57 / 280
1章 四国編
番外編 第1話 カナの新兵器?
しおりを挟む
時はカナがスイレンとトクシマモブ兵達にオリジナル講座を開いていた話。
司令官来室前の若者講習会という授業を行っていた。
カナも20歳で若者が若者に教えるのも妙だが、彼女は四国の技術者で
こんなに若くして重役ポジションを任される立場となり、
将来、こんな道具が出来ますよと告知したいようだ。
何やら新たな発見があったらしく、
今後の装備品の1つとして技術説明をする。
トクシマCN拠点 視聴覚室
「という訳で、四国の環境に沿ったここ数年の研究によって
水にも形状記憶効果があるのではっていう結論に達しましたっ!」
「けいじょうきおくこうか?」
「温度変化で元の形に戻る現象よ。
今までは金属だけの効果だけだったけど、
液体でも電子操作で変化が可能だというの。
水の密度は1g/㎤で、固体じゃないのはもちろんだけど
物理学の世界で1というのは“バランスが良い”意味をもつのよ」
スイレンは若い子達に交ざって説明を受ける。
カナのパフォーマンスは水に形がないものを形にするといった技術で、
詳しくはあたしにとっても相変わらずだけど、人の体に害をもたらさずに
新しい薬品や備品を作れる可能性を発表した。
「なんか反発係数とか1って数が書いてあるしね。
割合・・・みたいなものでしょ?」
「そ、そうね。
低温時はマルテンサイト相、高温時はオーステナイト相とよばれ、
高温で形を変えても低温になると元に戻ってしまうのだ」
「でも水は金属と違って柔いっすよ?
形もない水に原型なんてあるんですか?」
「え、え~と、これを観てみなさい」
カナはモニターに実験のVTRを流した。
早送り再生でトレイに温められたお湯が冷えてきた途端に、
水がトレイの左半分に寄っていってしまう。
「なにコレ・・・ゼリー!?」
「どう、すごいでしょ!? 液体は一応水なの!」
「氷でもないのになんで!?」
「実はこれ、水に砂金を入れて分子操作してみたもの。
水の原子に金の原子を交互左右に電子配合して、
結合力で異なる比重でも動くように設定。
元の形が半分の大きさの塊を別トレイに入れて低温保存してたの。
そうしたら案の定こうなるわけ」
「すごーい」
カナの実験で水と砂金の形状変化をアピール。
流体と硬体を共有させて、かつ崩されにくい理想を創り出す。
もしこれが発展したら壊れた物が勝手に修復したり、
動物の傷まですごく早く完治できるという。
加工しやすく滑らかなフレームデザインの可能性を伝えた。
完成品もそうだけど、四国は工程の効率も考えて
出来上がるまでの過程を省き、少ない資源で造る。
それをカナが発見しただけでもスゴイけど、
トクシマの子達もあまり深く理解しきれていないだろう。
書類にはこの子の丸文字であたしにはすぐに分かったけど。
ただお座りしながら感心するだけ。
「流体力学の進化を感じるわ」
「形状記憶合金は金とカドミウムでできてるけど、
マルテンサイト相の方は特に変形しやすい性質で、
液状化できるレベルにまで変形できる実験に成功したの。
励起後でも同様の効果が現れるって分かった」
「液体金属なんて物も造れるのか。
そういえば、液体って張り付くような・・・」
「そもそも液体には表面張力があるけど、
粘り気ともまた違う性質があるのよ。
光電子と液体の配合は未知なる原理で新たな装備も造れるはずよ」
「す、すげえ!」
何というか、水をまとっている様な感じだ。
あんまりよく分からないけど、とにかくスゴイのだろう。
この調子でカナが自慢げに説明をしていく。
そして講座は終わり、司令官訓示後に一同は解散した。
次はカナに整備の手伝いを頼まれた時の事。
あたしが操縦している戦闘機、S-001についても話しあった。
細かい内容をこっちにもってきたから語る。
「え、まだ他にあるの?」
「モノは相談なんだけど、S-001の規格も見直ししたいの。
四国の兵装もそろそろ次の世代へステップしようと」
「え、また機能を変えるの!?」
「エンジン部を反重力にしたいの・・・良いかな?」
なんと、カナは反重力エンジンをS-001の動力源に変更すると言う。
中つ国の技術を取り入れて取り替えたいらしい。
今までのエンジンはこうのうしゅくばいおえたのーるとかいう燃料に、
電磁エネルギーで推進させて、翼の揚力でアゲアゲに飛んでいる。
植物の油を動力にできるくらい、お野菜パワーで動く事ですらスゴイのに。
空を飛ぶ機械なんて他の地方でもあるけど、
技術をどうしたらそんな風に変えられるのか文明の高低さが浮きそうになる。
飛行中にも度々見てきたが、音もなく悠々と飛び回るそれは
世代のギャップは確かにゆるゆる感じ取ってきた。
「こりゃまたオリジナリティで、お姉さんオドロキ。
旋回性能ももっと速くなるから判断力ももっと必要になるよね。
こっちでホントに使いこなせるかな?」
「正直、機動力はこっちが負けてると思う。
初速度はジェット推進でこっちが有利だけど、後の位置取りは
空中で変化させやすい向こうの方が有利だから」
「模倣で追いつくのも手段だしね、モホホ。
これにしろって司令の人が言ったの?」
「そうだけど、私も航空機の方に力を入れたいし。
中つ国も目を見張るくらいすごく技術力あると思う。
空域展開をもっと大きくした方が良いよ」
「CNとしてはパイロットを増やしたいもんね。
ところで、エンジンの分解はまだできないの?」
「お・て・あ・げ、A.D90年製ドリルでも無傷。
あんな物、誰が造ったのか想像もつかない」
こちらは悪い方のアゲの模様。
実は旧来のエンジンは中身が確認できず、
司令官達ですら何エンジンなのかは不明。
誰にも解析できない物をよく扱えると不思議に思うところだけど、
どういう訳かあたしにとって今のエンジンはよく馴染む気がする。
操縦している最中はどこか先立つ感じがしてスムーズに手が進み、
ミスも少なく促されるように動かせるから今までやってこれたのだろう。
そこから手足をまるごと交換されるみたいな感じがして気が進まない。
司令官は強制施工する意思はないらしく、
カナには突然の仕様変更はやりづらいとだけ言っておく。
「う~ん、もうちょっと考えさせて。イキナリ変えられると墜落しそうで。
お姉さん、追いつくのも大変だし」
「20なのに、何おばさんみたいな事言ってんのよ。
推進部がちょっと変わるだけでハンドル部はそのままで良いじゃない?」
「い、いや、それでも規格が変わりすぎてもアレで、カンベンしてよぉ~」
「そ、そう・・・分かった」
少し無念そうに返事をする。
まだ司令承認も通ってないから、そのまま企画送りとさせた。
たった1人のワガママで進展を抑えるなんてCNとしてはどうかと思う。
でも、筆頭的に扱われるあたしにだって限界がある。
誰にも言えない事情はまだ、この小さな胸の中に閉まっていたから。
(長生きすればするほど、情報はいくらでも入ってくる)
あの大交戦から50年、運良く生き延びてこれたものの、
色々なものを失っても、まだ生き続けて学ばなければならない。
というより、目を開けて歩いて動けば情報は入ってくるのが人生。
繰り返す日々の間でなんだか少しずつポロポロと落ちてゆく感じがする。
それもそのはず。
60代に着いた“私”はこんな姿でも新時代の中身に
老化していないだろう頭ですら取り入れに一苦労するのだから。
司令官来室前の若者講習会という授業を行っていた。
カナも20歳で若者が若者に教えるのも妙だが、彼女は四国の技術者で
こんなに若くして重役ポジションを任される立場となり、
将来、こんな道具が出来ますよと告知したいようだ。
何やら新たな発見があったらしく、
今後の装備品の1つとして技術説明をする。
トクシマCN拠点 視聴覚室
「という訳で、四国の環境に沿ったここ数年の研究によって
水にも形状記憶効果があるのではっていう結論に達しましたっ!」
「けいじょうきおくこうか?」
「温度変化で元の形に戻る現象よ。
今までは金属だけの効果だけだったけど、
液体でも電子操作で変化が可能だというの。
水の密度は1g/㎤で、固体じゃないのはもちろんだけど
物理学の世界で1というのは“バランスが良い”意味をもつのよ」
スイレンは若い子達に交ざって説明を受ける。
カナのパフォーマンスは水に形がないものを形にするといった技術で、
詳しくはあたしにとっても相変わらずだけど、人の体に害をもたらさずに
新しい薬品や備品を作れる可能性を発表した。
「なんか反発係数とか1って数が書いてあるしね。
割合・・・みたいなものでしょ?」
「そ、そうね。
低温時はマルテンサイト相、高温時はオーステナイト相とよばれ、
高温で形を変えても低温になると元に戻ってしまうのだ」
「でも水は金属と違って柔いっすよ?
