上 下
1 / 1

私が王子の側室になるという噂が広がっているらしく、婚約者を寄越せという人が来訪してきて面倒くさい話

しおりを挟む
「メアリさん、カムラン殿下の側室になられるそうで」

 なりませんが……?

 目の前の方は、どこぞの伯爵家の令嬢です。名前は……そう言えば名乗ってないですね……。

 まあ、別に良いですけれども。

 そして別に良くないことは、だったら婚約者のエドガー様を寄越せということらしいです。

 エドガー様の人権が、無い……!

 いや、私の一存如きでエドガー様の意思を左右できるわけがないじゃないですか。

 ねえ?

「それもそうね。形だけの婚約だったみたいだし」

 余計なお世話なんですよねー。

 でもまあ、ご自身で婚約の権利を勝ち取るのが良かろうかと思われますよ。

 エドガー様、他の令嬢にも人気の様ですし。

 こんなところで時間を潰してたら取られるんじゃないですかね?

「っ! 失礼するわ!」

 はいはい。もう来ないで下さいね。



 後日、そのご令嬢は案の定というか、まあやっぱりフラれたようです。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...