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番外編

みんなでキャンプ・3

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太陽が傾き、暗くなる前に夕飯の準備をすることになった。
お昼に大量に肉を食べたのもあり、夕飯は野菜を中心とした鍋で、締めはうどんだった。

「余は満足じゃ…のう、ほとり姫。」
「末様、美味しゅうございましたねぇ。」
ゴミを分別してまとめ、カセットコンロを片付けている松田を見て、ほとりが感嘆する。
「前から思ってたけど、松田くんて甲斐甲斐しいよね。」
「そう?サッサと片付けちゃいたいだけだけど。」
「いや、甲斐甲斐しいっすよ。飲みの時も、メニュー渡してくれたり、飲みもの気にしてくれたりしてますもん。」
空いた鍋を、炊事場で洗った灘川が戻ってきた。
「灘くんも甲斐甲斐しいタイプだったわ。」
「え?」
「お鍋洗ってくれて、ありがとう。」
「どういたしまして。」
テーブルの上が片付き、LDEランタンとガスランプが、リビング内を灯している。
「キャンプ場の消灯時間が22時だから、それまでに寝る準備しておいてね。」
「あ、じゃ、歯磨きしてこよーっと!」
「俺も」
「あー、俺も」
結局、荷物の整理をしている松田を残して、4人で歯を磨きに行った。
炊事場も使用時間が決まっているため、早め早めに行動しておく。

明日は朝起きたらテントを片付け、朝ご飯を食べたらチェックアウトの為、それ以外の荷物は全て整理整頓してトランクに詰めるだけにしておいた。
「松田。」
みんなで炊事場に行ったはずが、末沢が1人で戻ってきた。
「末ちゃん、忘れ物?」
「…いつもの。あれ、貸して。」
「あー、うん。もうテントに置いておいたよ。」
「…ありがと。」
プイッと顔をそらして、炊事場に小走りに戻って行った。後ろ姿が可愛くて、微笑んでしまう。
「キャンプの時は、俺のシュラフじゃないと眠れないとか、可愛すぎでしょ。」
はぁとため息をつき、1人でコーヒーを入れた。


パタパタと戻ってきた末沢に、歯を磨き中のほとりが気づく。
「忘れ物、あった?」
「うん、大丈夫だった。」
口をゆすぎ終わった阿部と灘川が、のんびり空を見上げる。
「この時間は、さすがに飛行機の数減るね。」
「そっすね。そして都会だから特に星は見えない。」
「星を見るなら、やっぱり山とか高原とか行かないと。」
「松田さんが、今度は温泉付きのところに行こうって言ってましたよ。」
「温泉かぁ、いいねえ。」
女子2人がメイクを落とし終わり、サッパリした顔で声をかける。
「お待たせー、戻ろう。」
灘川はさりげなくほとりの隣に移動し、2人でゆっくり歩いて行く。
街灯に照らされた末沢の顔を見た阿部が、感心している。
「末さんは、化粧落とした方が可愛いっすね。」
「あらどうも。阿部くんはスッピンが良いって言いながら、ナチュラルメイクに騙されるタイプの男じゃないのね。」
「棘のある言い方!そういう男に捕まったんですか。」
「それは秘密。」
バカップルと少し距離を取る。前を行く2人は、幸せそうに顔を寄せ合い話している。
「末さんて…ダメな男に引っかかりやすい?」
「否定はしないねぇ。」
「難儀っすね。」
「そうね、厄介なのよ、私って。」
諦観したように笑う末沢は、綺麗だけど悲しかった。


男女に分かれてテントに入り、寝る準備をする。
ほとりのシュラフは、末沢から借りた物で冬用だった。
「寝てると底冷えするから、冬用で丁度いいと思うよ。」
「ありがとう、その寝袋で末ちゃんは寒くない?」
「うん。毛布もマットも敷いてるし、真冬じゃないから大丈夫。」
「良かった。」
入り口に影が落ちる。
「ほとり」
「あれ?灘くん?どしたの?」
「ちょっと出れない?」
末沢を見ると、コクリと頷いた。
フラップのジッパーを開け、顔を出す。
「灘川、もうすぐ消灯だから、ランタンの灯り弱めて静かにね。」
「オッケー」
「ちょっと行ってくるね。」
「いってらっしゃい。私、本読んでるから気にせずごゆっくり。」


