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最終話-3
しおりを挟むテーブルの上の料理は半分以上なくなり、大人たちは酒に飲まれ、女子高生二人は小学生女児と庭で花火をして遊んでおり、それを成人したばかりの双子の弟が見守っている。
「すごい、平和だ…」
めちゃくちゃ平和な一日だ。
「倫音さん、ちょっといい?」
「うん?」
リビングを後にし、日晴くんに連れられて自室へ入る。
「どうしたの…っ?!」
ドアを閉めた瞬間、ギュッと強く抱きしめられた。急に何が起きた?!
「消毒」
「え?」
「倫音さん自分から抱きつきに行ったでしょ」
「はて?」
身に覚えがなくて首を傾げていると、上を向かされてキスされた。
「…悠斗さんに抱きついてた」
あ、あれかー!!いつものこと過ぎて無意識だった。
「ごめん?」
「……いや、俺もごめん。アメリカだったらあれくらい普通のことなんだけど、倫音さんのことになると違うみたい」
「可愛いな」
「可愛くはない」
いや可愛いでしょ。なにそれ、嫉妬じゃん。
「可愛すぎてドキドキするから、もう一回抱きついて来ようかな」
「……」
「オーケー、もうしないから!」
無言が怖い。
「倫音さんが、アイドルとして悠斗さんのこと好きなのも、お世話になってるお兄さんとして好きなのも分かってるんだけど」
口を尖らせて言い訳する日晴くん、超絶可愛いです!
「ふふふ、ゆうくんのことは今は本当に恋的な感じでは何とも思ってないよ!完全にいいお父さんだしね」
「確かにね、そうだよね」
日晴くんの腕の力が緩んで、体が離れる。
「もう終わり?」
「…これ以上くっついてると…よくないから」
「この部屋、実は鍵がかかるんだよね」
「煽らないで」
額に手を当ててそっぽを向くのが、困った時のクセなんだろうか。
「でも、私の部屋はちょっと無理かな」
なんせ、壁中からゆうくんの視線が刺す。
「そうだね…ちょっと…アレかな」
「ふふふ」
日晴くんの腕を引き、バランスを少し崩したところで、キスをした。
「倫音さん…本当煽らないで」
「へっへっへー!」
ニヤニヤが止まらない。
日晴くんは怒ったような顔をして、キツく私を抱きしめ、深いキスをする。柔らかな舌が私の中をまさぐって、トロトロに溶かされてしまう。
「ん…」
「可愛い、倫音さん」
早くやめないと、二人ともそういう気分になってしまう。だけど、止めたくない。
階下にはみんながいて、ダメだって分かってるのに、ずっとこうしていたい。
「ひ…ばりく…ん…」
私を抱きしめる力が強くなり、苦しくなる。
今、すっごく幸せ。
ずっとずっと、誰かを探していた気がするけど、それってきっと日晴くんだったんだな。ううん、絶対にそう。日晴くんが私を見つけてくれて、本当に良かった。
「好きだよ、倫音さん」
耳元で囁かれて、体がゾクゾクした。
「私も、大好き」
首に手を伸ばしてキツく抱きしめ返すと、日晴くんは嬉しそうに笑った。
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あまねさん
いつもありがとうございます!
全然遅くないです、いつでもナウです!嬉しいです!!
いや本当、めっっっっちゃ普通じゃないですか??あの二人、めっちゃ普通ですよね??これから開発されていくのかなー…いやずっとノーマルっぽい感じするなぁ…
多分、元要がど変態だと思います。まさおの顔だけでずっとまさおのこと好きだし…まさおの顔なら何でもいいらしいですからね。そうなんでしょう。
新作の構想一切ないのですがw
今後とも何卒よろしくお願いします!
綾さん
感想ありがとうございますー!!!!嬉しいです!!!!!
そうなんですよ、めっちゃ面倒っていうか拗らせてるっていうか…!
創造主の私も「いい加減はよ決めろや、この男はー!!!」と、日晴の生活を覗き見しながら書いてます。
まだしばらく続きますので、よろしくお願いします!!!!!
いやっ👀‼️面白い‼️もー‼️一気読みして夜更かししちゃいましたよー💦( ̄▽ ̄;)
続きよろしくお願いします🙇♀️⤵️
motokiさん
やったー!!!!!嬉しい!!!
面白くて夜更かししちゃうって、私の中では価値観が高いので、すごく嬉しいです!!!
ありがとうございます!!!!
まだまだ続きますので、是非最後までよろしくどうぞ!!!!!