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フローライト編
蛍姫の家族
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執筆日 2025年1月27日
フローライト編始まり、序盤ほのぼのギャグ調だけどちょっと鬱気味です。
いい子であろうと、優しい子になりたくて自分を偽ることが多かった
お父様が望む子、カトルセッテとカスティールの者が望むいい子に。
私に姉様の代役が務まるだろうか、姉様みたいな優しい姉になれるだろうか。
10月15日 フローライト10歳
「はい、できた♪
フローライトちゃんは名前の通り白が似合うわ。
まるでお人形さんみたいに綺麗な白銀ね、私達の親族も髪を褒められたらしいわよ」
「いいえ、フローライト様はお母様やお姉様のような紫の衣装が似合いますよ」
姉アメシストとメイドが服選びに奔走している。
今日は特別な日だ。
「はい、ねえさま」
人形のようと言われた少女はいつも肯定的だった。
「ねえさま、とうさまは?
とうさまは来てくれないのですか
わたしの誕生日なのにまたお仕事ですか……」
アメシストは笑顔を引きつらせて少し考えてから答えた。
「フローライトちゃん、あの人は来ないものと考えた方が良いわ
そうね、恥ずかしがり屋で来れないのよきっと」
姉は妹の髪をときながら、その髪を母ルーナが弄る。
「アーちゃん、フーちゃん。
男の人はそういうものなのよ、記念日だって大事にしないものなの。
貴女たちは大事にする男の人を選ぶのよ♪」
「いたっ!母様、痛いですわよ
優しくしてくださいませ!」
アメシストが髪を抑え念力で髪飾りを浮かせている。
「アメシスト!その力は家だけにするのよ。
ただでさえ月の髪を持つママと貴女は目立つ存在なのよ。
そう……ママも学生時代はね、モテてモテて仕方なかったわぁ~
パパと出会ったのもね、パパだけママに――――」
「ハイハイ、ママに振り向かないから意地でも振り向かせようと根暗陰キャさんに付き纏ったのが出会いでしょう?
フローライトちゃん、長くなるから行きましょう。
コーくんもきっと待ちくたびれてますわ。」
母の長話を遮り姉アメシストはフローライトを連れて庭園に連れて行った。
微笑ましい姉妹を見て母は笑う。
――――庭園にて
「コーラル、恥ずかしがらないで勇気を出しましょう……
姉さまもあなたがいないと不安です」
「……ねえさま、ねえさん。
僕騒がしいところに行きたくない。」
「んまぁっ、双子の姉弟愛尊いですわぁ~
写真写真♪」
フローライトがコーラルの手を引き、コーラルは母の手を握っている。
「あたくしカメラウーマンでございますわ。
さっ、母と双子ちゃん並んで並んで!」
アメシストはふざけてカメラ片手に指示する。
その手からひょいとカメラを取り上げた少年がいた。
「ばかやろう、姉のお前がカメラ役やってどうすんだ。
お前にカメラウーマンは10年早ぇ!
はい、ルーナ叔母さん写って写って~」
「あっ!トパゾ兄さんだぁ」
真っ先にフローライトが従兄のトパゾライトに抱き着いた。
少しむくれたアメシストがフローライトに手招きする。
「ほらぁ、トパゾ兄さんが来たらこうなるのわかってたでしょう?
フローライトちゃんとりあえずおいで、片割れが半泣きで固まってますわよ
後でトパゾ兄さんとも撮ってあげるから……」
「ほら、フローライトお嬢様。
コーラルと手を繋いで。」
パシャッ!
懐かしいあの思い出の日々……
あの後追いかけて来たラピスとアゲートに取り合いされて結局トパゾ兄さんとの2ショットは姉様が撮ったのよね。
お二人の方がお似合いで姉様には勝てないと思いましたわ。
いとこは結婚できると言うけれど、兄さんも姉様もその気は無かったみたいね。
フローライト12歳
「フローライトちゃん、コーラルくん。わたくし暫く留学で遠い地方に行くの。」
「「えっ?」」
後で知ったが表上は大火事の療養だという事で姉アメシストが養女に出される事になった。
「……わたくしね、力を制御できなくなってきたみたい。
だから修行の為にも遠い国行く必要があるの。
月の髪を持たないあなた達は大丈夫よ。」
「いやだよ姉様!置いていかないでよ!」
「そうです姉様……私達、姉様がいないと……」
泣く双子を大きく抱き締めて、姉は優しく言う。
「大丈夫、きっとまた再会できる。
大人になったらきっと会いに来てね。
お姉さん、ずっと待ってるから……
あなた達がおじいさんになっても、わたくしはきっと変わらないから。」
女神セレーネの弟の子孫である月の一族。
祖先であるかぐや姫は千年を生きたおとぎ話が残っている。
母や姉もそうなのだろうか?
――――10月15日 フローライト、14歳
穏やかな性格で双子の弟コーラルと同じように彼女も少し引っ込み思案でおどおどしていた。
相変わらず誕生日だと言うのに父の姿は見えない。
いつも仕事だと、日光アレルギーだから来れないと……
姉様の誕生日はどうだったか?
何故か姉様の誕生日は家でしか行われなかったわ。
姉様は隠された子だから……
いつか遠くに行っちゃうんだって、聞かされてた。
だから姉様は私たち双子を可愛がってくれていたし明るく楽しいお姉さんだった。
大人になったら会えるんだ、だから早く大人になって会いに行きたい。
誕生日の終わりに父様がイーノス・カーンさんとお話ししていた。
コーラルが連れられていったのを覚えているわ。
その翌日だった。
「……コーラルをカーン卿に養子に出す。」
父様が淡々と私と母に告げる。
「……何故、コーラルまで養子に出すのですか。
カトルセッテ家の継承権を持つ子なのに。」
「……カトルセッテ家に、私の子は最初から誰もいなかった。
予言でアメシストもコーラルも他家に入るのが決まっていたからだ。
……そしてお前も、年頃になればきっと声がかかるだろう。
いや、アメシストの代わりにカスティール家を継いでもらう。」
私は俯いて何も言えなかった。
食事の味がしない。
父様には最初から娘なんて、家族なんていなかったのだ。
最初から母様お一人……
「……私の、私の居場所はここではないのですね。父様。」
「……そうだ。
お前はカスティール家の娘で今は長女。
賢いお前ならわかるな?
私がかの古の一族に一矢報いたい気持ちを……
裏切り者フィオンと魔女エリスが失敗した儀式をお前にやってもらう。
」
姉様の代わりを務めろと……
母様に良く似た姉様を護る為に私を犠牲にしたのでしょう。
「……わかりました。
フローライト・カスティールは最期まで
かのエリスのような気高い魔女であり聖女であり続けましょう。」
あの日以降、私はいつか捨てられる事を知ってしまったの。
それでも生きなきゃ、理想の娘であらねば。
【あとがき】
名前の通り割と暗い雰囲気が続きますが最終的には光がある展開にしたい所存です。
だからギャグ入れたくなるのよね。
フローライト編始まり、序盤ほのぼのギャグ調だけどちょっと鬱気味です。
いい子であろうと、優しい子になりたくて自分を偽ることが多かった
お父様が望む子、カトルセッテとカスティールの者が望むいい子に。
私に姉様の代役が務まるだろうか、姉様みたいな優しい姉になれるだろうか。
10月15日 フローライト10歳
「はい、できた♪
フローライトちゃんは名前の通り白が似合うわ。
まるでお人形さんみたいに綺麗な白銀ね、私達の親族も髪を褒められたらしいわよ」
「いいえ、フローライト様はお母様やお姉様のような紫の衣装が似合いますよ」
姉アメシストとメイドが服選びに奔走している。
今日は特別な日だ。
「はい、ねえさま」
人形のようと言われた少女はいつも肯定的だった。
「ねえさま、とうさまは?
とうさまは来てくれないのですか
わたしの誕生日なのにまたお仕事ですか……」
アメシストは笑顔を引きつらせて少し考えてから答えた。
「フローライトちゃん、あの人は来ないものと考えた方が良いわ
そうね、恥ずかしがり屋で来れないのよきっと」
姉は妹の髪をときながら、その髪を母ルーナが弄る。
「アーちゃん、フーちゃん。
男の人はそういうものなのよ、記念日だって大事にしないものなの。
貴女たちは大事にする男の人を選ぶのよ♪」
「いたっ!母様、痛いですわよ
優しくしてくださいませ!」
アメシストが髪を抑え念力で髪飾りを浮かせている。
「アメシスト!その力は家だけにするのよ。
ただでさえ月の髪を持つママと貴女は目立つ存在なのよ。
そう……ママも学生時代はね、モテてモテて仕方なかったわぁ~
パパと出会ったのもね、パパだけママに――――」
「ハイハイ、ママに振り向かないから意地でも振り向かせようと根暗陰キャさんに付き纏ったのが出会いでしょう?
フローライトちゃん、長くなるから行きましょう。
コーくんもきっと待ちくたびれてますわ。」
母の長話を遮り姉アメシストはフローライトを連れて庭園に連れて行った。
微笑ましい姉妹を見て母は笑う。
――――庭園にて
「コーラル、恥ずかしがらないで勇気を出しましょう……
姉さまもあなたがいないと不安です」
「……ねえさま、ねえさん。
僕騒がしいところに行きたくない。」
「んまぁっ、双子の姉弟愛尊いですわぁ~
写真写真♪」
フローライトがコーラルの手を引き、コーラルは母の手を握っている。
「あたくしカメラウーマンでございますわ。
さっ、母と双子ちゃん並んで並んで!」
アメシストはふざけてカメラ片手に指示する。
その手からひょいとカメラを取り上げた少年がいた。
「ばかやろう、姉のお前がカメラ役やってどうすんだ。
お前にカメラウーマンは10年早ぇ!
はい、ルーナ叔母さん写って写って~」
「あっ!トパゾ兄さんだぁ」
真っ先にフローライトが従兄のトパゾライトに抱き着いた。
少しむくれたアメシストがフローライトに手招きする。
「ほらぁ、トパゾ兄さんが来たらこうなるのわかってたでしょう?
フローライトちゃんとりあえずおいで、片割れが半泣きで固まってますわよ
後でトパゾ兄さんとも撮ってあげるから……」
「ほら、フローライトお嬢様。
コーラルと手を繋いで。」
パシャッ!
懐かしいあの思い出の日々……
あの後追いかけて来たラピスとアゲートに取り合いされて結局トパゾ兄さんとの2ショットは姉様が撮ったのよね。
お二人の方がお似合いで姉様には勝てないと思いましたわ。
いとこは結婚できると言うけれど、兄さんも姉様もその気は無かったみたいね。
フローライト12歳
「フローライトちゃん、コーラルくん。わたくし暫く留学で遠い地方に行くの。」
「「えっ?」」
後で知ったが表上は大火事の療養だという事で姉アメシストが養女に出される事になった。
「……わたくしね、力を制御できなくなってきたみたい。
だから修行の為にも遠い国行く必要があるの。
月の髪を持たないあなた達は大丈夫よ。」
「いやだよ姉様!置いていかないでよ!」
「そうです姉様……私達、姉様がいないと……」
泣く双子を大きく抱き締めて、姉は優しく言う。
「大丈夫、きっとまた再会できる。
大人になったらきっと会いに来てね。
お姉さん、ずっと待ってるから……
あなた達がおじいさんになっても、わたくしはきっと変わらないから。」
女神セレーネの弟の子孫である月の一族。
祖先であるかぐや姫は千年を生きたおとぎ話が残っている。
母や姉もそうなのだろうか?
――――10月15日 フローライト、14歳
穏やかな性格で双子の弟コーラルと同じように彼女も少し引っ込み思案でおどおどしていた。
相変わらず誕生日だと言うのに父の姿は見えない。
いつも仕事だと、日光アレルギーだから来れないと……
姉様の誕生日はどうだったか?
何故か姉様の誕生日は家でしか行われなかったわ。
姉様は隠された子だから……
いつか遠くに行っちゃうんだって、聞かされてた。
だから姉様は私たち双子を可愛がってくれていたし明るく楽しいお姉さんだった。
大人になったら会えるんだ、だから早く大人になって会いに行きたい。
誕生日の終わりに父様がイーノス・カーンさんとお話ししていた。
コーラルが連れられていったのを覚えているわ。
その翌日だった。
「……コーラルをカーン卿に養子に出す。」
父様が淡々と私と母に告げる。
「……何故、コーラルまで養子に出すのですか。
カトルセッテ家の継承権を持つ子なのに。」
「……カトルセッテ家に、私の子は最初から誰もいなかった。
予言でアメシストもコーラルも他家に入るのが決まっていたからだ。
……そしてお前も、年頃になればきっと声がかかるだろう。
いや、アメシストの代わりにカスティール家を継いでもらう。」
私は俯いて何も言えなかった。
食事の味がしない。
父様には最初から娘なんて、家族なんていなかったのだ。
最初から母様お一人……
「……私の、私の居場所はここではないのですね。父様。」
「……そうだ。
お前はカスティール家の娘で今は長女。
賢いお前ならわかるな?
私がかの古の一族に一矢報いたい気持ちを……
裏切り者フィオンと魔女エリスが失敗した儀式をお前にやってもらう。
」
姉様の代わりを務めろと……
母様に良く似た姉様を護る為に私を犠牲にしたのでしょう。
「……わかりました。
フローライト・カスティールは最期まで
かのエリスのような気高い魔女であり聖女であり続けましょう。」
あの日以降、私はいつか捨てられる事を知ってしまったの。
それでも生きなきゃ、理想の娘であらねば。
【あとがき】
名前の通り割と暗い雰囲気が続きますが最終的には光がある展開にしたい所存です。
だからギャグ入れたくなるのよね。
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