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二章「使っちまおうガチャチケット」
75話
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試しにそのローブに触れてみよ、と促されたエリザベスは触れようとして驚いた。
「これは、確かに」
確かにディーネの言うとおりで、エリザベスの手は七之上のローブを掴むことはできなかった。
どころか、すり抜ける有様であった。
エリザベスの手はローブに触れることなく、そのまま七之上の肩をポンポンと叩くこととなった。
「つまりマリーのこの魔法は、服を着ているように見せる幻視の魔法のようなものということじゃな。
光か闇か、属性までは分からぬが、そのどちらかの魔法を行使したものであろう」
「流石の慧眼なの……でも……」
マリーの言いたいことを理解して、ディーネは笑みを見せて頷いた。
「うむ、これなら全裸も町に行くことができような」
「すげぇじゃん! マリー、お前ってば大した奴だよ!」
七之上の喜びに対して、マリーは心なしか胸を張って喜んだ。
その可愛らしさに胸を打たれたエリザベスは、滅多に見せないにこやかな笑顔でマリーに後ろから優しく抱きつき、その頭をゆっくりと丁寧に撫で始めた。
どうでもいいことだが、このエリザベス、マリーのことを可愛がる癖がついている。
「これは、確かに」
確かにディーネの言うとおりで、エリザベスの手は七之上のローブを掴むことはできなかった。
どころか、すり抜ける有様であった。
エリザベスの手はローブに触れることなく、そのまま七之上の肩をポンポンと叩くこととなった。
「つまりマリーのこの魔法は、服を着ているように見せる幻視の魔法のようなものということじゃな。
光か闇か、属性までは分からぬが、そのどちらかの魔法を行使したものであろう」
「流石の慧眼なの……でも……」
マリーの言いたいことを理解して、ディーネは笑みを見せて頷いた。
「うむ、これなら全裸も町に行くことができような」
「すげぇじゃん! マリー、お前ってば大した奴だよ!」
七之上の喜びに対して、マリーは心なしか胸を張って喜んだ。
その可愛らしさに胸を打たれたエリザベスは、滅多に見せないにこやかな笑顔でマリーに後ろから優しく抱きつき、その頭をゆっくりと丁寧に撫で始めた。
どうでもいいことだが、このエリザベス、マリーのことを可愛がる癖がついている。
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