47 / 271
二章「使っちまおうガチャチケット」
47話
しおりを挟む
エリザベスは七之上の隣に座り、七之上と同じように大樹に背中を預け、自身に気配隠しの魔法を掛ける。魔力を大量に消耗したとはいえ、簡単な補助の魔法程度ならば、まだまだ行使できるほどの余力は残っている。
周囲に臭いや姿を薄れさせる風の結界を張り終わると、意識が朦朧としてきた。魔力をかなり消費したため、身体が回復を求めているのだ。
オーガが殺気を振りまいたために周囲に魔物の気配はない。
しばらくの間は、ここに寄ってくる魔物はいないであろう。
もし仮に魔物が近寄ってきたとしても、オーガほどの強さを持つ魔物でなければ、結界によって隠されている気配や姿、臭いに気づくことはないはずだ。
それだけの効力を持つ結界を張れるほどには、魔力を常に残している。その程度の魔力すら残せない場合は逃げるか、死を賭して戦うしかない。
今回の戦いは面倒であったが、そういう意味では、楽な部類に入る戦いであったと言えるだろう。
回復は、召喚者の側にいれば短い時間で済む。
七之上が起きる頃には、自身も万全とはいかないまでも、かなり回復できるだろう。
そこまで考えると、もはや思考も追いつかず、意識がまどろみの中に沈んでゆく。足を両手で抱え込み、エリザベスはゆっくりと目を閉じた。
周囲に臭いや姿を薄れさせる風の結界を張り終わると、意識が朦朧としてきた。魔力をかなり消費したため、身体が回復を求めているのだ。
オーガが殺気を振りまいたために周囲に魔物の気配はない。
しばらくの間は、ここに寄ってくる魔物はいないであろう。
もし仮に魔物が近寄ってきたとしても、オーガほどの強さを持つ魔物でなければ、結界によって隠されている気配や姿、臭いに気づくことはないはずだ。
それだけの効力を持つ結界を張れるほどには、魔力を常に残している。その程度の魔力すら残せない場合は逃げるか、死を賭して戦うしかない。
今回の戦いは面倒であったが、そういう意味では、楽な部類に入る戦いであったと言えるだろう。
回復は、召喚者の側にいれば短い時間で済む。
七之上が起きる頃には、自身も万全とはいかないまでも、かなり回復できるだろう。
そこまで考えると、もはや思考も追いつかず、意識がまどろみの中に沈んでゆく。足を両手で抱え込み、エリザベスはゆっくりと目を閉じた。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説

転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー
すもも太郎
ファンタジー
この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)
主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)
しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。
命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥
※1話1500文字くらいで書いております

今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

異世界でタロと一緒に冒険者生活を始めました
ももがぶ
ファンタジー
俺「佐々木光太」二十六歳はある日気付けばタロに導かれ異世界へ来てしまった。
会社から帰宅してタロと一緒に散歩していたハズが気が付けば異世界で魔法をぶっ放していた。
タロは喋るし、俺は十二歳になりましたと言われるし、これからどうなるんだろう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる