 2
階段踊り場□―――――――――□下階段
| |
大荷物 |
| |
非常口■―――――――――□テラス
4 広報モニター 3
1234を角とする四本の通路があり、No7は1から下りて
2に行く間のAURO槽でPDや端末を充電する習慣があった。
しかも、奴は最近側近を20体に増やして連れ回すという。
前回の件でより警戒され、強引なアブダクトは不可能。
2は下フロアへ続く階段で、下りられる前に機体達を
3のテラスへ誘導、残る男だけ4の非常階段へ連れ去る算段だ。
実は情報屋も仕掛けるためにビル内にいるのだが。
「「奴が近づいたら電源を落とす。
回復される前までが勝負だぞ」」
1~4の間に整備中の看板と資材を置いて背後にλとγが待機。
しばらくして予定通り、1からターゲットがやって来た。
「「ったく、ザッパゴーリが・・・」」
ようやく起きて、例の所でブツブツ言いながら充電している。
No7は起床時間が遅く、昼近くに起きる。
通路を止まり、実行に移すチャンスが訪れた。姿を確認したλが報告。
「「星だ、情報屋!」」
「「よし」」
プツン フュウウウウン
「ん、なんだ?」
AURO槽が停止する。
情報屋が電源盤を手動操作してタイミングよく切った。
停電かと下の者を呼び出そうとした時だ。
「キャーッ!」
「ん、どうした?」
「テラス外に人が!?」
2~3の通路でπが叫びだす。
彼女の指をさす方向を見ると、テラス外で作業員らしき男が
大声で喚き散らしている。
「毎日、毎日、僕らは鉄板の上でラボリやらされて
イヤになっちゃうよおおおおおおぉぉぉぉ!」
「なにやってんだアイツは・・・?」
ダイナミックな仕草で自棄をパフォーマンスする⊿。
重労働させられて嘆く者を演じて飛び降りようとした。
突然の出来事で場にいる者は全て彼に意識、
気を取られている隙に別ポジションにいた者が動く。
「「λ、γ!」」
ガシッ
2人が最背後にいたPD1体を鷲掴みにして捕縛。
λが首の後ろの神経回路を非伝導ピックで突き刺して機動を断った。
一方で、⊿の不審さを監視していたPD達が検知して
テラス外部に出ようとする。
「「外部で異常発生、捕獲に移ります」」
「おい、どうした!?」
No7の指示を聞かずに19体全て離れていく。
⊿を1人で待ち伏せさせるのも理由があった。
PDは相手が1人のみと判断した時、逃走経路阻害で
辿れる足場があればまとめて踏み入れてくる性能がある。
床の脆さ、危険性を検査してイエローゾーン寸前でも
先に対象者がいればお構いなく向かってくるのだ。
およそ1機120kg。重ければ重い程、当然足場が揺らぐ。
予想通り19体はまとめて鉄板のズカズカと移動してきた時。
「労働環境改善してくれないなら飛び――おひょおっ!」
ピッ メキョッ ガタン ギュルルル
鉄板が下部へ曲がる。
足場を崩したタイミングで⊿はワイヤーで上部に上がった。
PD達は次々と海へ落下していく。
ドボン ドボン ドボン ドボン
「ボクちんのプリティドールがあああああぁぁぁぁ!?」
両手で頬を押さえて叫ぶNo7。
実は鉄板の底にデコイを貼り付けてPDをテラスへ指向させ、
メルトジョインも取り付けて鉄を軟化させた。
これで通路に残るは1人のみ。
1体5000万Pをかけて製造したもので喪失感漂う中、
μがそっと口パクしながらNo7に注意誘導しに近づく。
パクパク
「敵性勢力接近の情報が入りました、安全行路へ推奨します」
「あっそう・・・ん?」
残る1体に警告される。
不運な出来事の連続で仕方なくも移動しようと思った時。
「ん、こんなPDいたっけ?」
(疑われてる・・・)
μの顔をジロジロと観ながら接近してくる。
本当に所属のものなのか手にかけようとすると、
通路のモニター画面にMが表示された。
ブゥン
「「No7さん、No1から指定ポイントへの移動を要請されました。
至急向かって下さい」」
「うひいっ、ナンバーワンから!?」
トウキョウのTOPからの要請に怯えるNo7。
情報屋による偽天主殻の情報をまんまと鵜吞みにし、
μも構わずトウキョウ湾直上まで足を着けた。
駐屯地200階 テラス増築区画
「「誰もいないじゃん」」
非常口を抜けた先に誰もいないのをぼやける。
真下は海、鉄柱むきだしの増設途中な場所に来たNo7。
海岸沿い常駐駐屯地で増設工事している一角に、
何の理由も知らされず呼び出しされた。
外に出てから連絡がこなく、1人身だけで渋々歩き始めて
地面すれすれに横張りされた線に脚が触れた瞬間。
ピンッ ギュルルル ギイィ
「ひひぃん!?」
片足に鋼鉄のひもが巻き付き、トラップに引っ掛かった。
チームはNo7の捕獲に成功。
罠の罠の罠でようやく接触する事ができた。
θがワイヤーで等しい目線まで登り、一声をかける。
「こんにちは高官さん、哀れなあたし達にそれをお恵み下さい」
「つけ回していたのはお前達だったのか!?」
男はようやく自分が標的にされている事に気が付く。
θが男の胸元を見ると、シェーライトは確かに入っているようだ。
ガシッ
首にかけられたポッドをむしり取り、開けようとしたが
赤いランプで表示して開かなかった。
「何よコレ!?」
「ボクちんの声でしか開けられないのさ、音声認識」
声帯センサーで開く仕組みだった。
関係者以外不可能にセキュリティ対策されいていて、
私は今、工具の1つも持ってなく、当然こじ開ける器用さもない。
(音声・・・)
声という言葉を聞いた時、あたしは脳内で何かが反応する。
この男のボイスアクションに興味を抱いたのだ。
ゴクリ
トウキョウドームでわずかに耳に入れていたNo7の声。
あたしの中で遠回しに聴いていた“ボーカルという艶声”を
この場で聴きたくなってしまう。
目標間近にある達成感と似たような高揚感を抑えられずに
湧き上がる音の楽しみに心を奪われそうになる。
宙吊り状態の中でシェーライトを取り出させるライヴ感。
ポッドを一度男に持たせてマイクの様な姿勢で白き箱を
開けさせようとした。
「開けなさい・・・会場の時と同じ声で」
「へ?」
「言う通りにしなさい、死にたいの!?」
「わ、分かりましたぁ~!
ア″ーア″ーア″ア″ア″ー、ア″ア″ア″
ア″ーア″ア″ーア″ー、ア″ーア″ーア″ーア″ー
ア″ア″、ア″ーア″ア″ア″ー」
「ハフーッ、ハフーッ、もっと、色気付いた声で!」
「はいぃ!
ア″ーア″ーア″ーア″ー、ア″ーア″ーア″ーア″ー
ア″ーア″、ア″ア″」
脅迫されて色気ボイスを出しながら珍妙なテンポで叫ぶ。
音声が整合、ポッドは認識されてゆく。
様子を伺っていたメンバー達が催促する。
「「θ、まだか!?」」
「「そっちに奴らが集まってるわよ!」」
メンバー達が急がせる。
No7の居場所を特定され、人間の護衛兵が押し寄せていた。
早く逃げなければならない状況の中、チェックが終了に向かう。
ピッ
ランプはグリーンに変わり、θは興奮しながら確認。
開封可能な状態となり、ポッドに手を伸ばした時だ。
ヒュンッ スパッ
「あっ!?」
「!!??」
「「どうした!?」」
遠方から射撃で狙われていた。
銃弾がぶら下げていたNo7のワイヤーを切断。
シェーライトと共に落下してゆく。
「あ“あ“あ“あ“あ“あ“あ“あ“あ“あ“あ“!!」
ドボォン
No7 ロスト
数百mの海面に叩きつけられた衝撃で心臓麻痺、死んだ。
ポッドも拍子で手から離れてしまう。
「「ウソ・・・こんな、事って」」
「「θ・・・キリエ、どうなった? 応答しろ!?」」
落ちていったポッドは瞬く間に東へ流れていく。
目標を見失い、シェーライト回収は失敗した。
情報屋も内心見切りをつけて、すでにアジトから退散。
(しくったか・・・もういい)
この事件をきっかけに一斉捜査が始まり、メンバー達の発覚で
7人は次々とバインドされ、全員最下層送りにされてしまう。
情報屋は事前に察知して形跡を断ち、中層階へと戻っていく。
今回を機に軍事執行局はキューブセクションをくまなく調査する方針を決定。
ずさんな下層階の実態を改め直される。
わずかに空いていたトウキョウの穴を塞ぐきっかけとなった。
チバCN亀川エリア 砂浜
ホジホジ
「ライトの取り付けメンドくせえ~」
場所はうって変わり、チバの海端。
砂浜でチバの中年兵Pが1人だけで巡回の紛れに昼寝をしている。
毎日続く任務活動を疎んでラボリをサボリ、鼻をほじって怠けていた。
