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五章「発端」
201話
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まず、保護した少女のことである。
救出時にはかなり衰弱していたものの、かなりの回復魔法を掛けたため、ひとまず命に別状はないだろうとのことである。
「さっきチラッと顔を見たけどさ、肌がつやっつやしてたよな?」
「さらに言うなら、実にふくよかな顔をしていましたね」
「……ディーネ様が、また張り切ったの……」
回復魔法だけに飽き足らず、泉の水や食料から抽出した養分を皮膚から浸透させるという荒業を見せたらしい。応急手当の実践として娘たちに見せたかったようであるが、それを何度も行ったお陰で不憫な少女は危うく栄養過多になりかけたとのことであった。
「前から思ってたけどさ。ディーネって、実は馬鹿なんじゃねーの?」
「まあ、ある程度様子を見たら、護衛をつけて故郷に帰してあげましょう」
「そのつもりなの……」
流石に少女を聖域に置いたままというわけにもいかない。さらには少女の将来を考えた場合、人間の多く住む場所に帰した方が良いということになった。娘たちの幾人かは友人ができると思っていたらしく、残念がっていたが、たまにこっそりと会いに行けば良いだろうということで納得しているという。
救出時にはかなり衰弱していたものの、かなりの回復魔法を掛けたため、ひとまず命に別状はないだろうとのことである。
「さっきチラッと顔を見たけどさ、肌がつやっつやしてたよな?」
「さらに言うなら、実にふくよかな顔をしていましたね」
「……ディーネ様が、また張り切ったの……」
回復魔法だけに飽き足らず、泉の水や食料から抽出した養分を皮膚から浸透させるという荒業を見せたらしい。応急手当の実践として娘たちに見せたかったようであるが、それを何度も行ったお陰で不憫な少女は危うく栄養過多になりかけたとのことであった。
「前から思ってたけどさ。ディーネって、実は馬鹿なんじゃねーの?」
「まあ、ある程度様子を見たら、護衛をつけて故郷に帰してあげましょう」
「そのつもりなの……」
流石に少女を聖域に置いたままというわけにもいかない。さらには少女の将来を考えた場合、人間の多く住む場所に帰した方が良いということになった。娘たちの幾人かは友人ができると思っていたらしく、残念がっていたが、たまにこっそりと会いに行けば良いだろうということで納得しているという。
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