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その27

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玄関のドアが開く音がして、千歳は慌てて下着達を仕舞った。
こっそり下を伺うと、ふわふわのロングワンピースに短めの薄手コートを羽織ったさえちゃん先生がリビングに入ってきたところだった。
ー可愛すぎる…どうしよう…
恋心を自覚してからというもの、ときめきと動悸が止まらない。凛とした美しさにため息を吐き、抱きしめたくなる可愛さにキュンキュンしている。
女の子だとか、男の人じゃないとか、もうどうでもいい。
さえちゃん先生という存在が、千歳の心を惹きつけるのだ。
美月には、そんなこと出来ないと言った割に、今すぐ後ろから飛びつきたい衝動に駆られた。
ー飛びついてもいいかな、女の子同士だし挨拶みたいなものだよね。
トントントンと階段を降り、音に反応したさえちゃん先生の背中にガバッと抱きついた。
「おかえりなさい、さえちゃん先生。」
「びっくりした…ただいま。」
「えへへー!」
腕の中に収まっている胴が薄くて細くて、心配になる。
「さえちゃん先生って、私より背が高いのに細いですよね。あんなにたくさんご飯も食べてるのに。」
「んー、鍛錬してるから。」
「あ、強いって言ってましたもんね。」
しかし、大体家にいるのにどうやって練習しているのだろうか。
「コート脱ぐから離して。」
「えー、やです!」
「…コート脱ぎたいし、手も洗いたい。」
少しだけ困ったように眉が下がる。
その変化を見られただけでも嬉しい。
「終わったら抱きつきますね。」
「…仕事したいんだけど。」
仕事の邪魔をするのは本意ではないし、嫌われたくない。
「分かりましたあ。」
シュンとして離れると、さえちゃん先生はさっさとコートを脱いで手を洗いに行ってしまった。
「残念!しかし、夜がある!」
こんなに積極的になれる自分に驚きつつ、千歳の頬は緩んでいた。


由美子が準備しておいた夕食を食べ終え、千歳は風呂に入った。
もしかしたら、もしかしてがあるかもしれない。
体を隅々まで洗い、ボディクリームを塗り、髪もツヤツヤに仕上げて、歯を磨き、準備万端である。
今日買った下着は、スポブラタイプでありながら胸の真ん中がハート型に空き、上下にひらひらのギャザーが寄っており、小さなリボンのついた大変キュートなデザインだ。ショーツもお揃いになっている。
「可愛いって喜んでくれたら良いな。」
ド緊張しながら、さえちゃん先生の部屋のドアをノックした。
「どーぞ。」
「お邪魔しまーす。」
ガチャリとドアを開けると、デスクに向かっているさえちゃん先生と目が合った。
その直後、凛とした瞳が驚きに見開く。
「な、なんて格好してるの!?」
「昨日、約束したじゃないですか。」
「だからって、そんな、下着姿で!」
「いちいち脱ぐの大変ですし。」
おっぱい好きのさえちゃん先生が、ビジュアルで食いついてくれれば良いという作戦だ。
案の定、視線を彷徨わせているさえちゃん先生がいる。
「もう秋なんだから、風邪をひく!」
「マッサージしてたら、あったかくなりますよ。ね?」
「うっ…ううう…」
もしかして、やっぱり育乳に乗り気じゃなくなったんだろうか。
千歳は不安を払拭するように、さえちゃん先生の膝の上にそっと座った。
「わっ!千歳!?」
「おっぱい、もっと大きい方が良いって、さえちゃん先生が言いましたよね?」
眼前に迫るおっぱいに、さえちゃん先生の喉が鳴った。
「大きくしてくれたら、私のおっぱいは、さえちゃん先生にあげます。」
「へ?」
「いつでも好きな時に触って良いです。さえちゃん先生なら、オッケーです。」
「は?」
千歳はさえちゃん先生の手を取り、自分のおっぱいの下に当てた。
「大きくしてくれますよね?」
「…は、はい。」
さえちゃん先生の頬は、赤く色づいていた。


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