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マイリちゃんとザン義伯父さま
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執筆日 2024年3月11日
ザドウ家の待望の第一子・紅葉(くれは)懐妊と誕生辺り、煌花家の末子マイリと義伯父ザンの邂逅の話である。
ザドウ家とエタンセル家の者らが私にも抱かせて!と赤子を奪い合う中、精一杯気を利かせたザドウの主であるザンが我が子をマイリとウェリナの元へ連れてきた。
「ほら、マイリちゃん。
わたくし達の従弟のクレハくんですよ♪」
ウェリナが満面の笑みで手慣れた手付きで赤子をあやす。
続いてマイリと呼ばれた幼い少女は緊張で硬直しながらも目を輝かせて赤子を抱かせてもらう。
(……この子が、わたくしの初めての可愛い従弟。
わたくしがお姉さんとして守ってあげなければ。
男の子だからきっとわたくしと沢山遊べるますわ。)
煌花 舞璃(きらはなの まいり)は唯一の従弟ができて嬉しかった。
彼女は父にノックス・エタンセル、母に煌花 莉音(きらはなの りのん)を持ち、多くの姉と兄を持つが自分は末子で年下の兄弟姉妹に憧れていた。
母を早くに亡くし心を閉ざした長姉キサラ、マイリの母代わりには四番目の姉であるウェリナが主に担当した。
マイリはあまり感情を上手く表現できなかったが幼いクレハの存在がとても嬉しかったのである。
時は少し遡り、まだクレハが母の胎内にいる頃の話である。
ある時マイリは自分に真剣に叱ってくれる存在が欲しくて悪さばかりするようになった時期があった。
「マイちゃん良かったら壊すのは専用の襖だけにして欲しいなぁ~……」
「ヘイ!マイちゃんカモン!僕が君のダディーだよシングルファーザーだよ!」
伯母であるユイムも叱らない。
父であるノックスは怒っても怖くない。というかテンションが意味不明で何を言っているのかわからない。
嗚呼こんな時、容赦なく締め上げる鬼のような実母リノンが生きていたならば……
ポリスウーマンのマノヤとアネラ先生がいれば……
意外と叱る着ぐるみ紳士ウーヴェが……
考えたらキリが無いがユイムとノックスだけではどうにもならなかった。
そんな時、あの子供嫌いアレルギーの彼が動いた。
見かねたザンがあろうことか反抗期マイちゃんを投げ飛ばし、彼女は襖を突き破り池にまで落ちたのである。
「イヤぁーーー!!!私のマイちゃんがぁぁぁ!!!」
「 Oh NOOOOOOOOOO!!!!」
ダメな唯舞とノックスをよそにザンは半泣きのマイリを引き上げ目線を合わせる。
「……無暗に物を壊すのはやめなさい。殺すなら戦場だけにせよ。
母を亡くして辛いのはわかるが叱って欲しいのならもう少し素直になりなさい。」
彼はマイリにタオルをかけ、ウェリナがマイリを拭ってあげる。
「……もうすぐ、君に弟分か妹分ができる。
お姉さんになってあげて欲しい。」
流石ザンさん、不器用ながらもどこか優しい。
DVの後急に優しくなるアレですね。
今はもういないベヒモスくんとマノヤさんもやられたアレです。
マイリは恐怖を感じたと同時に少し嬉しかった。
誰も相手にしてくれなかったところを義伯父が諭してくれた。
「……あの、皆様、ごめんなさ……」
「マイリちゃんわたくしが植えたお花を踏んでます♪」
再び彼女は姉ウェリナの理不尽な暴力により宙を舞った。
※妖怪だから許されるだけで人間は真似しないでね。
「ちょっとぉ……アンタ何してくれちゃってんの!
マイちゃんは一応女の子なのよ、傷が残ったらどうしてくれんのよ!」
「僕流石に許せないよ!これは教育委員会PTAに訴えるよ!ブラザー!」
「……お前達がそうやって甘やかすからいかんのだろう。」
面倒くさい嫁と義弟ノックスにウザ絡みされているが気にする事は無い。
――――あれから煌花女子ことマイリに嫌われたのでは無いかと心配していたがどうやら大丈夫だったようだ。
上官と認識しているのか目が合う度に敬礼をしてくれる、その都度彼も敬礼しかえす。
今では幼いクレハを抱いた状態で敬礼する父親ザンさんであった。
【後書き】
去年漫画で途中まで描いてた話なんですが小説の方で改めて書いてみました。
彼女が義伯父を尊敬するきっかけの大事な話?
初めての従弟なのでマイリはとても嬉しかったのです。
ザドウ家の待望の第一子・紅葉(くれは)懐妊と誕生辺り、煌花家の末子マイリと義伯父ザンの邂逅の話である。
ザドウ家とエタンセル家の者らが私にも抱かせて!と赤子を奪い合う中、精一杯気を利かせたザドウの主であるザンが我が子をマイリとウェリナの元へ連れてきた。
「ほら、マイリちゃん。
わたくし達の従弟のクレハくんですよ♪」
ウェリナが満面の笑みで手慣れた手付きで赤子をあやす。
続いてマイリと呼ばれた幼い少女は緊張で硬直しながらも目を輝かせて赤子を抱かせてもらう。
(……この子が、わたくしの初めての可愛い従弟。
わたくしがお姉さんとして守ってあげなければ。
男の子だからきっとわたくしと沢山遊べるますわ。)
煌花 舞璃(きらはなの まいり)は唯一の従弟ができて嬉しかった。
彼女は父にノックス・エタンセル、母に煌花 莉音(きらはなの りのん)を持ち、多くの姉と兄を持つが自分は末子で年下の兄弟姉妹に憧れていた。
母を早くに亡くし心を閉ざした長姉キサラ、マイリの母代わりには四番目の姉であるウェリナが主に担当した。
マイリはあまり感情を上手く表現できなかったが幼いクレハの存在がとても嬉しかったのである。
時は少し遡り、まだクレハが母の胎内にいる頃の話である。
ある時マイリは自分に真剣に叱ってくれる存在が欲しくて悪さばかりするようになった時期があった。
「マイちゃん良かったら壊すのは専用の襖だけにして欲しいなぁ~……」
「ヘイ!マイちゃんカモン!僕が君のダディーだよシングルファーザーだよ!」
伯母であるユイムも叱らない。
父であるノックスは怒っても怖くない。というかテンションが意味不明で何を言っているのかわからない。
嗚呼こんな時、容赦なく締め上げる鬼のような実母リノンが生きていたならば……
ポリスウーマンのマノヤとアネラ先生がいれば……
意外と叱る着ぐるみ紳士ウーヴェが……
考えたらキリが無いがユイムとノックスだけではどうにもならなかった。
そんな時、あの子供嫌いアレルギーの彼が動いた。
見かねたザンがあろうことか反抗期マイちゃんを投げ飛ばし、彼女は襖を突き破り池にまで落ちたのである。
「イヤぁーーー!!!私のマイちゃんがぁぁぁ!!!」
「 Oh NOOOOOOOOOO!!!!」
ダメな唯舞とノックスをよそにザンは半泣きのマイリを引き上げ目線を合わせる。
「……無暗に物を壊すのはやめなさい。殺すなら戦場だけにせよ。
母を亡くして辛いのはわかるが叱って欲しいのならもう少し素直になりなさい。」
彼はマイリにタオルをかけ、ウェリナがマイリを拭ってあげる。
「……もうすぐ、君に弟分か妹分ができる。
お姉さんになってあげて欲しい。」
流石ザンさん、不器用ながらもどこか優しい。
DVの後急に優しくなるアレですね。
今はもういないベヒモスくんとマノヤさんもやられたアレです。
マイリは恐怖を感じたと同時に少し嬉しかった。
誰も相手にしてくれなかったところを義伯父が諭してくれた。
「……あの、皆様、ごめんなさ……」
「マイリちゃんわたくしが植えたお花を踏んでます♪」
再び彼女は姉ウェリナの理不尽な暴力により宙を舞った。
※妖怪だから許されるだけで人間は真似しないでね。
「ちょっとぉ……アンタ何してくれちゃってんの!
マイちゃんは一応女の子なのよ、傷が残ったらどうしてくれんのよ!」
「僕流石に許せないよ!これは教育委員会PTAに訴えるよ!ブラザー!」
「……お前達がそうやって甘やかすからいかんのだろう。」
面倒くさい嫁と義弟ノックスにウザ絡みされているが気にする事は無い。
――――あれから煌花女子ことマイリに嫌われたのでは無いかと心配していたがどうやら大丈夫だったようだ。
上官と認識しているのか目が合う度に敬礼をしてくれる、その都度彼も敬礼しかえす。
今では幼いクレハを抱いた状態で敬礼する父親ザンさんであった。
【後書き】
去年漫画で途中まで描いてた話なんですが小説の方で改めて書いてみました。
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