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1章 ホッカイドウ編
第4話 白い悪魔
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ホッカイドウCN拠点 演習場
今日のAクラスは皆休暇にあった。
しかし、ガブリエルは相変わらず軍事作業を怠らずに熱心。
B~Dチームの面倒も見なくてはならないから息つく暇もそこそこ。
いつも側近として見ているヨハンは娘の様子を伺ってみた。
「隊長、お嬢の容態は?」
「ぐっすり眠っている、大丈夫だ」
エリザベートは訓練後、自室で安眠中だ。
ぐっすりと眠って体調の回復を待つばかり。
ヨハンは彼女ばかりそんな無茶をさせるのを気にかけていたが、
隊長は大丈夫と進めるばかりだ。
「なんとしても、我々はお嬢を守り切って見せますよ。
ところで、司令とどこかへ向かわれるそうですね?」
「ああ、ライオットギアを新たに2機製造したから、
視察かつ点検せよとの事だ」
ここホッカイドウCNにもわずかながら戦闘型を製造していた。
設計者はレイチェル司令で彼女は元偵察兵だけでなく、
工作兵も務めていたらしい。今まで中型、大型の機体を造ってこなかった
理由は材料の都合もあるが、東北が次々と同盟、連結を始めたらしく
白兵戦だけでは抑えられない判断をしたという。
「ですが、これからやるにしても大丈夫ですかね?
天候が気になるのですが」
「今の環境が良好な内にできる訓練はこなしておくようにする。
そのための食料のリソースもきちんと保管してあるから抜かりはない」
「これからの季節も厳しくなりそうですね。
幸い、ここの食料自給率は安定しているので厠にいても凌げます。
餓死はそうそう起こりませんし」
「それらを略奪しに来る敵性も、気象情報くらい理解できているはずだ。
この時期に来るなど自傷行為と変わらんからな。
予想通り、各駐屯地の斥候からも未だ敵影反応はない。
司令が来たら、すぐ試験運用を行うつもりだ」
ヨハンはかるくうなずく。
環境が穏やかな時期に行うのが、最善の方法だ。
自然の世界にそう太刀打ちできない。
ライオットギアといえど、吹雪の中で移動するのは困難である。
当然、余裕のあるときくらいしか、そんな訓練はできない。
レイチェル司令がやって来た。
「ガブリエル隊長、そろそろ行きましょう」
「はい、すぐに向かいます。ヨハン、後は頼んだ」
「了解です」
ガブリエルが後は任せたと一声指示を出してこの場を離れる。
そして、隊長は司令と共に宵丘に向かった。
拠点訓練所
バスッ ドスッ
ミロンはヘルマンに付き添って、無表情に訓練を眺めていた。
ヘルマンはミット打ちをしている。
彼はホッカイドウ随一のハードパンチャーでもあり、
ホッカイドウ兵らしくないものをモットーとしているのだ。
対して小柄なミロンは、そんな彼に言い出した。
「ヘルマンって、遠距離専門な偵察兵ばかりの中、
よくうまくやっていけてるよね?」
「どういう意味だよ?」
「見たままの意味だよ。
パンチじゃ、遠くにいる敵には当てられないのに、
君は欠かさずにそれを練習しているからさ」
ドスッ バスッ
「まあ、Aクラスにも1人くらい近接派がいても良いだろ。
狙撃じゃ、どうあがいてもお嬢には勝てねえし、
だったらみんなの側にいて守ってやった方が俺の性分に合ってるかもな」
「それが理由だったの?」
「うぐっ、自分で言ってて恥ずかしいわな。
もし“敵が懐に潜り込んできた”ら?
