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修羅場を対岸で傍観できるのも壁の華としての特権です。

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 どうも、端役の令嬢です。

 今日はエンリル公爵様の開催した舞踏会ということで、私も張り切って参加したわけなんですけれども。

 二回か三回踊っただけで疲れてしまいまして、いやはや、体力の無さが悔やまれますね。

 とか思って壁の華に甘んじていたところ、何やらホールの真ん中で三人ほどが言い合いを始めたわけです。

 中心になっているのはここのエンリル公爵令息と第三王女、それとトマス伯爵家の令息ですね。

 見事な三角関係です。

 確か、第三王女はトマス伯爵家に降嫁されることが決定しているはず。

 そこにトマス伯爵令息が突っ込んでいって、どういうことなのか、という感じですかね。

 王女様が悪女なのか、公爵令息がタラシなのか。

 しかしまあどちらにしろ、大きな騒動に違いはありません。


 いや、トマス伯爵家さん?

 王女様と婚約破棄されるのは分かりますよ。分かります。

 ですが、そのすぐ後に私と婚約を結ぶのはどう考えてもおかしくないです???
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