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二章「使っちまおうガチャチケット」
62話
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口調はともかく、きちんとしたお辞儀をしているマリーを眺めながら、ディーネは隣に座っているエリザベスに声をかける。
その声は思慮深さを感じさせるような、老成としたものであり、真面目な思考に裏打ちされた声色であった。
「随分と可愛らしい幼子が出てきたものじゃが……まさか、全裸の趣味思考及び特殊性癖などが反映された結果なのではあるまいな?」
「可能性は否定できませんね。寝ていた私を襲わなかったのも、マスターがロリコン属性という十字架を背負っているためかも知れません」
二人の女性が真面目に語っている姿と話の内容を感じたマリーはビクッと身体を震わせて、その内容の対象である七之上を恐る恐る見上げた。
七之上はそれを気にした風もなく、爽やかに微笑んだ。
その微笑みには、一切の翳りがなく、マリーを安心させるだけの慈愛が込められていた。
七之上はマリーの頭を、フード越しに優しくなでながら諭すように言う。
「見ての通り全裸な俺が、君のマスターだ。
あっちの二人は俺のことを邪悪なロリコンみたいに言ってるけど、決して悪気があったり、本心で言ったりしてるわけじゃないはずだ。
そして俺はロリコンじゃないから、すっごい安心して欲しい! 全力で!」
その声は思慮深さを感じさせるような、老成としたものであり、真面目な思考に裏打ちされた声色であった。
「随分と可愛らしい幼子が出てきたものじゃが……まさか、全裸の趣味思考及び特殊性癖などが反映された結果なのではあるまいな?」
「可能性は否定できませんね。寝ていた私を襲わなかったのも、マスターがロリコン属性という十字架を背負っているためかも知れません」
二人の女性が真面目に語っている姿と話の内容を感じたマリーはビクッと身体を震わせて、その内容の対象である七之上を恐る恐る見上げた。
七之上はそれを気にした風もなく、爽やかに微笑んだ。
その微笑みには、一切の翳りがなく、マリーを安心させるだけの慈愛が込められていた。
七之上はマリーの頭を、フード越しに優しくなでながら諭すように言う。
「見ての通り全裸な俺が、君のマスターだ。
あっちの二人は俺のことを邪悪なロリコンみたいに言ってるけど、決して悪気があったり、本心で言ったりしてるわけじゃないはずだ。
そして俺はロリコンじゃないから、すっごい安心して欲しい! 全力で!」
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