そこまで言えば、分かるだろ」
「アハハ、納得」
彼の持論にミロンは笑ってうなづいた。
恥じらいながらも語る氷の拳の異名をもつヘルマン流の哲学は、
同胞達の窮地を救う示しを小柄な若者に大きく示す。
ただ、こんな自論を若者に言わせる世界が皮肉な事だけが
頭のもつれを感じさせる。
(大変な事が起こらなければ良いけど)
当然、外はこんな平和な状況ではなく常に火が上がっている。
1つの物事ばかり意識し過ぎても、また常に裏返されるのが現実。
何が正解なんて分からない。
この世にはカタマリがたくさんあって、いつか必ず目の前に現れるから。
「モ~~ッ」
牛が歩いている、ここでは哺乳類の殺傷、捕獲が禁じられている。
ふと空を見上げると小さな白金の円盤がかすかに観えた。
理由は当然、そこにある存在によるルールだからだ。
ホッカイドウは各月の15日に天主殻が真上の位置にやってくる。
同じ哺乳類どうしの人だけは摂理に反した事ばかり。
皮肉の元を解決する道を見つけるのは至難の業だ。
敵性を生み出させるそれを止められる者などいないのだから。
宵丘駐屯地
ガブリエルとレイチェルは駐屯地に着いた。
司令が格納庫の開放する。その中にはライオットギアがあった。
機体は白く、脚部にはブレードと言うべき鋭利なプロペラが
装着されている。さらに同じ物が10機格納されていた。
「以前お伝えした通り、2機のみ機動できるようになりました」
「足場の悪い、ここホッカイドウの地形を有効に移動する
浮遊ビークルが不可欠なのは同様ですね」
「ライオットギアも同じく移動活用を考慮して
軽量化を図るために、重量は他CNのものよりも軽く設計しています」
「空中戦に特化したタイプなのは、自分も理解しておりました。
その仕様の1つがまた特徴的で・・・」
ガブリエルの視線はローターの方に向いていた。
脚部のプロペラはそれぞれ4つの脚部3重ずつセットになっている。
これらは最初の部分以外は外れて外に飛び出す仕組みになっていた。
さらに、それは縦長に変形するのも可能で、滑り降りる“ソリ”の
役割もあるのだ。
「しかし、プロペラを兵器として利用するという仕組みは驚きです。
あなたの発想力に驚くばかりですよ」
「限られた資源の中で限られた方法を用いただけです。
敵性にとって、私達が遠距離に特化しているというのは
すでに周知のはずで、迂回に気を取らせる必要も考えてきました」
「確かに」
「人は前方に注視すると、当然横と背後に隙が生じます。
ローターの軌道を任意の方角へ迂回し、視界を逸らす
敵に接する事で攪乱させる戦法ですね」
司令が辺りの景色を見回す。
いたる場所に細長い先の上にプロペラが取り付けられて回転している。
ここホッカイドウの発電は大まか風力発電を利用していて、
山頂付近に設置されたプロペラを回し、タービンで発電させる。
新型もあくまで既存の技術や部品から用いただけに過ぎない。
「文明というものは知識のみでなく、物の性質も十分な思慮が必要です。
やたらと理解せずに加工すると大きな痛手をこうむります。
資源の活用・・・それも人々にとって大切な役目」
「ええ」
「ホッカイドウの風力発電の応用がそこに活かされる。
そして、自然の力も利用する事で調和を保ちつつ人の体内へ
取り込んでいくもの、何事も工夫次第ですわね」
部品を生活と兵器を無駄なく利用する。
環境に適したホッカイドウの良点は偵察兵のみではなく、
異なる力がそこにもあったのだ。
司令の卓越した応用力がこのCNの支えとなっている。
「では、自分が操縦して試してみます。製造の計画書通りの方法ですね?」
「はい、生産管理はこのまま続けていく予定です。
