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久しぶりに学院時代の先輩に会いましたが、相変わらず何を考えてるのか分からない仏頂面でございまして

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「おや、先輩じゃないですか」

「……ああ、君か」

 職場から帰る途中で、学院時代の先輩に会いました。

 一時期に憧れていた先輩で、婚約者がいたとのことで諦めざるを得なかったという……。

 まあ、青春の思い出ですね。

 しかしこんなところで会うとは、まあ珍しいこともあるものです。

「ちょっと飲みに行かないか、奢るぞ」

 いやいや、本当に珍しい。もちろん行きますとも。



「君の活躍は此方にも届いている。頑張っているな」

 いやいやどうも。まあ、チームの成果であって私一人のものでは無いわけですけれども。

 娘さんが生まれて以来ですけど、先輩は元気ですか? 奥様と仲良くされてます? 

「……五年前に別れた」

 そんなことあります……?

 しかも酒に酔っているのか、ぽつぽつと事情を話してくれまして、奥様を流行り病で亡くしてしまったそうです。

 今は娘さんを育てつつ、漫然として生きているとのこと。

「たまには遊びに来ると良い。娘も君を希求している」

 そう言うと、先輩は酔い潰れて寝息を立て始めました。

 あー、もしかすると、少しばかり面倒なことになってきましたね……?
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