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ドラゴンの肉編
25.魔王の城(入り口)
しおりを挟むうーん、この結界を破るにはどうしたらよいのでしょうか?
「しかし、厄介な結界だな………。」
結界の前に立つゆうしゃさんが小さく呟きます。
「ゆうしゃさん、何かいい案はありませんか?」
私はゆうしゃさんに尋ねます。
「この結界を破るとしたら世界中に散らばっているという宝珠を集めるか、この結界に相当な魔力をぶつけるしかなさそうですね。」
「………宝珠?」
「そうです。いにしえの大賢者が残したと言われる宝珠を使えば簡単に破れるでしょう。」
「そうなんですか!しかし、その宝珠を集めるとしたらどのくらい時間がかかりますか?」
「そうですね、現在行方が不明な物もたくさんあります。なので、一年以上はかかるかと………。」
なら、その方法は厳しいですね。
そんな時間はないです。
………と、すると相当な魔力をぶつけるという選択しかないですね。
私は改めて結界を見ます。
「まさかご婦人、魔力で破ろうとするのですか?これに必要になる魔力は尋常じゃないですよ。」
うーん、そう言われてもそれしか選択ないですし。
私は悩みます。
………しかし、この状況懐かしいですね。何故でしょう?
どこかで味わった事のあるような気がします……。
この家に入りたいのに、入れてもらえないそんな感覚。
「……………あっ。」
思い出しました。
そう、昔お婆ちゃんがドアを開ける時によく言ってた魔法の言葉を。
そして私はある言葉を呟きます。
『………開け、ゴマ!』
バチバチバチバチッ!
すると呟いた瞬間、結界は激しい音を立てて消え去っていきます。
「ご婦人?いったいどうやって………。」
ゆうしゃさんは驚いています。
「おまじないを言っただけですよ。さぁ、結界も消えましたし行きましょう。」
まさか昔お婆ちゃんに教わったおまじないが役に立つとは……。
流石私のお婆ちゃんですね。
そして私達は城の中に入り口に向かいました。
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