【R18】性癖プロデュース〜えっちな美少年からどエロ美青年に成長した、彼と私の性癖産出日記〜

はこスミレ

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綾菜と瑞樹編

7-3みーちゃんの暗躍(過去)

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「そういうことでね、ひかちゃんの件は丸く収まりました。」
「良かったね。」
あんまり興味なさそうにお返事をするので、顔に不機嫌が出てしまった。
「あーにゃ、口が尖ってる。」
両頬を手で挟まれて、余計唇が突き出る。
「ブー!」
手を離し、声を出して笑うみーちゃん。そのまま髪を撫でられる。
「最近ずっと部活行ってて、帰り遅かったじゃん。」
「たった1週間くらいじゃん。」
「違うよ、その前から結構帰ってくるの遅かった。」
確かに、そう言われると火曜や木曜以外も部活に行っていた。
部室でひかちゃんとお話ししたり、物を作ったり。
「そうかも。」
「あーにゃがいないと、つまんないじゃん。」
ちょっと不貞腐れてベッドにもたれるみーちゃんが、年相応の男の子って感じで、可愛い。
「だからさ、サクッとまとまってくれて良かったよ。これ以上、あーにゃが捕まってるの嫌だったし。ひかりが単純で良かった。」
なんか、引っかかる。
ニマニマしているみーちゃんの顔を眺めた。
「みーちゃん、何かしたの?」
「ん?別に何も。委員長って、爽介のこと好きなのかな?って噂好きの女子に聞いただけ。」
何もしてませーん、って顔して笑ってる。
「元凶は、みーちゃんか!!」
委員長も被害者だったとは…。
「いいじゃん、丸く収まったんだから。勝手に騒いでるのは周りだけなんだし。」
「…ひかちゃんが幸せになったのは良かった。」
目を細めて柔らかく微笑むみーちゃんが、両腕を広げて来たので、私は近づいて肩に顔を乗せる。
むぎゅっと抱きしめられる。両腕に囲われて出られない、幸せな檻。
首筋を嗅いでみるけど、何にも匂わない。本当にみーちゃんは体臭がしない。シャンプーの香りだけ。

「あーにゃ…」
くすぐったくなるような甘いソプラノが、耳に響く。
「なに?」
「覚えてるかな。」
くすくす思い出し笑いをしている。
「なにが?」
「保育園の頃、あーにゃは俺のこと弟だと思っててさ。いっつも俺の面倒見てたんだよ。」
そうだった。
みーちゃんは常に私より小さくて、可愛くて、いつも1人だったから、お姉さんの私がみーちゃんを守らなくちゃって思ってた。
「うん、覚えてる。」
「年長の年かな?6歳くらい。あーにゃの家に泊まりに行った時。おばさんにダメって言われてたのに、あーにゃが隠れてジュースとお菓子を食べ過ぎて、しかもお漏らししたんだよ。」
「あー…うん。子どもだったからね。」
小さい頃だからもう恥ずかしくないけど、滅多に粗相をしない私が、約束を破った上に、ジュースの飲み過ぎでトイレに間に合わなかったのだ。
「あーにゃはめちゃくちゃ泣いててさ。まずこの状況をどうにかしなきゃって思って、とりあえず俺の着替えのパンツとズボンを履かせようと思って、泣いてるあーにゃのスカートとパンツを脱がせたんだ。」
「それは覚えてない。」
なんて大胆なみーちゃん。
「そしたらさ、あーにゃには、ちんこが付いてなくて、びっくりしたんだよね。」
「付いてないよ!っていうか、今更?お風呂も子ども用プールも一緒に入ってたのに、知らなかったの?」
「興味なかったから。」
みーちゃんて、そういう人だったわ。
「んで、おばさんに約束を破ったことを叱られてるあーにゃを見てさ。普段お姉さんぶってるけど、本当はポンコツなんだなぁって思った。」
「えー!そんな風に思ってたの!?」
ショック!みーちゃんと比べたら不出来だとは思うけど。
ムカついたので、みーちゃんの鎖骨に頭突きした。
「いてっ!暴力に訴えるのはやめろ。」
「みーちゃんのばーかばーか!」
鎖骨は地味に痛いんだぞ。
「続きがあるから、黙って聞け。」
頭をグッと押さえられて、動けなくなる。以外と力が強い。
「それからやたらとポンコツ具合が目に付いて、俺が側にいなきゃ、あーにゃは死ぬなって思ったんだよ。」
「そこまでひどくないよー!」
「その時の俺は、そう思ったの。で、母さんに、相手が勝手に死なないように側にいるにはどうしたらいいかって聞いたら。」
「聞いたら?」
頭を押さえていた手が優しく髪を撫でるから、見上げると同じくらい優しい目で私を見ていた。
「ボディーガードとして雇ってもらうか、結婚すればいいって。」
「えっ!」
指が髪をすいて、サラサラと落とす。
「その手があったか!と思ってさ。俺には大発見だった訳。」
「みーちゃんて、ちっちゃい頃から考え方が違うねー。」
ふふっと笑って、前髪をとかされる。
「んで、あーにゃのボディーガードになろうと思って。」
「ボディーガードの方!」
「うん、カッコいいじゃん。で、保護対象をよく観察してるうちに、女の子にしか見えなくなって、そのうち好きな子になって…」
おでこにチュッとキスをされた。ほっぺたが熱い。
「今は大切な彼女。」
「みーちゃん…」
私のこと、そんな風に思ってくれてたんだ。
みーちゃんの気持ちを聞けたことが嬉しくて、ふわふわしてる。
首筋に頬ずりして、耳にキスした。
「くすぐったいよ。」
「うふふ。みーちゃん大好き。」
「あーにゃは?教えてよ、知りたい。」
みーちゃんの手が背中から腰を、ゆるゆるとさする。気持ちよくて安心する。
「んー…あーにゃって呼ばれるようになってからかなぁ。」


