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義姉と婚約者、出会ってはいけない二人が出会ってしまったのかも知れない話

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「メーアーリーちゃーん!」

 いきなり後ろから抱き着いてきたのは、兄嫁である義姉さんです。

 婚約者のエドガー様と言い、義姉さんと言い、私をもみくちゃにしなければ気が済まないんでしょうか……。

「はい」

 はいじゃないんですよ、エドガー様……。

 というか、義姉さんも真面目な顔をして同意を示さないで下さい。

「君、なかなか話が分かるわね」

「光栄です」

 握手を交わして分かり合っている様子の二人ですが、どことなく剣呑な雰囲気がありますね。

 私の見ている先で、義姉さんが不敵な笑みを浮かべました。

「良い男じゃないの。メアリちゃんから私に乗り換えない?」

 義姉さん!?

「すみません。僕はメアリさん一筋ですので」

「気に入った! メアリちゃんを君に上げましょう!」

「光栄です」

 二人とも!?



 もしかすると、出会ってはいけない二人が出会ってしまったのかも知れません。

 二人してもみくちゃにしてくるのは割と反則だと思うんですよ。私。
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