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短編 二人の女帝 榊姫とフルー
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【前書き】
登場人物は第三世代
フルー、榊姫、時雨( 修羅)、秋雲、山桜桃、鳳梨
女帝二人の友情話
シリアスとギャグ
烏國レイウと月の國シン・ユエイ
二つの国は外交を続けており護り神・鳳凰の出身国であるレイウを大事にしている。
時は第三世代、初の女帝である榊姫と
烏國レイウの四代目にして同じく初の女帝フルー
二人の女帝の友愛のお話である……
烏國レイウから、フルー女王様が参られました!
兵士達が総出で彼女を出迎える。
対して神々は集まりが悪く、黄泉の厄神や月の神、烏神は不在である……
逆に不吉な神々が出席してる女王が萎縮したり驚いちゃうから仕方ないね。
「お久しぶりですフルー女王陛下」
白銀の髪を持つ美しい女王はガラス細工のように透明な翼を広げている。
憂いを帯びた表情と儚げな印象を持つ女性だ。
「そんなにお堅くならないで、わたくしと貴女の仲では無いですか」
「恐縮です
貴女達の國があってこその我が國です、偉大なる烏王様……
そちらは恙なく過ごされておられるでしょうか」
「ええ榊姫様」
二人の女帝は消える水の文字を指で描きながら密談する。
( 相変わらず、ザドウ派の権力は増す一方ですが
貴女様の助言のお陰で少しは抑えれるようになりましたわ)
( それは良かったです、偉大る女王にして友愛の女王フルー様
シン・ユエイはいつでも貴女の味方です
此方個人としてはいつでも貴女の支えになりましょう)
「榊姫様、シン・ユエイは相変わらず美しい都ですね
オウギの里とレイヴァンを混ぜた絶妙なバランスが素敵ですわ」
( わたくしね、貴女が励ましてくれたから少し寂しくなくなったのよ
あの広いお城はわたくしには孤独なガラスの鳥籠でした
貴女が鍵の開け方を教えてくれたから
一人でも飛ぼうと思えるようになったの)
「フルー様、寂しくなったら榊の葉を見て此方を思い出してください
此方は白銀を見て貴女を思いだします」
わたくしと貴女は初の女帝ですもの
愚かな王だったと後世に残らぬように
葦原の王のように振舞わねば
葦原は女性が家長だそうだけれど、我が國レイウや中華レイヴァンは宗教上の理由で女性の身分はやや低い。
わたくしを王に立てた巍巍(ぎぎ)は女であるわたくしを傀儡にしようとしている……
孤独を感じていた時にわたくしを支えてくれたのが同じ女帝であった貴女なの
――――榊姫様、ずっと水で遊んでるけど何してるんだ?
四柱補佐である山桜桃(ゆすら)は何もわかっておらず二人の女王が息抜きに戯れているだけに思えた。
……あれは、二人の密談方法
秘密のお話がある時はああやってこっそりお話するんだよ、なんて山桜桃に言ったら口が軽そうだから言わないでおこう。
弟である鳳梨(ほうり)は言いかけて口を紡いだ。
「そうだわ榊姫様
わたくしの花婿に貴女の子を貰ってもよろしいかしら?」
「良い提案ですね女王、ですが余はまだ独り身で世継ぎがおりませぬで……
遠い未来になりそうですね」
「まあ、でしたらわたくしの子を貴女にどうでしょう
シン・ユエイと縁戚関係が結べるならわたくしは光栄です」
「婿選びですか……
少々お待ちをフルー様
時雨(しぐれ)、ちょっと来なさい」
「なんですか榊姫様」
榊姫は席を外し小声で耳打ちする
二柱で陰陽師の八咫神時雨(やたがみ しぐれ)を呼び出した。
( そなた、婚活しているのでしょう
フルー様の婿はどうです?)
( えっ!?
なんですかいきなり……
もしかして私の事左遷しようとしてますか?
私何かしました?)
( 違いますむしろ昇進です
貴方は一応ノックス様の血を引いているのです、貴方なら問題は無いはずです)
( なに可愛い部下のこと政略結婚に利用しようとしているんですか榊姫様……
私ね、キャバ嬢になってまで貴女のお父さんと寝て出世してきましたけどそういうの大嫌いなんです
)
※事実じゃなく神々のお遊び設定の話
( 矛盾していますよ時雨
何とんでもない事暴露しているのです、他所でやりなさい他所で
……なるほど、あれだけの美人に喰いつかないなと思ったら
そなた、巨乳じゃないから対象外なのですね)
時雨は苦笑いしながら半分頷く
「……榊姫様、あれまずくないですか?」
時雨が指したのは同じく神で四柱の秋雲のことだった。
いつの間にかフルー女王と親しく話している。
「榊姫様、わたくし決めました
この方を連れ帰ってもよろしいでしょうか?」
「フルー様、こちらの時雨はどうでしょうか?
ノックス殿の子孫であり優しく誠実な男子です」
( おい榊姫様、なに堂々と嘘付いてんだ
この女帝は私を売りたいのか?)
「え、わたくし……こちらの殿方の方が好みですわ
肉も美味そうですし……
そちらの緑髪さんは陰陽師で食べても美味しくなさそうで……」
( おいおいこっちの女帝も大丈夫か?
なんで花婿早速喰おうとしてんだ将来的な話か?)
「ダメダメ、野菜的な意味でも時雨は栄養満点で美味しくいただけます
」
「秋の果物的な意味でやはり秋穣(あきみのり)様が……」
行きたくない秋雲はもう泣きそうである
妹である女官の八重桜(やえざくら)と涙目である。
「もう女帝同士で結婚しましょうよ
新時代作りましょう?
キマシタワー!で国民も喜びますよ」
負けじと時雨は画期的な提案を出す
「ダメダメ、フルー女王にはもっと良い人沢山いるから」
榊姫様もなかなか頑固だな、国交大丈夫か?
これで侵攻されたらたまったもんじゃないぞ
あっ、とフルー女王も気づいたようで
榊姫様の珍しく怒った表情と秋雲を手放したくないと言わんばかりに拳を握り締めている、事情を察したようだ。
――――夜の庭園にて
「……榊姫様、好いた殿方はおられますか」
「い、いきなりどうなされましたか女王様」
「わたくしはまだ愛というものがわかりません
もしかしたら愛や恋といったものに生涯知りえぬ身かもしれません
榊姫様もそう思われますか?」
「……此方の両親は離縁しており、此方は母と離れて育ちました
しかし父と母は国を隔ててなお、お互いを想い愛し合っていました
我儘を言えば、余も想いあえるような殿方と添い遂げて国を守りたいですね」
――――「では榊姫様、また来ますわ
そうだ」
フルー女王が降りてきて榊姫の耳元で囁く
( 好いた殿方と結ばれるよう応援しておりますわ
秋穣様とお幸せに)
一瞬あどけない少女の顔に戻った小さな女帝は一瞬動揺したが
「偉大なるフルー女王陛下、貴女にも大いなる幸がありますよう
国を挙げてお待ちしております」
「否定はしないと言う事ですね、お可愛らしい」
フルー女王は心から微笑んだ
月の國はなんて素晴らしいんだろう
自分にもあんな恵まれた居場所が作れたら
「決めました、わたくしも改革しますわ
ギスギスした王城を変えますわよ」
【後書き】
烏王創世記と新月神話伝のクロスオーバー的な
外交があることを本編で絡ませたいなと思って書いたもの
フルーのキャラデザ書いた時にこの話を思い浮かんだ。
登場人物は第三世代
フルー、榊姫、時雨( 修羅)、秋雲、山桜桃、鳳梨
女帝二人の友情話
シリアスとギャグ
烏國レイウと月の國シン・ユエイ
二つの国は外交を続けており護り神・鳳凰の出身国であるレイウを大事にしている。
時は第三世代、初の女帝である榊姫と
烏國レイウの四代目にして同じく初の女帝フルー
二人の女帝の友愛のお話である……
烏國レイウから、フルー女王様が参られました!
兵士達が総出で彼女を出迎える。
対して神々は集まりが悪く、黄泉の厄神や月の神、烏神は不在である……
逆に不吉な神々が出席してる女王が萎縮したり驚いちゃうから仕方ないね。
「お久しぶりですフルー女王陛下」
白銀の髪を持つ美しい女王はガラス細工のように透明な翼を広げている。
憂いを帯びた表情と儚げな印象を持つ女性だ。
「そんなにお堅くならないで、わたくしと貴女の仲では無いですか」
「恐縮です
貴女達の國があってこその我が國です、偉大なる烏王様……
そちらは恙なく過ごされておられるでしょうか」
「ええ榊姫様」
二人の女帝は消える水の文字を指で描きながら密談する。
( 相変わらず、ザドウ派の権力は増す一方ですが
貴女様の助言のお陰で少しは抑えれるようになりましたわ)
( それは良かったです、偉大る女王にして友愛の女王フルー様
シン・ユエイはいつでも貴女の味方です
此方個人としてはいつでも貴女の支えになりましょう)
「榊姫様、シン・ユエイは相変わらず美しい都ですね
オウギの里とレイヴァンを混ぜた絶妙なバランスが素敵ですわ」
( わたくしね、貴女が励ましてくれたから少し寂しくなくなったのよ
あの広いお城はわたくしには孤独なガラスの鳥籠でした
貴女が鍵の開け方を教えてくれたから
一人でも飛ぼうと思えるようになったの)
「フルー様、寂しくなったら榊の葉を見て此方を思い出してください
此方は白銀を見て貴女を思いだします」
わたくしと貴女は初の女帝ですもの
愚かな王だったと後世に残らぬように
葦原の王のように振舞わねば
葦原は女性が家長だそうだけれど、我が國レイウや中華レイヴァンは宗教上の理由で女性の身分はやや低い。
わたくしを王に立てた巍巍(ぎぎ)は女であるわたくしを傀儡にしようとしている……
孤独を感じていた時にわたくしを支えてくれたのが同じ女帝であった貴女なの
――――榊姫様、ずっと水で遊んでるけど何してるんだ?
四柱補佐である山桜桃(ゆすら)は何もわかっておらず二人の女王が息抜きに戯れているだけに思えた。
……あれは、二人の密談方法
秘密のお話がある時はああやってこっそりお話するんだよ、なんて山桜桃に言ったら口が軽そうだから言わないでおこう。
弟である鳳梨(ほうり)は言いかけて口を紡いだ。
「そうだわ榊姫様
わたくしの花婿に貴女の子を貰ってもよろしいかしら?」
「良い提案ですね女王、ですが余はまだ独り身で世継ぎがおりませぬで……
遠い未来になりそうですね」
「まあ、でしたらわたくしの子を貴女にどうでしょう
シン・ユエイと縁戚関係が結べるならわたくしは光栄です」
「婿選びですか……
少々お待ちをフルー様
時雨(しぐれ)、ちょっと来なさい」
「なんですか榊姫様」
榊姫は席を外し小声で耳打ちする
二柱で陰陽師の八咫神時雨(やたがみ しぐれ)を呼び出した。
( そなた、婚活しているのでしょう
フルー様の婿はどうです?)
( えっ!?
なんですかいきなり……
もしかして私の事左遷しようとしてますか?
私何かしました?)
( 違いますむしろ昇進です
貴方は一応ノックス様の血を引いているのです、貴方なら問題は無いはずです)
( なに可愛い部下のこと政略結婚に利用しようとしているんですか榊姫様……
私ね、キャバ嬢になってまで貴女のお父さんと寝て出世してきましたけどそういうの大嫌いなんです
)
※事実じゃなく神々のお遊び設定の話
( 矛盾していますよ時雨
何とんでもない事暴露しているのです、他所でやりなさい他所で
……なるほど、あれだけの美人に喰いつかないなと思ったら
そなた、巨乳じゃないから対象外なのですね)
時雨は苦笑いしながら半分頷く
「……榊姫様、あれまずくないですか?」
時雨が指したのは同じく神で四柱の秋雲のことだった。
いつの間にかフルー女王と親しく話している。
「榊姫様、わたくし決めました
この方を連れ帰ってもよろしいでしょうか?」
「フルー様、こちらの時雨はどうでしょうか?
ノックス殿の子孫であり優しく誠実な男子です」
( おい榊姫様、なに堂々と嘘付いてんだ
この女帝は私を売りたいのか?)
「え、わたくし……こちらの殿方の方が好みですわ
肉も美味そうですし……
そちらの緑髪さんは陰陽師で食べても美味しくなさそうで……」
( おいおいこっちの女帝も大丈夫か?
なんで花婿早速喰おうとしてんだ将来的な話か?)
「ダメダメ、野菜的な意味でも時雨は栄養満点で美味しくいただけます
」
「秋の果物的な意味でやはり秋穣(あきみのり)様が……」
行きたくない秋雲はもう泣きそうである
妹である女官の八重桜(やえざくら)と涙目である。
「もう女帝同士で結婚しましょうよ
新時代作りましょう?
キマシタワー!で国民も喜びますよ」
負けじと時雨は画期的な提案を出す
「ダメダメ、フルー女王にはもっと良い人沢山いるから」
榊姫様もなかなか頑固だな、国交大丈夫か?
これで侵攻されたらたまったもんじゃないぞ
あっ、とフルー女王も気づいたようで
榊姫様の珍しく怒った表情と秋雲を手放したくないと言わんばかりに拳を握り締めている、事情を察したようだ。
――――夜の庭園にて
「……榊姫様、好いた殿方はおられますか」
「い、いきなりどうなされましたか女王様」
「わたくしはまだ愛というものがわかりません
もしかしたら愛や恋といったものに生涯知りえぬ身かもしれません
榊姫様もそう思われますか?」
「……此方の両親は離縁しており、此方は母と離れて育ちました
しかし父と母は国を隔ててなお、お互いを想い愛し合っていました
我儘を言えば、余も想いあえるような殿方と添い遂げて国を守りたいですね」
――――「では榊姫様、また来ますわ
そうだ」
フルー女王が降りてきて榊姫の耳元で囁く
( 好いた殿方と結ばれるよう応援しておりますわ
秋穣様とお幸せに)
一瞬あどけない少女の顔に戻った小さな女帝は一瞬動揺したが
「偉大なるフルー女王陛下、貴女にも大いなる幸がありますよう
国を挙げてお待ちしております」
「否定はしないと言う事ですね、お可愛らしい」
フルー女王は心から微笑んだ
月の國はなんて素晴らしいんだろう
自分にもあんな恵まれた居場所が作れたら
「決めました、わたくしも改革しますわ
ギスギスした王城を変えますわよ」
【後書き】
烏王創世記と新月神話伝のクロスオーバー的な
外交があることを本編で絡ませたいなと思って書いたもの
フルーのキャラデザ書いた時にこの話を思い浮かんだ。
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