小学生中学年の頃。
まだその頃は、普通より仲の良い幼なじみって感じだった。
実は、保育園時代からこの頃まで、瑞樹ちゃん、綾ちゃんと呼んでいた。
クラスのみんなも綾ちゃん、瑞樹くん呼びだった。
ある日、同じクラスの男の子が、私のことを綾菜と呼び捨てするようになった。
「どうして私のことを呼び捨てするの?」
嫌な訳じゃない。単純な疑問だった。
「みんな、綾ちゃんて呼ぶから。」
「ふうん。」
その時の私には意味が分からなかったけれど、みーちゃんは一瞬で理解したみたい。
2人で下校している最中、こんな会話になった。

「ねぇ、綾ちゃん。」
「なぁに、瑞樹ちゃん。」
「2人だけの名前の呼び方を決めない?」
「いいよー!秘密結社みたいでかっこいい!」
私はこの頃、スパイとか秘密結社とか暗号とか、そういうものに憧れていたから、みーちゃんの手にまんまと引っかかったのだ。
「じゃあ、みーちゃんね!」
「そのまんまだね。」
「呼びやすいよ!」
「じゃあ俺は…あーにゃにする。」
「なんで?」
みーちゃんがニコニコする。本当にこの頃は天使みたいに可愛くて、大きな目がキラキラしていた。
「綾菜、あーな、あーにゃ。」
「可愛い!にゃーにゃー!」
「俺以外に呼ばせたらダメだよ。」
「分かった。みーちゃんもね!」
「うん。」

そして、この時から2人の特別な呼び名になったのだ。
今思えば、あれはみーちゃんの牽制だったんだろう。
2人の呼び方が変わり、益々周りから公認の仲のように思われていった。
呼び方も、いつの間にか逆転していた面倒見の良さも、私だけだから嬉しかった。


「ふうん、そうなんだ。」
「うん。」
「じゃあ、あの時の俺は正しかったんだね。」
「んー?うん?」
みーちゃんの三白眼が半月のようになる。
「あの頃だけ、あーにゃがモテて、クラスの男がやたら話掛けて来ようとするから、大変だった。」
「えっ、そうだったの?知らなかった。」
「ふふふ、ボディーガードだしね。」
まだボディーガード期だったのね。
「えー、ありがとう?」
「どういたしまして。」
みーちゃんの背中に手を回して抱きしめて、背骨をボコボコと指でなぞる。
「みーちゃん、細過ぎ。私と違い過ぎる…」
片やぷよぷよ、背も大きい。抱きついたら本当に姉と弟くらいの差がある。
「うーん。俺は高校で伸びるはずだから、もうちょっと待ってて。父さんもそうだったらしいし。」
うん、みーちゃんのお父さんは大きい。180センチくらいある。
なだめるように背中をポンポンされた。
「そうじゃないのー。私が…その…太ってるから…恥ずかしい。」
最後は消えそうな声になってしまった。
それでもみーちゃんは聞き逃さず、頭と背中を撫で続けている。
「俺の背が伸びたら、全く気にならなくなるサイズだと思うけど。」
「そうかなぁ。」
「あと、今触り心地が良いのに、痩せたら骨が出て痛そうだしやだな。」
「えっ。」
腕と足で全身を包むように抱きしめられて、ちょっと苦しい。
「むにゅっとしてて気持ちいい。」
「苦しい。」
「頑張れ。」
「ひどい。」
耳元でくすくす笑ってる。
「今日は、あーにゃとずっとこうしてたいかも。」
「私も。もう少し緩めて欲しいけど。」
「仕方ないなぁ。」
みーちゃんが足を外して腕を緩めたので、もたれかかるように抱きついた。
「あーにゃ、好きだよ。」
「私も、みーちゃんが好き。」

お互いを優しく抱きしめあったまま、家に帰る時間まで過ごした。
初めて、えっちなことをしなかった日だった。

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