いずれ、彼女にもこれに乗っていただきましょう」
「あいつに乗りこなせる技量があるのか、楽しみです。
銃を降ろす時は外交官などを任せるのも良いかもしれません」
「そうですね」
こうして、白き大地に新たな機体が生み出される。
人知は前触れも見えないところより形を成すもの。
彼女は頂上から地上を眺めて見ている。
山の風車は緩やかに穏やかに回り続けていた。
今日のAクラスは皆休暇にあった。
しかし、ガブリエルは相変わらず軍事作業を怠らずに熱心。
B~Dチームの面倒も見なくてはならないから息つく暇もそこそこ。
いつも側近として見ているヨハンは娘の様子を伺ってみた。
「隊長、お嬢の容態は?」
「ぐっすり眠っている、大丈夫だ」
エリザベートは訓練後、自室で安眠中だ。
ぐっすりと眠って体調の回復を待つばかり。
ヨハンは彼女ばかりそんな無茶をさせるのを気にかけていたが、
隊長は大丈夫と進めるばかりだ。
「なんとしても、我々はお嬢を守り切って見せますよ。
ところで、司令とどこかへ向かわれるそうですね?」
「ああ、ライオットギアを新たに2機製造したから、
視察かつ点検せよとの事だ」
ここホッカイドウCNにもわずかながら戦闘型を製造していた。
設計者はレイチェル司令で彼女は元偵察兵だけでなく、
工作兵も務めていたらしい。今まで中型、大型の機体を造ってこなかった
理由は材料の都合もあるが、東北が次々と同盟、連結を始めたらしく
白兵戦だけでは抑えられない判断をしたという。
「ですが、これからやるにしても大丈夫ですかね?
天候が気になるのですが」
「今の環境が良好な内にできる訓練はこなしておくようにする。
そのための食料のリソースもきちんと保管してあるから抜かりはない」
「これからの季節も厳しくなりそうですね。
幸い、ここの食料自給率は安定しているので厠にいても凌げます。
餓死はそうそう起こりませんし」
「それらを略奪しに来る敵性も、気象情報くらい理解できているはずだ。
この時期に来るなど自傷行為と変わらんからな。
予想通り、各駐屯地の斥候からも未だ敵影反応はない。
司令が来たら、すぐ試験運用を行うつもりだ」
ヨハンはかるくうなずく。
環境が穏やかな時期に行うのが、最善の方法だ。
自然の世界にそう太刀打ちできない。
ライオットギアといえど、吹雪の中で移動するのは困難である。
当然、余裕のあるときくらいしか、そんな訓練はできない。
レイチェル司令がやって来た。
「ガブリエル隊長、そろそろ行きましょう」
「はい、すぐに向かいます。ヨハン、後は頼んだ」
「了解です」
ガブリエルが後は任せたと一声指示を出してこの場を離れる。
そして、隊長は司令と共に宵丘に向かった。
拠点訓練所
バスッ ドスッ
ミロンはヘルマンに付き添って、無表情に訓練を眺めていた。
ヘルマンはミット打ちをしている。
彼はホッカイドウ随一のハードパンチャーでもあり、
ホッカイドウ兵らしくないものをモットーとしているのだ。
対して小柄なミロンは、そんな彼に言い出した。
「ヘルマンって、遠距離専門な偵察兵ばかりの中、
よくうまくやっていけてるよね?」
「どういう意味だよ?」
「見たままの意味だよ。
パンチじゃ、遠くにいる敵には当てられないのに、
君は欠かさずにそれを練習しているからさ」
ドスッ バスッ
「まあ、Aクラスにも1人くらい近接派がいても良いだろ。
狙撃じゃ、どうあがいてもお嬢には勝てねえし、
だったらみんなの側にいて守ってやった方が俺の性分に合ってるかもな」
「それが理由だったの?」
「うぐっ、自分で言ってて恥ずかしいわな。
もし“敵が懐に潜り込んできた”ら?