テントの外に出ると、他のキャンパー達も寝る準備をしているのか、とても静かだった。
上着の前を閉めると、灘川の手がほとりの手を絡めとり、連れ立って歩く。
しばらく行くと、ボードウォークのあるコンクリート通路に出た。目の前の柵の向こう側は浜辺。
昼間よりも、波の音が大きく聞こえた。
「わぁ…向こう岸の光がきれいだね。」
対岸のビル群の灯りがきらめき、海に反射していた。
「遊園地、思い出すね。」
「うん…灘くん、かっこよすぎてやばいから、本当。すぐこういうことするんだもん。」
手を強く引かれて、ほとりの体が灘川の腕に包み込まれた。
「惚れ直した?」
「毎秒惚れ直してます。」
クスクス笑いながら灘川の手を抱き込むと、灘川の唇がこめかみに触れた。
「うふふ。」
「何笑ってんの。」
「幸せだなぁって思って。」
「そう、良かった。」
灘川の胸にもたれかかり、繋いだ手を持ち上げて、その甲にキスをした。
「今度は、灘くんと2人でどこかに行きたいなぁ。」
甘えた声でお願いをされた灘川は、ゴクリと喉を鳴らした。
「いいよ、どこが良い?」
「遠いとこ!」
「ん、プレゼン資料作るわ。」
「きゃー!さすが花形営業さんー!素敵ー!」
ハーッとため息をついて、腕の中の彼女を強く抱きしめた。
「ほとりちゃん、ちょっと座らない?」
「いいよ?」

