エルフだと思った? 残念! エルフじゃなくてゴブリンでした!

広畝 K

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五章「発端」

227話

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「そう考えると、娘たちだけで対応できちゃったりするん?」

「むしろノリノリで、私とエリーは手を出すなって言われちゃってるの……」

 マリーとエリザベスが戦いに参加したら、それこそ何の苦もなく終わってしまうだろう、と娘たちは危惧したらしい。できれば、自分たちが命を賭けて戦うことによって、これから先に行われるであろう生存競争に対し、少しでも力と経験をつけておきたいのだという。

 戦いにまだ参加するほど身体と魔力が成長していない娘たちは、弓矢の作成に携わることによって、間接的に参加しているとのことである。資材についても自分たちで用意したらしく、本当に娘たちだけで戦いを行う様子であるという。

「娘たちだけで大丈夫だと思うか?」

 七之上の問いを受けた二人は顔を見合わせ、揃って首を縦に振った。

 マリーが言うには、敵の発見やアジトの偵察だけでなく、作戦立案も娘たちが率先して考えたものであるらしい。多少はディーネやマリーも補足を入れたが、大部分は娘たちが自分たちで主導したとのことである。

「それだけやる気があるんだから、今回は適当に任せるの」

 もしこちらが負けたとしたら、それは娘たちが弱かったというだけの話である。負けることは悲しいことであるとはいえ、別に種族が絶滅する戦いでもない。生存競争として考えるまでもなく、濃縮させた蜂蜜ほどに甘い戦いになる、とマリーは言うのだ。
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