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第24話

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伸縮性のあるスポブラは、見た目は小さかったけれど着けると快適だった。
どうせもう成長することもないから、今後はスポブラでもいいかもしれない。
それにこれ…紅子さんのお胸を覆っていたやつ…
「はうぅ…なんてこった…紅子さんの使用済み下着…」
熱が出そう。
何でこんなことになってるんだろうって考えるのは簡単だけど、それよりも紅子さんが楽しそうに笑っている姿を拝見している方が、私は幸せだ。
「これも紅子さんの私服だよね…」
ドキドキするけど、きっとこれを着たら喜んでくれるのだろうな。
口元が緩んでしまうのを止められず、いそいそと服を脱いだ。

「紅子さーん、終わりました。」
ドアを開けて顔だけ覗くと、既に服を着た紅子さんが立っていた。
「っ?!かっこいい…」
Vネックの白いTシャツに、ウルトラマリンブルーに赤い魚の模様のアロハを羽織り、太めのケミカルデニムの裾を上げて履いていた。
「あらそう?ありがとう。」
紅子さんは、黒いゴムで長い髪を低い位置で団子にまとめている。適当な感じでしばっているのに、無造作オシャレに見えるから、紅子さんは美の女神に愛されているのだ。
「紅子さん、そういうカジュアルな感じのお洋服もお召しになるんですね。」
「んふふ、何でも着るわよー!」
女装をしていない紅子さんは、シュッとしていて男性らしい。本当に男の人なんだな、と改めて思う。
いや、さっきまで裸体を見ていたくせに何を言ってるんだという感じだけど。
「さ、聖ちゃんも見せて!」
「はい…」
ドアを開けて全身を見せる。
「やだー!すごく可愛いわー!!」
黒地にルアー柄のポロシャツ、カーキの膝丈ショートパンツを赤いサスペンダーで吊っている。ショートパンツは思ったよりも大きくて、ウエストに隙間が空いていた。
「美少年に見えるわあ!」
キャッキャと喜ぶ紅子さんを見て、この顔で産んでくれた母に感謝した。
「じゃ、ちょっとメイクしちゃいましょ。」
洗面台に連れて行かれ、洗顔とスキンケアをすると、素早くベースを作られた。
「うん、こんなものかしら。聖ちゃんは元が良いから、ガッツリ作らなくても見栄えするのよね。」
「普段もあまりしないです。」
「派手にしたかったら、いつでもやってあげるわよ!」
「ありがとうございます…」
鏡の中の自分は肌が整っていて、健康優良少年という感じだった。
「準備もできたし、出掛けましょうか!」
「え?」
紅子さんはそこそこの大きさのリュックを背負い、靴箱からサンダルを取り出した。
「聖ちゃんはこれね。」
「く、靴もですか?」
「もちろん!トータルコーディネートだもの。」
急かされるままサンダルを履き、紅子さんの家を出た。



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