後方にある段差に灘川が座ったので、隣に座ろうとしたら、膝の上を叩いてニンマリ笑っていた。
「えっ…え?そこ?」
「早く」
顔を熱くさせながら、そっと灘川の膝の上に、横抱きに乗る。硬い筋肉と骨を太ももの下に感じた。
いつも見上げる顔が、今度は見下ろす場所にあり、目線が眉毛の位置だった。
「眉毛ー!可愛いー!」
指先でつんつんされ、どう反応していいのか分からないという微笑みで、灘川はされるがままになっていた。
ほとりは、折角だからと眉毛にキスをして、歯で毛を噛んでみた。特に味はしない、そして硬い。
「何をしてるの…」
「眉毛を愛している。」
「こっちを愛してよ。」
後頭部に手を添え、ほとりの柔らかな唇にキスをする。わざと音を立てるようについばみ、空いた手で耳から首筋を撫でると、ほとりの体がピクリピクリと反応した。
上唇を甘噛みし、歯と唇の間を舐める。さっき歯磨きをしたから、ミントのスースーする感覚がした。
開いた口に舌を入れると、迎え入れた舌が絡まり、生き物のように動く。愛しい人の隠れた粘膜を暴くように、隅々まで舐めまわす。
くちゅ、ちゅぷ…と音をさせて、口の端から唾液がこぼれ落ちた。
「んむ、ふう…」
舌を吸ってから、チュッと離すと、ほとりの瞳はとろけていた。
指の腹で、ほとりの口の端を拭う。
「ずっと、こうしたかった。」
「ん…結構、触ってたじゃん。」
「足んない。」
「ふふふ、じゃあ今ならいっぱいしてもいいよ。」
「満足するまで?」
「うん。」
口の端を上げて笑う。
灘川のその顔を見ると、子宮の奥がゾクゾクする。
見つめ合い、甘い息をつきながら、お互いの唇を貪り合う。温かくて、気持ちよくて、止まらない。
灘川の首に回した手に力が入る。後頭部にあった灘川の手は、段々と下にずれ、今はほとりの腰を支え、もう片方の手は柔らかな膨らみの上にあった。
キスの快感に悶えているうちに、上着のジッパーが途中まで下され、インナーの上からむにゅむにゅと揉まれる。ほとりの背筋は気持ち良さにざわざわと騒いだ。
慌てて唇を離し、抗議する。
「灘くん!ダメだっては!」
「何で?」
「外だもん!」
「テントじゃできないじゃん。」
立ち上がった敏感な先を、ギュッと摘まれる。
「そういうことじゃ、あん、なくてぇ」
吐息でダメダメと言うけれど、快感に負けた体が震えている。
「満足するまでして良いって言った。」
「キスの、話だ…よぉ」
情欲に染まった鋭い目が、ほとりを射抜く。
「声出さないように、ね。バレちゃうよ。」
「それなら、止めてよぅ。」
パッと愛撫の止まった手に、ホッと息をついたら、両手で腰を掴んで持ち上げられた。
「えっ、何」
「跨いで。」
足を持ち上げられ、灘川の両足を跨がされる。柔らかなほとりの性器の入り口に、硬く勃ち上がった灘川の性器が当たった。
「ちょっと、灘くん!」
「ほとり、可愛い。」
低い声が、吐息混じりに耳元で囁く。
ダメだ。気持ちよくて、灘川の色気に逆らえない。
自分の淫乱さに落ち込むが、こんな外で、誰に見つかるか分からない場所でしてしまうかもしれないセックスに、とてつもなくドキドキしている。
服の中に手を突っ込まれ、素肌の乳房を揉みほぐされる。
「はぁ、はぁ…あっ」
声にならないように、気をつけて息を吐く。
さすられる乳首がビリビリと気持ちよくて、子宮が収縮する。じゅわりと下着が濡れた。
「ねえ、触ってないけど、下ぐちゅぐちゅでしょ。」
言い当てられて、より一層快感がつのる。
「入れていい?」
「だ…め…」
「うそだ、欲しがってるよ。ほら。」
パンツ越しにぐりぐりと入り口を押されて、気持ちいい。
「はあっ…」
「入れるね。」
履いているパンツのジッパーを下ろし、中でパンツをずらして、大きく張り詰めた性器をぶるりと出した。
上着のポケットからコンドームを出して、装着する。
「なんで持ってるの…」
「ほとりと一緒の時はいつでも持ってるって、言ったじゃん。」
ほとりのスパッツを半分脱がせ、下着をずらして先を当てた。
「力抜いてね」
ぷりっと弾力のある先端が、陰核を撫でて刺激しながら、ゆっくりと膣に飲み込まれて行く。
「ふー、全部入ったよ。」
「はっ…はっ…」
頭の先まで快感が貫く。入れられただけで気持ち良くて気持ち良くて、どうにかなってしまいそうだった。
律動を始めた陰茎が、膣の粘膜をじゅくりじゅくりと擦り、ほとりの吐息を震わせる。
「はっ…うっ…なだく…ん、声、でちゃうよ…あっ」
「だーめ。堪えて。」
灘川は楽しむように突き上げ、奥をぐりぐりとかき回す。
「ん…は…っふ…」
「あー…今日、すぐ出ちゃいそう。すげー気持ちいい。」
ほとりは灘川の首に抱きつき、消えそうな声で囁いた。
「私も…お願い、めちゃくちゃにして…」
言うが早いか、灘川の突き上げが強くなり、普段届かない場所の先まで刺激され、でも声を出せないせいで堪えに堪えて、快楽で頭がおかしくなりそうだった。
互いに抱きしめあい、腰を振り合う。
「はあっ、だめ、だめ、きもち…あっ」
えぐるように突き上げられ、陰核を刺激され、狂うような快感に、ほとりの頭は真っ白になった。
灘川の腰がガクガクと強く動き、最奥に打ち付け、膣内でドクドクと精を吐き出した。

「灘くんのばかー!」
「一緒にいるのに触れない反動が…」
灘川は、ポケットティッシュでコンドームを処理すると、ゴミ袋にまとめてポケットに突っ込んだ。
ほとりが視線を落とすと、灘川の緑のパンツが、ほとりの愛液で濡れて濃い緑色になっていた。
「濡らしちゃってごめん…」
「全然、戻って寝巻きに着替えるし。明日の着替えを持ってきてるから大丈夫。…無理に抱いたし。」
「…気持ちよかったけど、もう外はダメね。」
ほとりに、ちゅっとキスをして抱きしめる。
「明日、帰り家に寄るよね?」
「うん、置いてきた荷物あるし。」
「じゃ、続きはその時に。」
灘川の計り知れない性欲に、ゾッとしつつも子宮がキュッとするほとりだった。

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