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別れの時
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私と朽崎さんが部屋に戻ると、いつの間にか静かになっていた。
さっきまでの騒がしい時とは違い、今度はそこら中に騒ぎ疲れて寝てしまっている人達がいた。
「あ~、皆寝ちゃってるよ。」
朽崎さんは大きなため息をした。
朽崎さんの後片付けの事を考えると気の毒だが、皆幸せそうな顔をしている。
よっぽど楽しかったのだろう。
「はぁ、まぁいいか。…………それよりも、メリーちゃん今日は楽しかった?」
「とても楽しかったです。今日だけじゃなく毎日が最高の日々でした。」
思えばあの日、私が気まぐれで零さんに電話をかけたのが始まりだった。
あの時から幽霊の時では考えられない日々………とても楽しい日々を送ることができた。
生前ろくに通えなかった学校に毎日通うことができて、
友達とたくさん話すことができて、
毎日美味しい朽崎さんの手料理が食べれて、
夏には、夏祭りに行って、
それから……………。
「…………メリーちゃん辛いなら考え直してもいいんだよ。」
いつの間にか私は泣いていた。
覚悟を決めたのに…………。
皆と過ごした日々を思い出すと、どうしても覚悟が揺らぎそうになる。
朽崎さんは優しく私を抱きしめてくれた、
「メリーちゃんが前に役所でいろいろ検査したの覚えている?」
私は答える、
「うぅ……、しっかりと覚えてます…。いきなりテストやら話やらで疲れましたから。」
朽崎さんは笑って答える、
「そうだったね、あの時はいきなりゴメンね。」
「ただ、あの時の検査でメリーちゃんの体が弱いのは知っていたんだ。」
思えばあの時、私は学校に行くということで頭が一杯で身体検査の結果を見せてもらっていない事に気がついていなかった。
「でも元気なメリーちゃんをみていると、どうしても信じられなかったんだ。」
「もっと何かしてあげられたかもしれないのにごめんね……私の力不足で。」
申し訳なさそうに答える朽崎さんに対して
「いえ、そんなことないです……むしろ私の方こそご迷惑かけてばっかりでスミマセン。」と伝えた。
朽崎さんは私のために凄く頑張ってくれていたのは知っている。
見えないところでも、私のために悩んだりしてくれたりもしたのだろう。
それでも朽崎さんは私の前ではいつも笑顔だった。
そして私はそんな苦労を十数年もしてきた………させた人間をもう一人知っている。
「……………朽崎さん、スミマセンやっぱり私は……。」
「分かってるよ、私もメリーちゃんを応援してるから。」
そういって朽崎さんは私の頭をなでてくれた。
「俺たちも………メリーちゃんの事応援してるからな。」
声のする方を見たら疲れきった零さんと紫木ちゃんがいた。
「零、どうしたの?そんなに疲れきって。」朽崎さんは笑いながら聞く。
「はぁーー、だっておっさん達から逃げるのに精一杯で、めっちゃ疲れた。」
私達はそんな零さんを見て笑っていた。
「寂しいけど私もメリーちゃんの事応援してるから……親友として。だから、安心してね!」と紫木ちゃんは言ってくれた。
思えば学校では紫木ちゃんにいろいろな事を教えてもらった。
紫木ちゃんがいたから私の学校生活は楽しいものにできたのだ。
「紫木ちゃん……ありがとう、私も紫木ちゃんと出会えて良かった。」
紫木ちゃんだけじゃない。
偶然か運命かは分からないけど、この短い人生の中で、皆と出会えたのは奇跡と言っても過言ではないと思う。
それだけの楽しい日々を送れたのだ。
そして今度は私が奇跡を起こす番だ。
さっきまでの騒がしい時とは違い、今度はそこら中に騒ぎ疲れて寝てしまっている人達がいた。
「あ~、皆寝ちゃってるよ。」
朽崎さんは大きなため息をした。
朽崎さんの後片付けの事を考えると気の毒だが、皆幸せそうな顔をしている。
よっぽど楽しかったのだろう。
「はぁ、まぁいいか。…………それよりも、メリーちゃん今日は楽しかった?」
「とても楽しかったです。今日だけじゃなく毎日が最高の日々でした。」
思えばあの日、私が気まぐれで零さんに電話をかけたのが始まりだった。
あの時から幽霊の時では考えられない日々………とても楽しい日々を送ることができた。
生前ろくに通えなかった学校に毎日通うことができて、
友達とたくさん話すことができて、
毎日美味しい朽崎さんの手料理が食べれて、
夏には、夏祭りに行って、
それから……………。
「…………メリーちゃん辛いなら考え直してもいいんだよ。」
いつの間にか私は泣いていた。
覚悟を決めたのに…………。
皆と過ごした日々を思い出すと、どうしても覚悟が揺らぎそうになる。
朽崎さんは優しく私を抱きしめてくれた、
「メリーちゃんが前に役所でいろいろ検査したの覚えている?」
私は答える、
「うぅ……、しっかりと覚えてます…。いきなりテストやら話やらで疲れましたから。」
朽崎さんは笑って答える、
「そうだったね、あの時はいきなりゴメンね。」
「ただ、あの時の検査でメリーちゃんの体が弱いのは知っていたんだ。」
思えばあの時、私は学校に行くということで頭が一杯で身体検査の結果を見せてもらっていない事に気がついていなかった。
「でも元気なメリーちゃんをみていると、どうしても信じられなかったんだ。」
「もっと何かしてあげられたかもしれないのにごめんね……私の力不足で。」
申し訳なさそうに答える朽崎さんに対して
「いえ、そんなことないです……むしろ私の方こそご迷惑かけてばっかりでスミマセン。」と伝えた。
朽崎さんは私のために凄く頑張ってくれていたのは知っている。
見えないところでも、私のために悩んだりしてくれたりもしたのだろう。
それでも朽崎さんは私の前ではいつも笑顔だった。
そして私はそんな苦労を十数年もしてきた………させた人間をもう一人知っている。
「……………朽崎さん、スミマセンやっぱり私は……。」
「分かってるよ、私もメリーちゃんを応援してるから。」
そういって朽崎さんは私の頭をなでてくれた。
「俺たちも………メリーちゃんの事応援してるからな。」
声のする方を見たら疲れきった零さんと紫木ちゃんがいた。
「零、どうしたの?そんなに疲れきって。」朽崎さんは笑いながら聞く。
「はぁーー、だっておっさん達から逃げるのに精一杯で、めっちゃ疲れた。」
私達はそんな零さんを見て笑っていた。
「寂しいけど私もメリーちゃんの事応援してるから……親友として。だから、安心してね!」と紫木ちゃんは言ってくれた。
思えば学校では紫木ちゃんにいろいろな事を教えてもらった。
紫木ちゃんがいたから私の学校生活は楽しいものにできたのだ。
「紫木ちゃん……ありがとう、私も紫木ちゃんと出会えて良かった。」
紫木ちゃんだけじゃない。
偶然か運命かは分からないけど、この短い人生の中で、皆と出会えたのは奇跡と言っても過言ではないと思う。
それだけの楽しい日々を送れたのだ。
そして今度は私が奇跡を起こす番だ。
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