巡回が終われば、次は外灯整備。
毎度毎度侵入で割られる復旧作業に嫌気がさしていた。
否が応でも時間は迫ってくる。
渋々起き上がって駐屯地へ戻ろうとした時、光の反射を目にする。
「なんだこの筒?」
白い入れ物が落ちている事に気が付く。
どこから流れ着いたのかよく分からなかったが、
少なくともチバ規格の物じゃない。
開けると中には見たこともない3cmの石が入っていた。
つまんで確認しても価値があるのか不明。
「ほ~ん、使えそうだな」
これからやるべき仕事に丁度良いと、持っていこうと決める。
整備のイチパーツに使えるかもしれないと
彼は拾ってポケットに入れ、持ち場へ戻っていった。
おまけ πが提出した記録データ内容
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「「今日もまたえらそうに呼び出しちゃって!」」
ピシーン
「「ほおうっ!」」
「「セヴンのクセにナマイキよっ!」」
パシーン
「「はうっ、うんふぉ!」」
「「女王兵とお呼びっ!」」
グリグリ パンパン
「「ひぃやあぁあぁ、もっと、もっとおおおおっ!
下級兵になじられるの止められない!
あんにゃほほおおおぉぉぉぉ!」」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ベルティナ「・・・・・・・・・・・・・・・・くっ」
「「お前達、着いたか?」」
「設置完了、準備できた」
「こっちもOK、高えな」
「完了、近場の部屋ん中いるっす」
「侵入成功、誰も疑ってない」
「た、待機してます・・・うまくいくかな」
「運び終えた、いつでもきな」
アジトでωが6人に無線通信する。
ここはトウキョウ湾に隣接する高度300mのビルで
人目を忍ぶようにNo7が就寝用に出入りするという。
高層200階の別荘として少数による管理下に目をつけて
今回はそこの一通路を利用して目標を捕える作戦にでた。
1 AURO槽 2
階段踊り場□―――――――――□下階段
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大荷物 |
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非常口■―――――――――□テラス
4 広報モニター 3
1234を角とする四本の通路があり、No7は1から下りて
2に行く間のAURO槽でPDや端末を充電する習慣があった。
しかも、奴は最近側近を20体に増やして連れ回すという。
前回の件でより警戒され、強引なアブダクトは不可能。
2は下フロアへ続く階段で、下りられる前に機体達を
3のテラスへ誘導、残る男だけ4の非常階段へ連れ去る算段だ。
実は情報屋も仕掛けるためにビル内にいるのだが。
「「奴が近づいたら電源を落とす。
回復される前までが勝負だぞ」」
1~4の間に整備中の看板と資材を置いて背後にλとγが待機。
しばらくして予定通り、1からターゲットがやって来た。
「「ったく、ザッパゴーリが・・・」」
ようやく起きて、例の所でブツブツ言いながら充電している。
No7は起床時間が遅く、昼近くに起きる。
通路を止まり、実行に移すチャンスが訪れた。姿を確認したλが報告。
「「星だ、情報屋!」」
「「よし」」
プツン フュウウウウン
「ん、なんだ?」
AURO槽が停止する。
情報屋が電源盤を手動操作してタイミングよく切った。
停電かと下の者を呼び出そうとした時だ。
「キャーッ!」
「ん、どうした?」
「テラス外に人が!?」
2~3の通路でπが叫びだす。
彼女の指をさす方向を見ると、テラス外で作業員らしき男が
大声で喚き散らしている。
「毎日、毎日、僕らは鉄板の上でラボリやらされて
イヤになっちゃうよおおおおおおぉぉぉぉ!」
「なにやってんだアイツは・・・?」
ダイナミックな仕草で自棄をパフォーマンスする⊿。
重労働させられて嘆く者を演じて飛び降りようとした。
突然の出来事で場にいる者は全て彼に意識、
気を取られている隙に別ポジションにいた者が動く。
「「λ、γ!」」
ガシッ
2人が最背後にいたPD1体を鷲掴みにして捕縛。
λが首の後ろの神経回路を非伝導ピックで突き刺して機動を断った。
一方で、⊿の不審さを監視していたPD達が検知して
テラス外部に出ようとする。
「「外部で異常発生、捕獲に移ります」」
「おい、どうした!?」
No7の指示を聞かずに19体全て離れていく。
⊿を1人で待ち伏せさせるのも理由があった。
PDは相手が1人のみと判断した時、逃走経路阻害で
辿れる足場があればまとめて踏み入れてくる性能がある。
床の脆さ、危険性を検査してイエローゾーン寸前でも
先に対象者がいればお構いなく向かってくるのだ。
およそ1機120kg。重ければ重い程、当然足場が揺らぐ。
予想通り19体はまとめて鉄板のズカズカと移動してきた時。
「労働環境改善してくれないなら飛び――おひょおっ!」
ピッ メキョッ ガタン ギュルルル
鉄板が下部へ曲がる。
足場を崩したタイミングで⊿はワイヤーで上部に上がった。
PD達は次々と海へ落下していく。
ドボン ドボン ドボン ドボン
「ボクちんのプリティドールがあああああぁぁぁぁ!?」
両手で頬を押さえて叫ぶNo7。
実は鉄板の底にデコイを貼り付けてPDをテラスへ指向させ、
メルトジョインも取り付けて鉄を軟化させた。
これで通路に残るは1人のみ。
1体5000万Pをかけて製造したもので喪失感漂う中、
μがそっと口パクしながらNo7に注意誘導しに近づく。
パクパク
「敵性勢力接近の情報が入りました、安全行路へ推奨します」
「あっそう・・・ん?」
残る1体に警告される。
不運な出来事の連続で仕方なくも移動しようと思った時。
「ん、こんなPDいたっけ?」
(疑われてる・・・)
μの顔をジロジロと観ながら接近してくる。
本当に所属のものなのか手にかけようとすると、
通路のモニター画面にMが表示された。
ブゥン
「「No7さん、No1から指定ポイントへの移動を要請されました。
至急向かって下さい」」
「うひいっ、ナンバーワンから!?」
トウキョウのTOPからの要請に怯えるNo7。
情報屋による偽天主殻の情報をまんまと鵜吞みにし、
μも構わずトウキョウ湾直上まで足を着けた。
駐屯地200階 テラス増築区画
「「誰もいないじゃん」」
非常口を抜けた先に誰もいないのをぼやける。
真下は海、鉄柱むきだしの増設途中な場所に来たNo7。
海岸沿い常駐駐屯地で増設工事している一角に、
何の理由も知らされず呼び出しされた。
外に出てから連絡がこなく、1人身だけで渋々歩き始めて
地面すれすれに横張りされた線に脚が触れた瞬間。
ピンッ ギュルルル ギイィ
「ひひぃん!?」
片足に鋼鉄のひもが巻き付き、トラップに引っ掛かった。
チームはNo7の捕獲に成功。
罠の罠の罠でようやく接触する事ができた。
θがワイヤーで等しい目線まで登り、一声をかける。
「こんにちは高官さん、哀れなあたし達にそれをお恵み下さい」
「つけ回していたのはお前達だったのか!?」
男はようやく自分が標的にされている事に気が付く。
θが男の胸元を見ると、シェーライトは確かに入っているようだ。
ガシッ
首にかけられたポッドをむしり取り、開けようとしたが
赤いランプで表示して開かなかった。
「何よコレ!?」
「ボクちんの声でしか開けられないのさ、音声認識」
声帯センサーで開く仕組みだった。
関係者以外不可能にセキュリティ対策されいていて、
私は今、工具の1つも持ってなく、当然こじ開ける器用さもない。
(音声・・・)
声という言葉を聞いた時、あたしは脳内で何かが反応する。
この男のボイスアクションに興味を抱いたのだ。
ゴクリ
トウキョウドームでわずかに耳に入れていたNo7の声。
あたしの中で遠回しに聴いていた“ボーカルという艶声”を
この場で聴きたくなってしまう。
目標間近にある達成感と似たような高揚感を抑えられずに
湧き上がる音の楽しみに心を奪われそうになる。
宙吊り状態の中でシェーライトを取り出させるライヴ感。
ポッドを一度男に持たせてマイクの様な姿勢で白き箱を
開けさせようとした。
「開けなさい・・・会場の時と同じ声で」
「へ?」
「言う通りにしなさい、死にたいの!?」
「わ、分かりましたぁ~!
