22 / 43
ドラゴンの肉編
17.町に入った知らせ
しおりを挟むあの後、私達は町の人達のご好意で美味しい物をいただいたり、船に乗せてもらったりと至れり尽くせりでした。
娘も大変満足なようで、ずっとはしゃいでいます。
いい思い出になったようですね。
町の人達もとても明るく、この町の本来の良さが完全に戻ってきたかのように思います。
とりあえず一件落着ですね。
………と、思っていた矢先。
「大変だー!大変だー!」
ある知らせが町に入ってきます。
その知らせを伝えにきた青年は、かなり急いできたようで、とても疲れています。
「おい、どうしたんだ?そんなに急いで。」
心配した町の人が青年に声をかけます。
「ラスカの町に魔王軍が責めてきたんだよ!」
「なんだって!その話はほんとうか?」
まおうぐん?
もしかしてあの女の子が言っていた『まおうさま』と関係があったりするのでしょうか?
その話を聞いた町の人達はざわざわとしております。
「せっかく、元の生活に戻ってこれたというのに、クソッ。」
まおうさまというのが会ったことが無いのでどういう人かは分かりませんが、あまり誉められた人ではないようです。
町の人達は無念といった表情でで店を閉めています。
「…………。」
娘もどこか落ち込んでいるようにも思えます。
「はぁ………。」
せっかくの楽しい時間が台無しです。
(…………ん?)
よく考えてみたら、青年は急いで来たってことはまだ近くにいるのでしょうか。
来ているのがその『まおうさま』本人じゃなくても、その方々に伝言を頼めば『まおうさま』に伝えてくれるかもしれないですね。
「あの、すみません。えっと……『ラスカの町』というのはどこにあるのですか?」
私は、急いできた青年に尋ねます。
「え、ラスカはここから西に行った所にあるよ。」
「分かりました、ありがとうございます。」
私の次の目的が決まりました。
あまりこういうことは苦手なのですが。たまには心を鬼にして言わなきゃいけないことがあるようです。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
竜が守護せし黄昏の園の木に咲く花は
譚音アルン
ファンタジー
小さな頃から荒野の夢を見ていた少女、風祭真奈。
ある時、その夢の中で不思議な白い花を見つけて触れると、異世界へとトリップしてしまう。
飛ばされた先は見渡す限りの不毛の大地。
途方に暮れていた所、飛竜に乗った赤髪蒼眼の青年魔術師ゼーウェンと出会って助けられる。
真奈は様々な困難と経験を通じて、生きる力とその意味を学んでいきながら地球へと戻る道を探し求めてゆく。
※割と真面目な王道ファンタジー。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
死刑執行人
陽真
ファンタジー
国王直属部隊、黒曜。
その部隊には何かに突出した才を持つ者が集まっていた。
その最中でも最強と呼ばれているのが【死刑執行人】狙った相手を確実に断罪する。
それがどんな人物でどんな経歴を持つのか、それは国王とそれに近しい人間、部隊の仲間しか知り得ない情報。
ーーーーーーーー貴方の近くにも【死刑執行人】がいるかもしれない
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる