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可愛い弟に婚約者ができたと喜んでいた私ですが、どうやらその婚約者の本命は私のようでして……その、困る

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「姉さん、僕の婚約者を紹介します」

「初めまして、アラン様の婚約者として参りました、マリーと申します」

 あらあらまあ、アランには勿体なさそうな娘さんです。

 聞けばあの有名なボードリ伯爵家の御令嬢とのこと。

 お義姉様と呼ばれるのは気恥ずかしいですが、まあ、悪い気はしませんね……!

 弟のこと、末永くよろしくお願いします。



 とか思ってたのですが、どうもこのマリーさん。

 弟のいない間にやってきて、矢鱈と私に引っ付いてきます。

 これは、もしかするともしかするのでは……?



 ボードリ家に訊ねてみますと、案の定、向こうの家は彼女のそれを把握していた模様です。

 知らないのは弟だけで、我が家も認識していた模様。

 有りなんですか、それ。

「跡継ぎは生みますので、問題はありません。アラン様も確りと愛してみせましょう」

 いや、マリーさんが良いなら良いですけどもね。

 そのアラン様『も』ってのが気になるんですよね。『も』っていうのが。

 まるで一番が私のようじゃないですか。

「そうですが、それが何か?」

 それが何か? じゃないんですよね……。

 もしかして私、生涯独身コースなのでは……?
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