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婚約者が人間ではなかった話
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「えっ、君……僕の耳が見えるの?」
耳どころか顔のおヒゲも見えますよ。それも婚約を結ぶことになった初対面の時から。
そのように言えば、人気のない離れに連れて行かれて、話を聞くことになりました。
どうにもやはり、彼は人間ではなく霊狐という種族なのだそうです。
本来の侯爵令息と仲が良く、令息が亡くなってからは彼が身代わりとして生きてきたのだとか。
身代わりやら霊やら、事情はよく飲み込めませんが、ともかく精霊の類だということだけは分かりました。
その証拠に、他の人には霊狐だとは分からないようでしたし。
どうか秘密にしてくれと頼まれたので、私は二つ返事で引き受けました。
婚約を結んだ時から、割と気に入っていましたからね。
耳どころか顔のおヒゲも見えますよ。それも婚約を結ぶことになった初対面の時から。
そのように言えば、人気のない離れに連れて行かれて、話を聞くことになりました。
どうにもやはり、彼は人間ではなく霊狐という種族なのだそうです。
本来の侯爵令息と仲が良く、令息が亡くなってからは彼が身代わりとして生きてきたのだとか。
身代わりやら霊やら、事情はよく飲み込めませんが、ともかく精霊の類だということだけは分かりました。
その証拠に、他の人には霊狐だとは分からないようでしたし。
どうか秘密にしてくれと頼まれたので、私は二つ返事で引き受けました。
婚約を結んだ時から、割と気に入っていましたからね。
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