上 下
8 / 43
ドラゴンの肉編

7.お昼の時間

しおりを挟む


歩くこと数分……。




豚さんと牛さんに連れられ、あるところまで通されます。









そこは、まるであのお城の玉座の間のような所でした。






「おいタウロス、オーク何だその人間は?」




そして少し離れた派手な椅子に座っている恐竜の着ぐるみを着た人が話します。






娘は興味津々で恐竜さんの方を見ています。







「へいっ、この人間が大変美味な物をお持ちでして………。」





豚さんは話します。








「だから通したというのか?」





恐竜さんは豚さん達に聞きます。







「へ、へい…………。」





「ボスが喜びになると思って……。」










それを聞いた途端、恐竜の着ぐるみを着た人は怒りました。





「そんなもん奪えばいいだけだろ!わざわざ人間を連れてくる馬鹿がいるかっ!」







「ひぇぇ、すみませんボス。」





「勘弁してくださ~い。」





そういって豚さんと牛さんはどこかに行ってしまいました。











しかし、この人がボスですか。





『奪えばいい』とか随分と横暴な人ですね。









「………話しは聞いていたな人間。悪いが消えて貰うぞ。」






そういって口から花火みたいなものをこちらに向けて吐き出します。





そういうのは人に向けたら危ないと習わなかったのでしょうか。





私は娘の手を引っ張り横に逃げようとしました………。







その時、娘が興奮してぶんぶんと振っていたおもちゃのステッキから流れ星のようなものが飛び出します。





そして花火にぶつかり音を立てて消え去りました。









「ば、馬鹿な。そんな簡単に消されるわけが………。」






そういって恐竜さんは、またいくつかの花火を吐き出します。






娘もそれを見て更にテンションが上がったのか、さっきよりも早くぶんぶんとステッキを振ります。






そしてまた流れ星のようなものが出て花火とぶつかり煙を立てて綺麗に消えました。









私の娘はどうやら本当にマジシャンの才能があるようです。





今度娘のためにも家族でマジックショーでも見に行きたいですね。










そして花火と星が衝突して出てきた煙の間から、唖然とした恐竜さんが見えました。







「ふざけるなっ!こんなことがあるわけぇ!!」





そういって今度は先ほどよりも大きな花火を吐き出そうとしています。











「はぁ………。」





流石の私も怒りました。






いたずらも度が過ぎたら不快なだけです。









「……なさい。」






「ああっ?」















【や          め         な          さ          い】












すると、恐竜さんの口の炎は段々と小さくなります。





「馬鹿なっ、俺が人間風情に恐れているというのか。」








私も昔、温厚なおかあさんがこうやって怒るのは怖かったです。




ですから、人に迷惑がかかるようなことはしないようにしてきました。







私は恐竜さんに聞きます。




「そういうのは人に向けたらいけないって習わなかったのですか?」







「『習う』っていったって、俺はこういうやり方しかしてこなかったんだよ。」







そういう恐竜さんは少しションボリしています。







どうやら恐竜さんにも私の知らない深い事情がありそうです。








少し考えて私は提案します。









「恐竜さん。」





「何だ?」








「お昼にしましょう!」





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

性転換マッサージ2

廣瀬純一
ファンタジー
性転換マッサージに通う夫婦の話

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

[恥辱]りみの強制おむつ生活

rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。 保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

名前を書くとお漏らしさせることが出来るノートを拾ったのでイジメてくる女子に復讐します。ついでにアイドルとかも漏らさせてやりたい放題します

カルラ アンジェリ
ファンタジー
平凡な高校生暁 大地は陰キャな性格も手伝って女子からイジメられていた。 そんな毎日に鬱憤が溜まっていたが相手が女子では暴力でやり返すことも出来ず苦しんでいた大地はある日一冊のノートを拾う。 それはお漏らしノートという物でこれに名前を書くと対象を自在にお漏らしさせることが出来るというのだ。 これを使い主人公はいじめっ子女子たちに復讐を開始する。 更にそれがきっかけで元からあったお漏らしフェチの素養は高まりアイドルも漏らさせていきやりたい放題することに。 ネット上ではこの怪事件が何らかの超常現象の力と話題になりそれを失禁王から略してシンと呼び一部から奉られることになる。 しかしその変態行為を許さない美少女名探偵が現れシンの正体を暴くことを誓い…… これはそんな一人の変態男と美少女名探偵の頭脳戦とお漏らしを楽しむ物語。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...