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二章「使っちまおうガチャチケット」
51話
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その数分の道中では魔物に遭うことなく、さしたる苦労もせず、二人は無事に目的地としていた水場に辿り着いた。
水場は小さな泉を中心とした、憩いの広場となっているようであった。
泉の中心からは水がこんこんと湧き出ているらしく、中央から端に向かって、綺麗な水の流れを生み出している。
どうやら、毒は含まれていないらしい。小さな鳥が何羽か、水際で羽根を休めたり、水浴びをしたりしているのが見える。
他にも魔力を持たない動物たちが何匹か、広場のいたるところで身を休めている。
その中には魔物も何匹か休んでいるが、周りの動物たちは反応しない。それどころか魔物たちすらも、広場で休んでいるものたちに対して、敵意や殺意を向けていない。
その対象には、七之上たちも含まれているようだ。
本来であれば、近づくものすべてに対して凶暴性を発揮するのが魔物という生物である。その常識から考えるのであれば、この穏やかな状況は奇跡と言っても過言ではないだろう。
エリザベスは今いる水場の特異性を感じながら、七之上の呟きを聞いた。
「意外に明るいんだな、ここ」
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本来であれば、近づくものすべてに対して凶暴性を発揮するのが魔物という生物である。その常識から考えるのであれば、この穏やかな状況は奇跡と言っても過言ではないだろう。
エリザベスは今いる水場の特異性を感じながら、七之上の呟きを聞いた。
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