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第7話 スーパーマーケットにて2
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古賀さんの一言をきっかけに、僕らはスーパー内にある、アイスクリーム屋に来ていた。
古賀さんはアーモンドチョコとキャラメルのダブル。僕はパチパチとはじけるソーダ味のシングルを買った。
「うーん、美味しい、中森くんも食べる?」
「え、いいの?」
「はい、あーん」
何だこの理想のシュチュエーション。
性に興味のある男なら誰もが妄想したり、想像したりしたことがあるであろうこの展開。
彼女が、あーんをしてくれるというやつだ。
このあーんがなぜ、男に好かれるか。解説しよう。まず、大多数が間接キスが出来るようにおにある。そして、あーんをするときに顔を近づけざるおえなくて互いの距離が縮まることにある。
やばい、これを意識しただけで顔が赤くなってきた。
僕の顔全体の動脈が血を運びすぎて、顔真っ赤になっていた!
「中森クーン?食べないの?」
「食べます!」
「じゃあ、はい、あーん」
「あーん」
顔近づけすぎか!?いやでもこうしないと、アイス零れるかもしれないし。古賀さんを初めてこんな近くで見た。顔面偏差値高すぎる。やばい、照れを顔面に表してしまう。
「お、美味しい」
「良かったー!じゃあ、ウチにもそれ頂戴?」
「えっ」
「くれないの?」
今度は僕の番か!いやまぁそうなるよな僕だけ貰うのもおかしいし。
「いや、あげるあげる。はい、あーん」
「あーんっ」
僕は、時が遅くなる感覚を覚えた。古賀さんの顔が近づき、桜色の弾力がありそうな形の良い唇が近づく。こっちがやる方なのにマジで、恥ずかしい。僕のアイスは古賀さんの口の闇の中に吸い込まれていった。
「うーん、これもさっぱりしてて美味しいね!」
僕はあれほど顔真っ赤なのに、古賀さんはまるで照れている様子がなかった。顔の細部を見てみても、顔色はいつもと同じで、、ん?
彼女の耳を見ると、少しほんのりと赤くなっているような。気の所為かもしれないけど。
でも、少しの可能性があるのならば。
僕は、この時何故か、前へ進める気がした。
「じゃ、じゃあ、もう食べたし、行こっか」
彼女はアイスをかき込んで、いつの間にか、食べ終わっていた。僕はシングルだったのにまだ食べ終わっていなくて、少し溶けつつある。
「ちょっと待って」
僕は席を立つ古賀さんを呼び止めた。
「あ、、あの」
緊張で声が震える。汗が出る。心臓がまた早鐘状態になる。でも、気にしちゃいけない。止まっちゃいけない。
「こ、古賀さんは、どう思ってるの?僕のこと」
僕は真剣な顔で、真剣なトーンでその質問を叩きつけた。
古賀さんは時が止まったかのように、口をゆっくりと大きく開けた。しかし、その表情は一瞬で無くなり、いつもの余裕そうな顔に戻っていた。
「中森くんどうしたの?急に。なんかの面白い冗談?」
彼女は、少し困った顔で茶化すようにそう言った。こんな言葉じゃ、最強の彼女には届かない、響かない。
それともやはり、僕のことなんて微塵《みじん》も眼中に無いのだろうか。そんな考えが頭によぎる。だけどもう後には引けない。ここまで言ったなら、突進するしかない。
思考よりも先に言葉が出た。
「そ、その僕のこと良い奴って言ったけど、こ、古賀さんからしたら成り行きで付き合ったわけだし、ただの暇つぶしなのか、キープ枠くらいにしか思ってないのかなって」
古賀さんは、え?と聞き返した。
言いたいことはもっとはっきりと、明確に。そうじゃないと伝わらない。
「そ、それともりょ、諒花は、僕のこと、恋人として、恋愛的な意味で好きになってくれるような要素があって、本気で付き合ってくれてるの?」
その言葉を口にした時、明らかに彼女のいつもの表情は崩れた。
僕は初めて、彼女が正面から頬を少しだけ薄く桃色に染め、照れているように見えた。
僕は、この世界の時間が止まっている感覚を体験した。
そして、彼女はゆっくりと口を開いた。
「最初は成り行きって言ったけど、正直、君の事はそういう意味で少し気になってた。だけど、それといった確信めいたものは無くて。でも、今日のデートはすごく楽しかったし、まだこれからだけど、渡、くんのこと、恋愛的に好きになる可能性はあるかもしれないっ...」
古賀さんは、最後、言葉を言い終える前に僕に背を向けた。彼女の行動は、今まで生きてきた人生の中で一番顔を真っ赤にしている人間にとっては好都合だった。本当に身体が熱い。
彼女は、背を向けたままこう呟いた。
「だからさ、今度はさ、ちゃんと休日にデートに行こ?」
「う、うん!」
◇
〈その後、中森 渡 自室にて〉
「うわあああああああああああ恥ずかしいいいいいいいいいいい」
「ああああああああああああぐおおおおおおおおなんであんなことをおおおおおおおおおおおおお」
僕は、自室のベッドでぐるぐる寝返りを打って悶《もだ》えていた。
まだ付き合ったばっかりなのに、焦りすぎて、気持ちが早まってあんなことを言ってしまうなんて。
めっちゃ重いヤツと思われちゃったかも。みたいな事をずっと繰り返し考えちゃう自分女々しすぎる!くそおおおおおおおおおお
いや、いいんだ!いいんだ!あのネガティブな僕が、あの最強ギャルの古賀さんの名前を呼べたんだぞ!
めっちゃ成長だし、進歩じゃないか!!!
なんならこっからもっと仲が深まって、、!
「うおおおおおおおおおでも思い出すとやっぱはずかしいいいいいいいいいいいいいい」
「母さーん、なんか、お兄ちゃんの部屋から変な声聞こえるけど、なんなのあれ?」
「お兄ちゃんはね、思春期で今頭がおかしくなってるのよ。だから気にしちゃダメよ」
「ふーん、お兄ちゃんクレイジーなんだ」
聞こえてるぞ、二人とも。誰がクレイジーだ!誰が!
そう心の中で思ったけど、確かに今の僕は彼女に狂わされているかもしれない。
古賀さんはアーモンドチョコとキャラメルのダブル。僕はパチパチとはじけるソーダ味のシングルを買った。
「うーん、美味しい、中森くんも食べる?」
「え、いいの?」
「はい、あーん」
何だこの理想のシュチュエーション。
性に興味のある男なら誰もが妄想したり、想像したりしたことがあるであろうこの展開。
彼女が、あーんをしてくれるというやつだ。
このあーんがなぜ、男に好かれるか。解説しよう。まず、大多数が間接キスが出来るようにおにある。そして、あーんをするときに顔を近づけざるおえなくて互いの距離が縮まることにある。
やばい、これを意識しただけで顔が赤くなってきた。
僕の顔全体の動脈が血を運びすぎて、顔真っ赤になっていた!
「中森クーン?食べないの?」
「食べます!」
「じゃあ、はい、あーん」
「あーん」
顔近づけすぎか!?いやでもこうしないと、アイス零れるかもしれないし。古賀さんを初めてこんな近くで見た。顔面偏差値高すぎる。やばい、照れを顔面に表してしまう。
「お、美味しい」
「良かったー!じゃあ、ウチにもそれ頂戴?」
「えっ」
「くれないの?」
今度は僕の番か!いやまぁそうなるよな僕だけ貰うのもおかしいし。
「いや、あげるあげる。はい、あーん」
「あーんっ」
僕は、時が遅くなる感覚を覚えた。古賀さんの顔が近づき、桜色の弾力がありそうな形の良い唇が近づく。こっちがやる方なのにマジで、恥ずかしい。僕のアイスは古賀さんの口の闇の中に吸い込まれていった。
「うーん、これもさっぱりしてて美味しいね!」
僕はあれほど顔真っ赤なのに、古賀さんはまるで照れている様子がなかった。顔の細部を見てみても、顔色はいつもと同じで、、ん?
彼女の耳を見ると、少しほんのりと赤くなっているような。気の所為かもしれないけど。
でも、少しの可能性があるのならば。
僕は、この時何故か、前へ進める気がした。
「じゃ、じゃあ、もう食べたし、行こっか」
彼女はアイスをかき込んで、いつの間にか、食べ終わっていた。僕はシングルだったのにまだ食べ終わっていなくて、少し溶けつつある。
「ちょっと待って」
僕は席を立つ古賀さんを呼び止めた。
「あ、、あの」
緊張で声が震える。汗が出る。心臓がまた早鐘状態になる。でも、気にしちゃいけない。止まっちゃいけない。
「こ、古賀さんは、どう思ってるの?僕のこと」
僕は真剣な顔で、真剣なトーンでその質問を叩きつけた。
古賀さんは時が止まったかのように、口をゆっくりと大きく開けた。しかし、その表情は一瞬で無くなり、いつもの余裕そうな顔に戻っていた。
「中森くんどうしたの?急に。なんかの面白い冗談?」
彼女は、少し困った顔で茶化すようにそう言った。こんな言葉じゃ、最強の彼女には届かない、響かない。
それともやはり、僕のことなんて微塵《みじん》も眼中に無いのだろうか。そんな考えが頭によぎる。だけどもう後には引けない。ここまで言ったなら、突進するしかない。
思考よりも先に言葉が出た。
「そ、その僕のこと良い奴って言ったけど、こ、古賀さんからしたら成り行きで付き合ったわけだし、ただの暇つぶしなのか、キープ枠くらいにしか思ってないのかなって」
古賀さんは、え?と聞き返した。
言いたいことはもっとはっきりと、明確に。そうじゃないと伝わらない。
「そ、それともりょ、諒花は、僕のこと、恋人として、恋愛的な意味で好きになってくれるような要素があって、本気で付き合ってくれてるの?」
その言葉を口にした時、明らかに彼女のいつもの表情は崩れた。
僕は初めて、彼女が正面から頬を少しだけ薄く桃色に染め、照れているように見えた。
僕は、この世界の時間が止まっている感覚を体験した。
そして、彼女はゆっくりと口を開いた。
「最初は成り行きって言ったけど、正直、君の事はそういう意味で少し気になってた。だけど、それといった確信めいたものは無くて。でも、今日のデートはすごく楽しかったし、まだこれからだけど、渡、くんのこと、恋愛的に好きになる可能性はあるかもしれないっ...」
古賀さんは、最後、言葉を言い終える前に僕に背を向けた。彼女の行動は、今まで生きてきた人生の中で一番顔を真っ赤にしている人間にとっては好都合だった。本当に身体が熱い。
彼女は、背を向けたままこう呟いた。
「だからさ、今度はさ、ちゃんと休日にデートに行こ?」
「う、うん!」
◇
〈その後、中森 渡 自室にて〉
「うわあああああああああああ恥ずかしいいいいいいいいいいい」
「ああああああああああああぐおおおおおおおおなんであんなことをおおおおおおおおおおおおお」
僕は、自室のベッドでぐるぐる寝返りを打って悶《もだ》えていた。
まだ付き合ったばっかりなのに、焦りすぎて、気持ちが早まってあんなことを言ってしまうなんて。
めっちゃ重いヤツと思われちゃったかも。みたいな事をずっと繰り返し考えちゃう自分女々しすぎる!くそおおおおおおおおおお
いや、いいんだ!いいんだ!あのネガティブな僕が、あの最強ギャルの古賀さんの名前を呼べたんだぞ!
めっちゃ成長だし、進歩じゃないか!!!
なんならこっからもっと仲が深まって、、!
「うおおおおおおおおおでも思い出すとやっぱはずかしいいいいいいいいいいいいいい」
「母さーん、なんか、お兄ちゃんの部屋から変な声聞こえるけど、なんなのあれ?」
「お兄ちゃんはね、思春期で今頭がおかしくなってるのよ。だから気にしちゃダメよ」
「ふーん、お兄ちゃんクレイジーなんだ」
聞こえてるぞ、二人とも。誰がクレイジーだ!誰が!
そう心の中で思ったけど、確かに今の僕は彼女に狂わされているかもしれない。
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