そこまで言えば、分かるだろ」
「アハハ、納得」
彼の持論にミロンは笑ってうなづいた。
恥じらいながらも語る氷の拳の異名をもつヘルマン流の哲学は、
同胞達の窮地を救う示しを小柄な若者に大きく示す。
ただ、こんな自論を若者に言わせる世界が皮肉な事だけが
頭のもつれを感じさせる。
(大変な事が起こらなければ良いけど)
当然、外はこんな平和な状況ではなく常に火が上がっている。
1つの物事ばかり意識し過ぎても、また常に裏返されるのが現実。
何が正解なんて分からない。
この世にはカタマリがたくさんあって、いつか必ず目の前に現れるから。
「モ~~ッ」
牛が歩いている、ここでは哺乳類の殺傷、捕獲が禁じられている。
ふと空を見上げると小さな白金の円盤がかすかに観えた。
理由は当然、そこにある存在によるルールだからだ。
ホッカイドウは各月の15日に天主殻が真上の位置にやってくる。
同じ哺乳類どうしの人だけは摂理に反した事ばかり。
皮肉の元を解決する道を見つけるのは至難の業だ。
敵性を生み出させるそれを止められる者などいないのだから。
宵丘駐屯地
ガブリエルとレイチェルは駐屯地に着いた。
司令が格納庫の開放する。その中にはライオットギアがあった。
機体は白く、脚部にはブレードと言うべき鋭利なプロペラが
装着されている。さらに同じ物が10機格納されていた。
「以前お伝えした通り、2機のみ機動できるようになりました」
「足場の悪い、ここホッカイドウの地形を有効に移動する
浮遊ビークルが不可欠なのは同様ですね」
「ライオットギアも同じく移動活用を考慮して
軽量化を図るために、重量は他CNのものよりも軽く設計しています」
「空中戦に特化したタイプなのは、自分も理解しておりました。
その仕様の1つがまた特徴的で・・・」
ガブリエルの視線はローターの方に向いていた。
脚部のプロペラはそれぞれ4つの脚部3重ずつセットになっている。
これらは最初の部分以外は外れて外に飛び出す仕組みになっていた。
さらに、それは縦長に変形するのも可能で、滑り降りる“ソリ”の
役割もあるのだ。
「しかし、プロペラを兵器として利用するという仕組みは驚きです。
あなたの発想力に驚くばかりですよ」
「限られた資源の中で限られた方法を用いただけです。
敵性にとって、私達が遠距離に特化しているというのは
すでに周知のはずで、迂回に気を取らせる必要も考えてきました」
「確かに」
「人は前方に注視すると、当然横と背後に隙が生じます。
ローターの軌道を任意の方角へ迂回し、視界を逸らす
敵に接する事で攪乱させる戦法ですね」
司令が辺りの景色を見回す。
いたる場所に細長い先の上にプロペラが取り付けられて回転している。
ここホッカイドウの発電は大まか風力発電を利用していて、
山頂付近に設置されたプロペラを回し、タービンで発電させる。
新型もあくまで既存の技術や部品から用いただけに過ぎない。
「文明というものは知識のみでなく、物の性質も十分な思慮が必要です。
やたらと理解せずに加工すると大きな痛手をこうむります。
資源の活用・・・それも人々にとって大切な役目」
「ええ」
「ホッカイドウの風力発電の応用がそこに活かされる。
そして、自然の力も利用する事で調和を保ちつつ人の体内へ
取り込んでいくもの、何事も工夫次第ですわね」
部品を生活と兵器を無駄なく利用する。
環境に適したホッカイドウの良点は偵察兵のみではなく、
異なる力がそこにもあったのだ。
司令の卓越した応用力がこのCNの支えとなっている。
「では、自分が操縦して試してみます。製造の計画書通りの方法ですね?」
「はい、生産管理はこのまま続けていく予定です。
いずれ、彼女にもこれに乗っていただきましょう」
「あいつに乗りこなせる技量があるのか、楽しみです。
銃を降ろす時は外交官などを任せるのも良いかもしれません」
「そうですね」
こうして、白き大地に新たな機体が生み出される。
人知は前触れも見えないところより形を成すもの。
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