エルフだと思った? 残念! エルフじゃなくてゴブリンでした!

広畝 K

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四章「町へ行こう」

174話

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 二、三軒回ったところで、二人はようやく部屋の開いている宿を見つけた。
 満室だったらしいのだが、予約のキャンセルが宿にあったらしく、一部屋空いたとのことである。

 これが数多の物語から伝え聞く、ご都合主義的な展開というものかもしれない、と七之上は密かに戦慄した。

 もちろん、その都合というのはエリザベスにとって都合が良い、という意味だ。二人の男女、空いている部屋が一つ。そして部屋の寝具は、二人用のベッドが一つだけ、とのことであった。

 七之上は整えられた状況に、この上なく戦慄したのだ。

「大丈夫です。ここでは私たちは主従なので、寝るだけですよ」

「ここが町じゃなかったら?」

「部屋に入った瞬間に襲ってました」

「だろうなー」

 七之上としてはそう言って、軽く流すより他になかった。
 そういった関係になっているとはいえ、まだまだ羞恥や照れはあるのだ。
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