どうも悪役令嬢らしいので、最後まで役を全うしていく所存の話

どうも悪役令嬢らしいので、最後まで役を全うしていく所存の話

　乙女ゲームの世界に生まれたこの私、役としては悪役令嬢のようです。

　婚約者の馬鹿王子は俺様一番系の、こう、ついていけないタイプ。

　どこかで見たような流れで特待生の男爵令嬢に惚れ、その尻を追っかけ回しています。

　主人公らしき男爵令嬢が少しも相手にしていなかった辺り、滑稽譚の類かも知れません。

　まあ、それでも悪役の私ですからね。嫌がらせをしないわけにもいきません。

　もっとも、嫌がらせの対象は男爵令嬢じゃなくて馬鹿王子ですけどね。

　嫌がらせにも屈せず、王と王妃の説教にも耐え忍び、それでも王子はめげることなく男爵令嬢を追っかけ回した様子です。

　そしてこの卒業パーティーで、男爵令嬢を我が物にせんとして大々的に演説をぶつ予定のようです。

　どのような終劇を迎えるかは分かりませんが、どうせ世界は滑稽譚。

　悲劇も喜劇も外から見れば滑稽以外にあり得ない。

　ならば私は私らしく、あるがままに、誇りをもって参りましょう。