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四章「町へ行こう」

164話

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「なあ」

 と、冒険者協会から少し離れたところで、七之上がエリザベスに問う。
 あの男は何を言っていたのか、と。まあ、彼女が無表情でかなり怒っていたことを察するに、ろくでもないことに違いないとは思っていたが、気になるものは気になるのである。
 知る必要のないことであればそういう風に言うであろうと知っているので、何の気兼ねも無しに聞いてみたのだ。すると、あっさりと答えが返ってきた。

「誠実の『せ』の字も無い軟派野郎に未来はない、とかなんとか言っていました」

「ふーん、イケメンが言うと流石に説得力が違うな」

 エリザベスが予想以上に怒っていたことを知り、七之上は投げられた男に僅かな憐憫を覚えたが、防具屋の前に着いたときには、そんな微かな思いは頭の中から綺麗に消えていた。
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