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第35話
しおりを挟む次から次へと、ビールと肉を食べさせて先輩を潰すことに成功した志信が、自分のペースでビールを飲み出す頃、四葉はやっと腹が満たされた。
「ねえ、東雲さあん。さっき言ったこと本気らからさ、考えてよお。」
ヘロヘロと真っ赤になって呂律が回っていない。
「何のことでしたっけ。」
笑んで素知らぬ振りをすれば、大概の人間は引き際をわきまえるが、酔っ払いには通じない。
「俺と付き合ってよお。」
「今は一人がいいので、申し訳ないんですけど。」
「一人で寂しい夜とかあるれしょ。」
「ないです。」
口元が引きつりそうになるのを、ウーロン茶を飲んで誤魔化す。
「先輩、それ続けてると東雲に嫌われますよ。」
「ええー?!ダメー?!こんなに必死にアプローチしてもー?!」
「確実に嫌われますね。」
「郷田は初めから嫌われてるから、そういうこと言えるんだろお。いつもケンカしてるしよお。」
四葉は今日イチで腹が立った。
「先輩よりは好きですよ。」
「えーっ?!そんな酷いこと言わないでよおー!東雲ちゃあん!」
「好き好きー」
「うわあ、ひどいー!」
「だーいすきー。」
ひとしきり言ってスッキリすると、撃沈した先輩はフラフラしながらどこかへ行ってしまい、後には手のひらで顔を覆う志信が残った。
「どうしたの?」
「…いや、何でもない。」
隠しきれていない耳が、真っ赤に染まっている。
ー全然、何でもなくないじゃん。
四葉もつられて熱くなった。
いくらムカつく先輩をやり込めるにしても、本人を目の前に大好きはないだろう。
「言葉の綾だから。」
「分かってる、気にしてない。」
絶対に嘘だ。
だが、なんだか気分が良い。
「嬉しかったの?」
「別に。」
手を外してビールを煽り、視線をずらす。
赤味が引かない志信を、今めちゃくちゃになるまで抱き潰したいと思った。
「ねえ、抜け出そうよ。」
「は?」
「今、郷田の泣いて悦ぶとこ見たい。」
「バカじゃねえの。」
目元まで真っ赤にして、満更でもなさそうな志信が可愛く見えた。
「しのぶちゃーん!ここ、弱いでちゅよねえ?」
四つん這いにさせた志信のアナルに、四葉の陰茎がズッポリと埋まっている。熱くて柔らかいそこは、体を繋ぐたびに具合が良くなっていた。
熱い息を吐き苦しそうに喘ぐ姿は、いくらでも陰茎を固くさせる。
腰を掴んで深く突き刺さるように腰を打ち付けると、中で溜まったローションが音を立てて漏れ出た。
「しのぶちゃんの、えっちなお尻まんこがヨダレ垂らしてまちゅよ。可愛いねえ、気持ちいいねえ。」
「う、るせえ…黙って腰振れ。」
「あー、いいのかなあ、そういうこと言って。私が本気出して腰振ったら、しのぶちゃんすぐいっちゃうよ?」
焦らすようにゆっくり抜き差しすれば、快感で志信の背が反る。
「早くいけ。」
「じゃ、要望にお応えして。」
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