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友人の女騎士団長が私の婚約者に告白した話

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 「やっほーメアリ、来たぞー」

 屋敷に訪れたのは、騎士団長のレイスさんです。

 最近は騎士団の活動が忙しくなっているそうで、こうして会うのも久しぶりになります。

「もしかして、また背が伸びました?」

「ああ、少し前に190を超えたよ。まったく、どこまで伸びるのやら」

 遠い目をしているレイスさんですが、背の低い私からは羨ましくも思えます。レイスさんからすれば私の方が羨ましく思えるそうで、隣の芝は青いものです。

「それで、また縁談が取り止めになったとか」

「ああ。男みたいな女は嫌なんだとさ」

「相手の見る目が無いんですよ」

「それには私も同意ですね。騎士団長レイスと言えば、この国の英雄ですよ」

 自然に会話に混ざってくるエドガー様ですが、その悪い癖、どうにかなりませんかね。

 ほら、レイスさんも驚いているじゃないですか。

 いや……よく見れば少し、目が輝いている感じがしますね。

 まさか……。

「いきなりだが、私と結婚してほしい」

「すみません。メアリさんと婚約しているので」

 衝動的な告白は、あっさりと撃沈されました。

 というか、即座に笑顔で断るとか、エドガー様も容赦がないです。

「やはり駄目だったか……」

 それはもう。

 婚約している人に告白しても駄目でしょう。

「ロマンス小説ならチャンスはあったんだが……」

 現実はロマンス小説ではありませんので。
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