婚約者にお菓子を食べさせたら錯乱させてしまった話

広畝 K

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婚約者にお菓子を食べさせたら錯乱させてしまった話

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「そういうわけで、お菓子を作ってきました。クッキーです」

「メアリさんが、僕にお菓子を……」

 なんだか呆然としている婚約者のエドガー様ですが、そんなに驚かれることですかね。

 これまでにも何度かお菓子の差し入れはしたことがあるでしょうに。

「手作りは初めてじゃないですか」

 市販品の方が安全面でも味の面でも信用できますからね。

 とか言っているうちに、エドガー様はクッキーを一枚、口に含んで食べました。

 えっ、なんか涙流してるんですけど……。

 そんなに不味かったでしょうか。

「愛の味がします……!」

 愛の味……?

 愛とは……?

「家宝にしてもよろしいでしょうか……子々孫々に愛を伝えたい……」

 アホなこと言ってないで、ここで全て食べきって下さい。
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