婚約者ができたことを叔母様に祝福される話

婚約者ができたことを叔母様に祝福される話

　今日はアドレア叔母様が訪ねてきました。

　彼女は結婚しないタイプの人で、愛人を何人も囲っているそうです。

　お陰で社交界から弾き出されているみたいですが、気にもしていないという唯我独尊っぷり。

「貴女が婚約者を得られたと聞いて、私は安心しました」

　その割に、常識的なことを仰る方でもあります。

　付き合いやすい方ではありますが、まあ、やはり人によるのでしょうね。

　しかしそれにしても、そう思われるのなら叔母様も再婚したら良いのでは？

　そう問えば、首を緩々と横に振って言うのです。

「その人と常に居ると、粗が気になるのですよ。偶に会うから、その人の粗に気付かずに済むのです」

　離婚してからは気が楽になったと言って微笑む叔母様ですが、やはり一抹の寂しさはあるとのこと。

　だからこその愛人で、男女関わらず囲んでいるとのことらしいです。

　私もいつか叔母様のように考える日が来るのかもしれません。

　なるべく、そのような日が来ないようにとも思いますが。