形もない水に原型なんてあるんですか?」
「え、え~と、これを観てみなさい」
カナはモニターに実験のVTRを流した。
早送り再生でトレイに温められたお湯が冷えてきた途端に、
水がトレイの左半分に寄っていってしまう。
「なにコレ・・・ゼリー!?」
「どう、すごいでしょ!? 液体は一応水なの!」
「氷でもないのになんで!?」
「実はこれ、水に砂金を入れて分子操作してみたもの。
水の原子に金の原子を交互左右に電子配合して、
結合力で異なる比重でも動くように設定。
元の形が半分の大きさの塊を別トレイに入れて低温保存してたの。
そうしたら案の定こうなるわけ」
「すごーい」
カナの実験で水と砂金の形状変化をアピール。
流体と硬体を共有させて、かつ崩されにくい理想を創り出す。
もしこれが発展したら壊れた物が勝手に修復したり、
動物の傷まですごく早く完治できるという。
加工しやすく滑らかなフレームデザインの可能性を伝えた。
完成品もそうだけど、四国は工程の効率も考えて
出来上がるまでの過程を省き、少ない資源で造る。
それをカナが発見しただけでもスゴイけど、
トクシマの子達もあまり深く理解しきれていないだろう。
書類にはこの子の丸文字であたしにはすぐに分かったけど。
ただお座りしながら感心するだけ。
「流体力学の進化を感じるわ」
「形状記憶合金は金とカドミウムでできてるけど、
マルテンサイト相の方は特に変形しやすい性質で、
液状化できるレベルにまで変形できる実験に成功したの。
励起後でも同様の効果が現れるって分かった」
「液体金属なんて物も造れるのか。
そういえば、液体って張り付くような・・・」
「そもそも液体には表面張力があるけど、
粘り気ともまた違う性質があるのよ。
光電子と液体の配合は未知なる原理で新たな装備も造れるはずよ」
「す、すげえ!」
何というか、水をまとっている様な感じだ。
あんまりよく分からないけど、とにかくスゴイのだろう。
この調子でカナが自慢げに説明をしていく。
そして講座は終わり、司令官訓示後に一同は解散した。
次はカナに整備の手伝いを頼まれた時の事。
あたしが操縦している戦闘機、S-001についても話しあった。
細かい内容をこっちにもってきたから語る。
「え、まだ他にあるの?」
「モノは相談なんだけど、S-001の規格も見直ししたいの。
四国の兵装もそろそろ次の世代へステップしようと」
「え、また機能を変えるの!?」
「エンジン部を反重力にしたいの・・・良いかな?」
なんと、カナは反重力エンジンをS-001の動力源に変更すると言う。
中つ国の技術を取り入れて取り替えたいらしい。
今までのエンジンはこうのうしゅくばいおえたのーるとかいう燃料に、
電磁エネルギーで推進させて、翼の揚力でアゲアゲに飛んでいる。
植物の油を動力にできるくらい、お野菜パワーで動く事ですらスゴイのに。
空を飛ぶ機械なんて他の地方でもあるけど、
技術をどうしたらそんな風に変えられるのか文明の高低さが浮きそうになる。
飛行中にも度々見てきたが、音もなく悠々と飛び回るそれは
世代のギャップは確かにゆるゆる感じ取ってきた。
「こりゃまたオリジナリティで、お姉さんオドロキ。
旋回性能ももっと速くなるから判断力ももっと必要になるよね。
こっちでホントに使いこなせるかな?」
「正直、機動力はこっちが負けてると思う。
初速度はジェット推進でこっちが有利だけど、後の位置取りは
空中で変化させやすい向こうの方が有利だから」
「模倣で追いつくのも手段だしね、モホホ。
これにしろって司令の人が言ったの?」
「そうだけど、私も航空機の方に力を入れたいし。
中つ国も目を見張るくらいすごく技術力あると思う。
空域展開をもっと大きくした方が良いよ」
「CNとしてはパイロットを増やしたいもんね。
ところで、エンジンの分解はまだできないの?」
「お・て・あ・げ、A.D90年製ドリルでも無傷。
あんな物、誰が造ったのか想像もつかない」
こちらは悪い方のアゲの模様。
実は旧来のエンジンは中身が確認できず、
司令官達ですら何エンジンなのかは不明。
誰にも解析できない物をよく扱えると不思議に思うところだけど、
どういう訳かあたしにとって今のエンジンはよく馴染む気がする。
操縦している最中はどこか先立つ感じがしてスムーズに手が進み、
ミスも少なく促されるように動かせるから今までやってこれたのだろう。
そこから手足をまるごと交換されるみたいな感じがして気が進まない。
司令官は強制施工する意思はないらしく、
カナには突然の仕様変更はやりづらいとだけ言っておく。
「う~ん、もうちょっと考えさせて。イキナリ変えられると墜落しそうで。
お姉さん、追いつくのも大変だし」
「20なのに、何おばさんみたいな事言ってんのよ。
推進部がちょっと変わるだけでハンドル部はそのままで良いじゃない?」
「い、いや、それでも規格が変わりすぎてもアレで、カンベンしてよぉ~」
「そ、そう・・・分かった」
少し無念そうに返事をする。
まだ司令承認も通ってないから、そのまま企画送りとさせた。
たった1人のワガママで進展を抑えるなんてCNとしてはどうかと思う。
でも、筆頭的に扱われるあたしにだって限界がある。
誰にも言えない事情はまだ、この小さな胸の中に閉まっていたから。
(長生きすればするほど、情報はいくらでも入ってくる)
あの大交戦から50年、運良く生き延びてこれたものの、
色々なものを失っても、まだ生き続けて学ばなければならない。
というより、目を開けて歩いて動けば情報は入ってくるのが人生。
繰り返す日々の間でなんだか少しずつポロポロと落ちてゆく感じがする。
それもそのはず。
60代に着いた“私”はこんな姿でも新時代の中身に
老化していないだろう頭ですら取り入れに一苦労するのだから。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
鋼殻牙龍ドラグリヲ
南蛮蜥蜴
ファンタジー
歪なる怪物「害獣」の侵攻によって緩やかに滅びゆく世界にて、「アーマメントビースト」と呼ばれる兵器を操り、相棒のアンドロイド「カルマ」と共に戦いに明け暮れる主人公「真継雪兎」
ある日、彼はとある任務中に害獣に寄生され、身体を根本から造り替えられてしまう。 乗っ取られる危険を意識しつつも生きることを選んだ雪兎だったが、それが苦難の道のりの始まりだった。
次々と出現する凶悪な害獣達相手に、無双の機械龍「ドラグリヲ」が咆哮と共に牙を剥く。
延々と繰り返される殺戮と喪失の果てに、勇敢で臆病な青年を待ち受けるのは絶対的な破滅か、それともささやかな希望か。
※小説になろう、カクヨム、ノベプラでも掲載中です。
※挿絵は雨川真優(アメカワマユ)様@zgmf_x11dより頂きました。利用許可済です。
❤️レムールアーナ人の遺産❤️
apusuking
SF
アランは、神代記の伝説〈宇宙が誕生してから40億年後に始めての知性体が誕生し、更に20億年の時を経てから知性体は宇宙に進出を始める。
神々の申し子で有るレムルアーナ人は、数億年を掛けて宇宙の至る所にレムルアーナ人の文明を築き上げて宇宙は人々で溢れ平和で共存共栄で発展を続ける。
時を経てレムルアーナ文明は予知せぬ謎の種族の襲来を受け、宇宙を二分する戦いとなる。戦争終焉頃にはレムルアーナ人は誕生星系を除いて衰退し滅亡するが、レムルアーナ人は後世の為に科学的資産と数々の奇跡的な遺産を残した。
レムールアーナ人に代わり3大種族が台頭して、やがてレムルアーナ人は伝説となり宇宙に蔓延する。
宇宙の彼方の隠蔽された星系に、レムルアーナ文明の輝かしい遺産が眠る。其の遺産を手にした者は宇宙を征するで有ろ。但し、辿り付くには3つの鍵と7つの試練を乗り越えねばならない。
3つの鍵は心の中に眠り、開けるには心の目を開いて真実を見よ。心の鍵は3つ有り、3つの鍵を開けて真実の鍵が開く〉を知り、其の神代記時代のレムールアーナ人が残した遺産を残した場所が暗示されていると悟るが、闇の勢力の陰謀に巻き込まれゴーストリアンが破壊さ
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
美少女アンドロイドが空から落ちてきたので家族になりました。
きのせ
SF
通学の途中で、空から落ちて来た美少女。彼女は、宇宙人に作られたアンドロイドだった。そんな彼女と一つ屋根の下で暮らすことになったから、さあ大変。様々な事件に巻き込まれていく事に。最悪のアンドロイド・バトルが開幕する
魔術師のロボット~最凶と呼ばれたパイロットによる世界変革記~
MS
SF
これは戦争に巻き込まれた少年が世界を変えるために戦う物語。
戦歴2234年、人型ロボット兵器キャスター、それは魔術師と呼ばれる一部の人しか扱えない兵器であった。
そのパイロットになるためアルバート・デグレアは軍の幼年学校に通っていて卒業まであと少しの時だった。
親友が起こしたキャスター強奪事件。
そして大きく変化する時代に巻き込まれていく。
それぞれの正義がぶつかり合うなかで徐々にその才能を開花させていき次々と大きな戦果を挙げていくが……。
新たな歴史が始まる。
************************************************
小説家になろう様、カクヨム様でも連載しております。
投降は当分の間毎日22時ごろを予定しています。
INNER NAUTS(インナーノーツ) 〜精神と異界の航海者〜
SunYoh
SF
ーー22世紀半ばーー
魂の源とされる精神世界「インナースペース」……その次元から無尽蔵のエネルギーを得ることを可能にした代償に、さまざまな災害や心身への未知の脅威が発生していた。
「インナーノーツ」は、時空を超越する船<アマテラス>を駆り、脅威の解消に「インナースペース」へ挑む。
<第一章 「誘い」>
粗筋
余剰次元活動艇<アマテラス>の最終試験となった有人起動試験は、原因不明のトラブルに見舞われ、中断を余儀なくされたが、同じ頃、「インナーノーツ」が所属する研究機関で保護していた少女「亜夢」にもまた異変が起こっていた……5年もの間、眠り続けていた彼女の深層無意識の中で何かが目覚めようとしている。
「インナースペース」のエネルギーを解放する特異な能力を秘めた亜夢の目覚めは、即ち、「インナースペース」のみならず、物質世界である「現象界(この世)」にも甚大な被害をもたらす可能性がある。
ーー亜夢が目覚める前に、この脅威を解消するーー
「インナーノーツ」は、この使命を胸に<アマテラス>を駆り、未知なる世界「インナースペース」へと旅立つ!
そこで彼らを待ち受けていたものとは……
※この物語はフィクションです。実際の国や団体などとは関係ありません。
※SFジャンルですが殆ど空想科学です。
※セルフレイティングに関して、若干抵触する可能性がある表現が含まれます。
※「小説家になろう」、「ノベルアップ+」でも連載中
※スピリチュアル系の内容を含みますが、特定の宗教団体等とは一切関係無く、布教、勧誘等を目的とした作品ではありません。
幻想遊撃隊ブレイド・ダンサーズ
黒陽 光
SF
その日、1973年のある日。空から降りてきたのは神の祝福などではなく、終わりのない戦いをもたらす招かれざる来訪者だった。
現れた地球外の不明生命体、"幻魔"と名付けられた異形の怪異たちは地球上の六ヶ所へ巣を落着させ、幻基巣と呼ばれるそこから無尽蔵に湧き出て地球人類に対しての侵略行動を開始した。コミュニケーションを取ることすら叶わぬ異形を相手に、人類は嘗てない絶滅戦争へと否応なく突入していくこととなる。
そんな中、人類は全高8mの人型機動兵器、T.A.M.S(タムス)の開発に成功。遂に人類は幻魔と対等に渡り合えるようにはなったものの、しかし戦いは膠着状態に陥り。四十年あまりの長きに渡り続く戦いは、しかし未だにその終わりが見えないでいた。
――――これは、絶望に抗う少年少女たちの物語。多くの犠牲を払い、それでも生きて。いなくなってしまった愛しい者たちの遺した想いを道標とし、抗い続ける少年少女たちの物語だ。
表紙は頂き物です、ありがとうございます。
※カクヨムさんでも重複掲載始めました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる