烏王創世記 鳳凰編

鴉月語り部

文字の大きさ
上 下
4 / 4
王立学院編

紅葉賀

しおりを挟む
【前書き】
ザドウ家の日常、一応政治的な婚姻の話なんですが……

 紅葉賀(もみじのが)
待望の大和撫子でザンにとっては唯一の娘である。
父によく似た黒髪混じりの緑髪を持つ彼女は堅苦しい口調まで似ていた。

兄・紅葉とよく似た名を持つ彼女を母である唯舞は大層彼女を可愛がった。

「ガっちゃん、ガッちゃん」

「母者、その呼び名は可愛くないでござるよ~……
本名がガジラとかだったら拙者涙目でござる」

「お兄ちゃんのクーちゃんと紛らわしくないように考えたのよ?
その前にガッちゃんはもうちょっとこう……口調をね、折角可愛らしい見目をしているのだからこう。
NINJA、SAMURAIじゃなくて姫武者スタイルでいくのはどうかしら?」

特撮ものに出てきそうな煌びやかな衣装を選ぼうとする母をさりげなく断る。

「俺と名前被ってる……故に某(それがし)は不要」

ぶつぶつ独り言を言いながらいじける兄

「拙者と兄者は名前もキャラももろ被りでござるが、名付け親は誰ぞ?
間に剣の兄者が来るのでこれまたバランスが悪いでござ候」

紅葉(くれは)、八劔(やつるぎ)と来て紅葉賀(もみじのが)だ。

「なんで八劔が八なの?次男じゃなくて八男なの?」

今更ながら紅葉が疑問に思った。
もしかして自分は長男では無いのであろうか母の八番目の子とかそういう意味でござろうか。

「あら貴方達お父さんとお母さんのネーミングセンスに不満かしら?
お父さんなんて最初正義(まさよし)、正義(ジャスティス)って名付けようとしたのよ。

クーちゃん、貴方『坐導 正義(ざどう ジャスティス)』だったらどうするの?」

「ジャスティスはちょっと……」

――――紅葉賀の婚約者

「結婚したくないでござるー
婿殿たちが五つの難題を持ってくるまで拙者此処を動きたくないでござる~……」

「ガッちゃん、かぐや姫みたいな事言わないの
お母さんも娘達を手放したくないけど、この時代結婚して所帯を持つ事が女の喜び……とは一概に言えないわね
烏族はキャリアウーマン多いから、かつてお母さんもそうだったわぁ
懐かしいわね」

母は元々は烏だったが一度死してビフロンスの炎で蘇生されたから異なる種族になってしまったらしい。

「紅葉賀、叔父上からお前宛てに大量の貢ぎ物が来ておるぞ」

「まあ、またあの方から?
あの人ちょっと異常よ……この子はまだ14歳なのよ?
中身が30越えてようが肉体年齢が幼いのだからこれは立派なロリ婚よ犯罪よ。
ガッちゃんは私達が900歳越えてからの子なんだからどれだけ年齢離れてると思ってるのよ……」

「拙者もあの叔父さん苦手でござるよ~……
目つきが完全に性犯罪者のソレだったのでゴミを見るような眼で見たら余計に喜んだでござる。
ヤバいでござるキモイでござるマジムリ。

あれは完全に拙者を下卑た目で見てるでござる、女の勘よ。」

「いやあぁぁぁぁぁぁ!!?
私の娘を変な目で見てるなんて耐えられない!」

「衣と紅を送って来て口説き文句まで添えてあったでござる、完全にアウトなやつでござるよ……
健全な男子が女人に衣を送るのは脱がせたいから、紅は唇を狙っているからでござる。
拙者いま自分で言って引いてるでござるからな。」

「紅葉賀、母さんがアレルギー反応起こして卒倒してるからもうよしなさい。」

倒れた妻を抱えながら何食わぬ顔で新聞を見ているがザンも普通に引いている。

「あの方、どうしてこうも私達の娘に拘るのかしら……
ザドウの女子ならアユラ様の生まれた子の方が純血のはずなのに」

「……やっぱりホモなんだろうな」
「え???」

夫からとんでもないワードが出てきてついていけない唯舞さん。
何故そうなるの?
確かに彼はこの1000年間で女性の噂が一切無いけども……

「真性の幼女趣味なのね、きっと。
光源氏計画だわ」
「え?え?」

女性口調で話すガッちゃんに驚いて頭がついていけない唯舞さん。

「遺産目当てでくたばるのを待つぐらいしか無いでござる」
「あっ、いつものガッちゃんだ……
お母さん安心したわぁ」

【後書き】
年の差とか倫理的にアウトなカップリングばっか書いてると誤解されそうですが、作者は別に幼女趣味ではありません。
なんか古代神話の風習漁ってたらそういうカップリングが多くなったような。
エジプトだと大伯父と孫娘並みの婚姻があったりする。
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

深淵迷宮 烏王再誕編

鴉月語り部
ファンタジー
様々な正義と運命が交差する深淵の物語… 人間に育てられた烏の青年が差別の迫害に遭いながらも前世の記憶を頼りに仲間を集める物語。 悪夢に悩まされる青年の心が晴れる日は来るのだろうか? 暗めと思いきや明るいコメディ要素もあります。 【深淵迷宮の一覧】 烏王創世記と新月神話伝の後のお話 ・魔界に堕ちた悪魔王国での王位継承争い ・烏王の記憶を持った青年が記憶巡りに転生者を探すお話 ・烏王の隠し子?である少女と烏王の戦い ・栄華を誇った王国が寵姫によって滅びたお話 ・魔女と魔術師の悲恋 ・セイレーンの乙女と月の髪を持つ青年との出会い ・深淵の子らのそれぞれの運命と魔王 ・おとぎ話のヒロイン達と悪魔との戦い ・最終章、海神の少女とリヴァイアサン

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

烏王創世記 部族動乱時代

鴉月語り部
ファンタジー
烏の神々による創世のダークファンタジー 七つの大罪に呪われた嘘つきで傲慢な烏モンスター達のお話。 烏の魔物が多く住むケレイト地方、五つの部族の戦乱時代であった。 真の王家であるコルウゥ皇子は夢と理想を掲げ部族統一を行う。 元はみな始祖の白銀の烏から生まれた9つの神々、始祖の転生である私が貴方達を導きましょう… 全体的に大人向け、モンスターと神話の倫理観注意。 異性愛中心に同性愛描写もあります。 烏王創世記の前日譚的なものでありますが世界観的に別物として書いています。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

孕ませねばならん ~イケメン執事の監禁セックス~

あさとよる
恋愛
傷モノになれば、この婚約は無くなるはずだ。 最愛のお嬢様が嫁ぐのを阻止? 過保護イケメン執事の執着H♡

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

処理中です...