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我が国の王女が大国の王子と楽しそうに談笑をされていたことを問題視して騒いでいる方がいましたが、政略結婚なので問題無しです。

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 我が国は小国なので、王女様が人身御供よろしく大国の王子と結ばれるのは半ば仕方の無いことです。

 それについては、王女様ご自身も理解しておいでの筈なのです。

 ですがまあ、それを理解できない貴族がいるのもまた事実。

 現に食堂のそこかしこで、王女様が他国に嫁ぐことを問題だと叫んでいる方々がちらほら見えます。

 そんな方々を見て、私の隣にいるその国からの留学生は呆れの溜め息をつきました。

「彼らは王女と王子が仲睦まじくしている様子を見ていなかったのかな?」

 見てなかったんでしょうね。

 どう見ても両想いで、両国ともにWinWinの話です。

 でもですね、やはり文句を言う人は出るんです。

 そして、そういう文句を言う人も国にとっては必要なのです。

「多様性?」

 そう、多様性です。

「でも私は、彼らのことは嫌いだな」

 抑えて抑えて。

 ほら、王女と王子の婚約を祝してケーキでも食べましょ。
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