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三章「ゴブリン大家族」

110話

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 だがまあ、任されてやろうと言うディーネの顔は、やはり嬉しそうに緩んでいた。

 七之上としては、無断で自分の下半身を襲うようなエリザベスやマリーに教育を任せたらどうなるか、不安で仕方がないというのもある。
 その点、精霊という長い年月を経ている種族であるならばそういった心の機微や広い知識について、娘たちに手堅く教えてくれることであろう。

 娘たちと言えば、ディーネはゴブリン娘たちが大繁殖したことについてはどう思っているのだろうか?
 そして、どうして男が生まれていないのだろうか?
 と、七之上は立ち去る前に聞いておくことにした。

「そうさな」

 エリザベスとマリーが大量に卵を産んで、結果として大繁殖したことについては、別に構わないらしい。事前に話を聞いていたのもあり、むしろ歓迎したとのことだ。と言うのも、生まれてくる子どもが可愛い娘たちだと予測が済んでいたことを聞かされていたためだと言う。
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