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三章「ゴブリン大家族」
96話
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それよりも七之上としては、絶対的に気になることがあったのだ。
七之上は娘たちの体を見る。彼女たちはそれぞれ白と黒のワンピースを着ていた。シンプルでありながらも、着ている者の良さを引き出させる、丁寧で上品な作りである。
試しにそっと触れてみると、今まで七之上が見知っている、どのような素材よりも確かな手触りと肌触りを感じさせる。縫い目などは綺麗に隠しているのかまったく見えず、極上の品であることに疑いの余地はない。
しかし、そういった素材の良さなども七之上としては問題ではないのである。
「……なぜだ」
そう、なぜ娘たちは、各々の身体に合ったワンピースを着ているのか? 七之上としては、それが納得いかないのである。服を着ている、その一点こそが、何よりも娘たちに嫉妬せざるを得ないほどに七之上の苦悩を突いていた。
七之上は娘たちの体を見る。彼女たちはそれぞれ白と黒のワンピースを着ていた。シンプルでありながらも、着ている者の良さを引き出させる、丁寧で上品な作りである。
試しにそっと触れてみると、今まで七之上が見知っている、どのような素材よりも確かな手触りと肌触りを感じさせる。縫い目などは綺麗に隠しているのかまったく見えず、極上の品であることに疑いの余地はない。
しかし、そういった素材の良さなども七之上としては問題ではないのである。
「……なぜだ」
そう、なぜ娘たちは、各々の身体に合ったワンピースを着ているのか? 七之上としては、それが納得いかないのである。服を着ている、その一点こそが、何よりも娘たちに嫉妬せざるを得ないほどに七之上の苦悩を突いていた。
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