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六章「闘争」
245話
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エルフ襲撃の報がもたらされたのは、何もアジトだけに限った話ではない。
右翼、中央、左翼の三隊の各十チームが散開してそう間もなく、突然の襲撃があったからだ。
最初に襲撃を報告したのは、右翼のCチームであった。
チームメンバーがやられる間際に襲撃を伝えるように指示を出したことで、早めに発覚したと言って良い。
だが、エルフ襲撃の報告が広まるより早く、既に複数のチームが行動不能状態に陥っていた。
いずれにおいても、娘たちにおける密な連絡と敵の死角を突いた不意打ちによるものだ。そして初めに不意を打たれたチームは、いずれも両翼の末端であった。
「幸先が良いね」
当然、これらは娘たちの作戦によるものである。
人数の多い敵が十分に散開した後では、倒していくのに時間が掛かる。
散開した後のチームと個別に戦っていてはかなりの時間が掛かり、その間に撤退される可能性も出てきてしまう。
かといって、まとまったままでいられるとそれもまた面倒になるのだ。
集団戦闘の経験においては、娘たちよりも盗賊団に分があると思って良い。
集団による戦闘と撤退を含めた総合的な能力を考えた場合、娘たちより盗賊団の方に分がある。
もし連携を取れる距離を維持した場合、娘たちの採れる戦術は限られてくるだけでなく、その成功率も低くなる。
娘たち自身が自覚していることでもあるが、娘たちが最大の長所は恵まれた身体能力と魔力なのである。
戦闘経験は、まだまだ子どもの域から脱却できていない。
なればこそ、盗賊団には相互に連携できないほどの距離を開けてもらうか、或いは連携できるかできないかの距離まで開いてもらい、その時点から敵の各個撃破を狙っていくという戦術がベストだったわけだ。
右翼、中央、左翼の三隊の各十チームが散開してそう間もなく、突然の襲撃があったからだ。
最初に襲撃を報告したのは、右翼のCチームであった。
チームメンバーがやられる間際に襲撃を伝えるように指示を出したことで、早めに発覚したと言って良い。
だが、エルフ襲撃の報告が広まるより早く、既に複数のチームが行動不能状態に陥っていた。
いずれにおいても、娘たちにおける密な連絡と敵の死角を突いた不意打ちによるものだ。そして初めに不意を打たれたチームは、いずれも両翼の末端であった。
「幸先が良いね」
当然、これらは娘たちの作戦によるものである。
人数の多い敵が十分に散開した後では、倒していくのに時間が掛かる。
散開した後のチームと個別に戦っていてはかなりの時間が掛かり、その間に撤退される可能性も出てきてしまう。
かといって、まとまったままでいられるとそれもまた面倒になるのだ。
集団戦闘の経験においては、娘たちよりも盗賊団に分があると思って良い。
集団による戦闘と撤退を含めた総合的な能力を考えた場合、娘たちより盗賊団の方に分がある。
もし連携を取れる距離を維持した場合、娘たちの採れる戦術は限られてくるだけでなく、その成功率も低くなる。
娘たち自身が自覚していることでもあるが、娘たちが最大の長所は恵まれた身体能力と魔力なのである。
戦闘経験は、まだまだ子どもの域から脱却できていない。
なればこそ、盗賊団には相互に連携できないほどの距離を開けてもらうか、或いは連携できるかできないかの距離まで開いてもらい、その時点から敵の各個撃破を狙っていくという戦術がベストだったわけだ。
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