エルフだと思った? 残念! エルフじゃなくてゴブリンでした!

広畝 K

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三章「ゴブリン大家族」

105話

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 腹の底を響かせるようなその振動で終演したその魔法は、皆の心を打ったらしい。
 娘たちは揃って歓声を上げて手を打ち鳴らし、中には涙を流して拍手をする娘たちもいた。
 七之上も例に漏れず、派手で強力な魔法を間近で見て、感情が揺れ動いているのを実感していた。既に手は自分の意思とは無関係に、大きな拍手を行っている。

 そのひとつだけ音の違う拍手に、ディーネは気がついたらしい。集まっている娘たちを前に笑みを浮かべ、小さな水球で軽い手慰みのお手玉を披露しながら、七之上に話しかけた。

「おお、全裸か。先の魔法、なかなか良かったじゃろう?」

「結構めちゃくちゃしてたけど、やり過ぎじゃね?」

「これくらい魅せんと、この娘らが魔法に興味を持ってくれんかもしれんと思ってのう」
 と言いながら、投げる水球の数を増やしていく。
 水球には色がついていて、七色を超える鮮やかな色彩が宙で踊る様は先の水竜より地味ではあるが、上手くまとめられた華やかさと確かな技術を感じさせる。
 娘たちも先の魔法とは違った華麗さに見入り、水球を静かに目で追っている。

「攻撃重視の魔法ばかりでは面白くないからのう。こういった基礎の魔法も応用して、娘らを楽しませておるのよ」
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