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終章「戻ってきた日常」
269話
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――自分の娘とは思えないほどに立派なもんだ。
と、七之上が嘆息するのも無理はない。
なぜなら、彼がこの世界にやってきてからやったことと言えば、全裸であることに憤慨したこと、すぐにガチャチケットを使ったこと、家を建てる人手を召喚するためにガチャチケットを使ったこと、それくらいだからである。
「ロクでなしじゃん! 俺!」
ロクでもないとぶつぶつ呟きながらも七之上はベッドから起き上がり、タンスを求めてよたよた歩く。
まだ若いくせに、腰に痛みが走っているのだ。
痛みは一時的なものじゃ、とディーネによって診断されているが、痛みが生じた理由については本人と従者にしか分からぬだろう、と笑って言うから性質が悪い。
あまり無理をするものではないぞ、とディーネは忠告してくれたものの、従者に強く出られない七之上としては乾いた笑いで返答するしかなかった。
ともあれ、腰を軽くぽんぽんと叩きつつ、彼はタンスの中を漁る。
なぜなら彼は再び全裸であり、人前に出るには恥ずかしい格好だからである。
文化人たれ、教養人たれ、と自負している七之上の思考としては、全裸の状態が許されるのは風呂の中だけだと確信している。
衣食住は文化の象徴であると同時に、人間を動物から一段と先に進めた位置へと高らしめるのだ。
七之上は心の中でそのように絶叫しながら、タンスの中身を漁っている。
しかしタンスの中にあるのは、従者たちの物と思われる下着や衣類ばかりだ。
夢中になって自身の衣類を探している七之上を他所に、
「マスター、おはよう……なの……?」
マリーが扉を開いて目撃したのは、自分たちのタンスの中身を漁り続けている、全裸の主人に他ならなかった。
と、七之上が嘆息するのも無理はない。
なぜなら、彼がこの世界にやってきてからやったことと言えば、全裸であることに憤慨したこと、すぐにガチャチケットを使ったこと、家を建てる人手を召喚するためにガチャチケットを使ったこと、それくらいだからである。
「ロクでなしじゃん! 俺!」
ロクでもないとぶつぶつ呟きながらも七之上はベッドから起き上がり、タンスを求めてよたよた歩く。
まだ若いくせに、腰に痛みが走っているのだ。
痛みは一時的なものじゃ、とディーネによって診断されているが、痛みが生じた理由については本人と従者にしか分からぬだろう、と笑って言うから性質が悪い。
あまり無理をするものではないぞ、とディーネは忠告してくれたものの、従者に強く出られない七之上としては乾いた笑いで返答するしかなかった。
ともあれ、腰を軽くぽんぽんと叩きつつ、彼はタンスの中を漁る。
なぜなら彼は再び全裸であり、人前に出るには恥ずかしい格好だからである。
文化人たれ、教養人たれ、と自負している七之上の思考としては、全裸の状態が許されるのは風呂の中だけだと確信している。
衣食住は文化の象徴であると同時に、人間を動物から一段と先に進めた位置へと高らしめるのだ。
七之上は心の中でそのように絶叫しながら、タンスの中身を漁っている。
しかしタンスの中にあるのは、従者たちの物と思われる下着や衣類ばかりだ。
夢中になって自身の衣類を探している七之上を他所に、
「マスター、おはよう……なの……?」
マリーが扉を開いて目撃したのは、自分たちのタンスの中身を漁り続けている、全裸の主人に他ならなかった。
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