ア″ーア″ーア″ア″ア″ー、ア″ア″ア″
ア″ーア″ア″ーア″ー、ア″ーア″ーア″ーア″ー
ア″ア″、ア″ーア″ア″ア″ー」
「ハフーッ、ハフーッ、もっと、色気付いた声で!」
「はいぃ!
ア″ーア″ーア″ーア″ー、ア″ーア″ーア″ーア″ー
ア″ーア″、ア″ア″」
脅迫されて色気ボイスを出しながら珍妙なテンポで叫ぶ。
音声が整合、ポッドは認識されてゆく。
様子を伺っていたメンバー達が催促する。
「「θ、まだか!?」」
「「そっちに奴らが集まってるわよ!」」
メンバー達が急がせる。
No7の居場所を特定され、人間の護衛兵が押し寄せていた。
早く逃げなければならない状況の中、チェックが終了に向かう。
ピッ
ランプはグリーンに変わり、θは興奮しながら確認。
開封可能な状態となり、ポッドに手を伸ばした時だ。
ヒュンッ スパッ
「あっ!?」
「!!??」
「「どうした!?」」
遠方から射撃で狙われていた。
銃弾がぶら下げていたNo7のワイヤーを切断。
シェーライトと共に落下してゆく。
「あ“あ“あ“あ“あ“あ“あ“あ“あ“あ“あ“!!」
ドボォン
No7 ロスト
数百mの海面に叩きつけられた衝撃で心臓麻痺、死んだ。
ポッドも拍子で手から離れてしまう。
「「ウソ・・・こんな、事って」」
「「θ・・・キリエ、どうなった? 応答しろ!?」」
落ちていったポッドは瞬く間に東へ流れていく。
目標を見失い、シェーライト回収は失敗した。
情報屋も内心見切りをつけて、すでにアジトから退散。
(しくったか・・・もういい)
この事件をきっかけに一斉捜査が始まり、メンバー達の発覚で
7人は次々とバインドされ、全員最下層送りにされてしまう。
情報屋は事前に察知して形跡を断ち、中層階へと戻っていく。
今回を機に軍事執行局はキューブセクションをくまなく調査する方針を決定。
ずさんな下層階の実態を改め直される。
わずかに空いていたトウキョウの穴を塞ぐきっかけとなった。
チバCN亀川エリア 砂浜
ホジホジ
「ライトの取り付けメンドくせえ~」
場所はうって変わり、チバの海端。
砂浜でチバの中年兵Pが1人だけで巡回の紛れに昼寝をしている。
毎日続く任務活動を疎んでラボリをサボリ、鼻をほじって怠けていた。
巡回が終われば、次は外灯整備。
毎度毎度侵入で割られる復旧作業に嫌気がさしていた。
否が応でも時間は迫ってくる。
渋々起き上がって駐屯地へ戻ろうとした時、光の反射を目にする。
「なんだこの筒?」
白い入れ物が落ちている事に気が付く。
どこから流れ着いたのかよく分からなかったが、
少なくともチバ規格の物じゃない。
開けると中には見たこともない3cmの石が入っていた。
つまんで確認しても価値があるのか不明。
「ほ~ん、使えそうだな」
これからやるべき仕事に丁度良いと、持っていこうと決める。
整備のイチパーツに使えるかもしれないと
彼は拾ってポケットに入れ、持ち場へ戻っていった。
おまけ πが提出した記録データ内容
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「「今日もまたえらそうに呼び出しちゃって!」」
ピシーン
「「ほおうっ!」」
「「セヴンのクセにナマイキよっ!」」
パシーン
「「はうっ、うんふぉ!」」
「「女王兵とお呼びっ!」」
グリグリ パンパン
「「ひぃやあぁあぁ、もっと、もっとおおおおっ!
下級兵になじられるの止められない!
あんにゃほほおおおぉぉぉぉ!」」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ベルティナ「・・・・・・・・・・・・・・・・くっ」
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